こういう映画は集中できない時に見てはダメだ、のパターンでした。仕事の合間に時間を見つけてみたのですが、多少気になることがあった私が悪いのか、あるいは映画がダメなのか(笑)、嫌いなタイプの映画ではないだけに残念です。
基本的には群像劇を狙っているんでしょうか? であるなら、ハビエル・バルデムのキャスティングはまずいでしょう。どうしたって彼の映画になってしまいます。
じゃ、余命2ヶ月と宣告された男、ウスバル(ハビエル・バルデム)の物語でしょうか? であるなら、あの中国人の不法入国者たちの扱いは何なんでしょう? あのゲイのカップルは何なんでしょう? ウスバルが霊媒師である意味は何なんでしょう?
ん…、煩雑だ…。
多分、ウスバルがあの世へ旅立つ時に、彼が生まれる前(だったと思うが…)にフランコ政権の弾圧から逃れてメキシコへ逃げた父親と出会う(霊媒師だから)シーンがポイントだと思いますが、なぜ雪山なのかも、見逃したのか分からないですし、海や砂の話も、聞き逃したのか分からないですし、ん…、どうなんでしょう、この映画…?
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督は、アモーレス・ペロスやバベルでもそうでしたが、こういう同時進行形の話が多いのですね。ただ、アモーレス・ペロスが良かったのは、その点ではなく、ラテン(メキシコラテンですが)のエモーショナルさみたいなものであり、その根本が失われたバベルでは散々ですし、その意味では、アモーレス・ペロスに戻った感のあるこの映画ですが、ハビエル・バルデムが目立ちすぎでバランスが悪いということでしょうか…。