本気で安田顕さんを主役で撮ろうとしたのか問いたいですね。
横浜聡子監督、私の中ではかなり期待度の高い監督で、「ウルトラミラクルラブストーリー」以来、長編を待ち望んでいた監督です。
短編では、「おばあちゃん女の子、真夜中からとびうつれ」を見ているのですが、もう4年前ですね。「ウルトラミラクルラブストーリー」からは8年です。
まあ、映画を撮るのもそう簡単ではないということでしょう。
亀岡拓次、37歳独身。職業は脇役メインの俳優。泥棒、チンピラ、ホームレス・・・演じた役は数知れず。監督やスタッフから愛され、現場に奇跡を呼ぶ?と言われる“最強の脇役”。呼ばれればどこへでも、なるべく仕事は断らない。プライベートは一人お酒を楽しむ地味な生活。
そんなある日の夜、ロケ先で美しい若女将【アヅミ】に出会う。カメタクの一世一代の恋の行方は?(公式サイト)
んー、なんとも微妙な映画でした。
始まって30分ほどは、さすが横浜聡子、うまいなーと感心しながら見ていたのですが、その後特に何かが進展するわけでもなく、「俳優 亀岡拓次」の役者稼業の日々が綴られるだけです。
安曇(麻生久美子)との話も映画の軸となっているわけではなく、最初と最後に、プロローグとエピローグみたいに使われているだけで、さほど味のあるシーンとはなっていません。
亀岡拓次を演っている安田顕さん、多分いろいろ見ているのでしょうが記憶はありません。でも、それが脇役というものだと思います。当たり前ですが、脇がいなくては主が成り立ちません。そういうものだと思います。
脇役を主にした映画はどこまでいっても(本気で撮ろうとしなければ)内輪受けの映画にしかなりません。若手の映画監督、巨匠、カリスマ的舞台女優、いろいろ登場させています(原作にあるのでしょう)が、この程度のつっこみでは何も見えてきません。
安田顕さんを本気で主役で撮ろうとしたのかどうか、それを問いたいですね。