公式サイトのメインビジュアルや宣伝コピーではかなり期待値は高かったのですが、んー、どうでしょう…。監督、脚本は「福岡を拠点に映像制作を行(公式サイト)」っている萱野孝幸さんという32歳の方です。
予想はつきます
「予測不能」と宣伝されていますが、予想はつきます。
さすがに前半は映画自体が何をやろうとしているのかまったくわかりませんのでどこへ向かっているのか予測不能ですが、小夜が自殺していることがわかり、映画がホラー系? オカルトパロディ系? の様相を見せ始めたあたりで、ああ、そういうことねとわかります。
二重構造(的)の映画というのはひとつのパターンです。
春利が漫画を書いており、どんな漫画? と聞かれ、不条理ファンタジーと答え、不条理なことが始まれば、それは漫画の内容でしょう。
脚本をもっと練らないと…
「夜を越える旅」なんて、結構いいタイトルなんですから、その線に沿ってそれぞれの人物造形をしっかりして、小夜の物語や春利とのことや、せっかくゼミ仲間(なのかな?)との旅行にするのであれば、過去にもたびたび一緒に旅行しているのでしょうから、そうした物語も織り交ぜながらもっと複雑な脚本にすべきですし、こういう内容の映画は単純ではダメです。
春利がヒモ状態というのは必要ですか? ほとんど映画的には役に立っていませんし、あんな刺々しい会話だけならもうとっくに別れているでしょ、なんて見ていました(笑)。
前半の長ーい前置きのような旅行先の会話シーンも肝心の不条理ファンタジーにつながっていってません。名前がわかりませんが後半に春利と争うことになる男以外の数人の友人たちを何のために登場させているのかよくわからないです。
結局、全体で80分の映画なのに後半だけのほぼ半分くらいの映画になっています。