すごい監督です、ギジェルモ・アリアガ監督!
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の評価の半分はギジェルモ・アリアガ監督に与えられるべきです。とあえて言うこともなく、すでにそうなっているのかも知れませんが、結局、「ビューティフル BIUTIFUL」がいまいちだったのは、脚本がギジェルモ・アリアガではないからですね。納得がいきました。
全編にわたって、時間や場所が頻繁に交錯し、3つの話がまるで同時進行形のように進むのですが、全くいらいらさせられることなく、スムーズにすうーと理解でき、やがて一つの物語に収束していきます。うまいです! 文句のつけようがないくらいにうまいです!
もともとが脚本家ということからいけば、脚本の時点で完全にイメージされていることを完全に映像化しています。
映像センスも編集センスも音楽のセンスも抜群です!
ラストシーンは特に秀逸です。それまでのシーンを全て集約させ、さらに描かれない、また描く必要のない未来をも暗示させる、これ以外に考えられないラストシーンです。
シャーリーズ・セロン、キム・ベイシンガー、ジェニファー・ローレンス、3人の女性俳優がとてもいいです。シャーリーズ・セロンは、スタッドアップくらいしか記憶にないのですが、この難しい役を完全に演じきっていました。キム・ベイシンガーは、「ドア・イン・ザ・フロア」と重なり、年齢を重ねたはかなさがぞくぞくするくらい美しかったです。
ギジェルモ・アリアガ監督、もっとたくさん撮ってほしいですね。