満島ひかりさんフィーチャーの映画としてみれば悪くはないが、昭和30年は感じられずかな「愛のむきだし」で、何だこの子は!?と、ある種、衝撃を感じた満島ひかりさん、その後見ているのは、「カケラ」「川の底からこんにちは」「悪人」ですが、読み返してみますと、どれも監督をぼろくそに書いています(笑)ので、「悪人」以外は、満島さんの話題になっていません。
「悪人」で褒めているのは、ああいう直情的な役どころははまり役といった意味ですが、ただ、もう数年前ですから、今はどうなんでしょう?
ということで、この「夏の終り」です。
とは言っても、2013年ですから2,3年前の映画です。
満島ひかりさんが変わっていこうとする過程でしょうか、まだまだ直球勝負で一生懸命演じるところ(を見せる?)から抜け出られていない感じです。
熊切和嘉監督も、「海炭市叙景」や「私の男」を見る限り、割とシナリオに忠実に撮っていくタイプではないかと思われ、俳優への演出もあまりしない、あるいは見せないタイプではないかと思います。
そうした結果だと思いますが、昭和30年代という時代と満島ひかりの今どき感のミスマッチが面白いといえば面白い、時代が感じられないといえば感じられない、映画です。
満島ひかりさんをフィーチャーして、この俳優を昭和の時代においてみたらどうなるのだ?なんて企画意図で作られた映画であれば成功ですし、昭和の時代に自らの思い(欲望)に忠実に生きようとした一人の女性を描こうとしたのであれば、描ききれていないということになります。
もちろん、男女関係なんて今も昭和の時代も同じようなものでしょうから、この映画の知子のような女性がいなかったということではありません。
その行為の話ではなく、細かな振る舞いや内面的な意識の話です。