ピーンと張りつめた緊迫感がいいですね。
一昨年のカンヌで監督賞を受賞、アカデミー賞では、スティーブ・カレル(ジョン・デュポン役)とマーク・ラファロ(デイブ・シュルツ役)が俳優賞にノミネートされていますが、この映画は、監督の演出力とマーク・シュルツ役のチャニング・テイタムとスティーブ・カレル二人の演技力の映画ですね。
この二人の演技をみていますと、ハリウッド(アメリカ映画)の凄さというのはこういうことなんだなと思い知らされます。
映画とは、役作り、肉体改造、メイク…、俳優やそれをサポートする人間が、時間やお金を、惜しまず費やすことに値するものだと考えているのでしょう。
スポーツものの映画というのは、リアリティを出すために、カメラワークとか編集とか、あるいはスタントとか、いろいろな映画手法を使わざるを得ないと思いますが、この映画は、ほとんどそうしたことに思いがいかず自然に見られますし、たとえ、DVD視聴でも集中が持続します。
編集の間合いや台詞の間合いがとてもよく、最初から何かが起きるのではないかとの緊迫感が漂っています。
映画に必要なのは、どういう手法を取るにせよ、見るものを集中させる緊張感ですね。