そんなには褒めないよ。映画評

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ポリーナ、私を踊る

フランス製グラフィックノベル(漫画?)の映画化

2017/11/01

プレルジョカージュさんが映画監督!?と驚きと期待を持って見た映画です。

アンジュラン・プレルジョカージュさんは、フランスのコンテンポラリーダンスの振付家で自身のカンパニーも持っている方です。

もう30年くらい前になりますが、初めてプレルジョカージュさんの作品「肉体のリキュール」を見た時のインパクトと感動は今でも記憶しています。

プレルジョカージュさんにダンスの映像作品があることは知っていますが、劇映画は初めてじゃないでしょうか。ただ、 単独ではなく、バレリー・ミュラーさんという方との共同監督となっています。

監督:バレリー・ミュラー、アンジェラン・プレルジョカージュ

フランス漫画界期待の新星バスティアン・ヴィヴェスのグラフィックノベル「ポリーナ」。BD書店賞やACBD 批評グランプリに輝いた人気作が映画『ポリーナ、私を踊る』として、いよいよ幕を開ける。天才バレエ少女が、数奇な運命に翻弄されながらも、成長していく姿を描いた物語。(公式サイト)

映画的な演出の主導がプレルジョカージュさんとは思いたくないですね。率直なところ、映画になっていません。

映画に限らず何でもそうですが、創作物にはリズムが必要です。この映画にはリズムがありません。

それは、かなり早い段階から感じられ、しばらくは、ん? ん? と意図をつかみかねても何かあるんだろうと期待して見ていても、やがて、これはダメだと見切ってしまうことになります。

物語は、ロシアのバレエ少女ポリーナのダンサーとしての成長物語で、ボリショイ・バレエ団のプリマを目指すロシア・パート、コンテンポラリーのカンパニーでレッスンにはげむプロヴァンス・パート、そして自分自身のダンスを見出すベルギー・パートの3つで構成されています。

3つのパートとは書きましたが、さほど明確に分かれているわけではなく、悪意を持って書くわけではありませんが、だらだらと続いていくという感じが強いです。

結局何が問題かって、そもそものポリーナ(アナスタシア・シェフツォワ)にバレエへの思いの強さが感じられず、それは単に俳優の問題ではなく、映画の作り手の問題でもあるのですが、上っ面を追っているだけで、何を撮ろうとしているのか、その意志が感じられないということです。

編集もぎこちなく、時々挿入される過去のワンカットなど、流れを遮るだけです。

期待のダンスも、ラストにポリーナとカール(ジェレミー・ベランガール)のプレルジョカージュさんらしいデュエットがあるのですが、これももうひとつ盛り上がりません。

とても残念な結果です。

ああ、プロヴァンス・パートでジュリエット・ビノシュさんが振付家として出ていました。さすがです、ダンサーとしてもいけそうです。

ベルギー・パートでプレルジョカージュさんも出ていたと思います。

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