ポンチョに夜明けの風はらませて

「母をたずねて三千里」かと思いきや、探すべきは父だった

♫ ポンチョに夜明けの風はらませて~、って「母をたずねて三千里」ですか? と思いながら公式サイトなど見ていましたら、青春覚醒ロードムービーなんてそそられるコピーもあり、太賀くんや染谷くんも出ていますし、ということで見てみました。

廣原暁(ひろはらさとる)監督、まだ31歳なんですね。2010年に、東京藝術大学でしょうか、卒業制作で撮った「世界グッドモーニング!!」で、PFFの審査員特別賞を受賞しているようです。

監督:廣原暁

将来に希望を見出せないまま、ただ何となく日々を過ごしていた高校生の又八、ジン、ジャンボ。卒業を間近に控え、“このありふれた日常から少しだけでも抜け出したい”そんな思いを胸に、彼らはジャンボの父親の愛車セルシオに乗って海に向かう。彼らの「青春」が、今ようやく動き出す―。(公式サイト

意図的なのか、最後までスコーンと抜けることのない青春映画でした。

たとえばラスト、これまでの青春映画ですと、中田(染谷将太)をひとりにしないで、仲間たち、又八(太賀)、ジン(中村蒼)、ジャンボ(矢本悠馬)がぎりぎり間に合って、一曲ビシっと決めて、盛り上がって終わるというパターンなんですが、中田はひとり放っておかれていましたね。中田は友達じゃないのかな?

そういうベタな青春ものは気恥ずかしいんでしょうか? 女の子たちの扱いも、ん? という感じでちょっと違っていました。あっけなく、女子二人はお金を持ってとんずらしていました。

これまでですと、バンドのヴォーカルとか、普通一緒に行動するんですが、何なんでしょうね?

新しい青春ものかとも思いますが、ただ、これといった伝わってくるものもなかったですし、よく分からない、結果として、消化不良の青春ものとしか思えないということになります。

全く高校生に見えない)高校生3人+1人が、卒業式を乗っ取ってライブを決行しようと計画していたのですが、 3人のうちの1人ジンが大学受験に失敗したところから、あれやこれや、暴走族に絡まれたり、ハチャメチャなグラビアアイドルと行動をともにしたり、ジャンボの男性器が大きいの小さいのと訳の分からないネタで風俗嬢が絡んだりしながら、(おそらく)本筋である、又八が自分はペルー人のミュージシャンとのハーフであり、その父親がライブをやっているので会いに行きたいということで会いに行くも、結局それは勘違いであったというお話です。

で、1人の方はと言いますと、卒業式乗っ取りライブを決行しようと3人を待っていますが、結局やって来ず、意を決して1人壇上に上がり、ギター1本で演奏を始めたところ、意外にも皆に受け、ノリノリとなり、皆羽目をはずすというお話です。

そういえば3人はライブのことなどすっかり忘れてといいますか、そもそも最初からライブのことなど大切に思っていないようでしたね。

ここらあたりですよね。青春ものはやっぱり律儀に守るべきものは守らないと、それにやっぱり友情でしょう。

それがないとね…。

ポンチョに夜明けの風はらませて (祥伝社文庫)

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ひゃくはち (集英社文庫)

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