ボーはおそれている

2024.02.16

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母親畏怖、罪の意識、だと思うが、映画そのものはくどい…「ヘレディタリー 継承」では、金返せぇぇぇぇぇぇぇー!と叫び、「ミッドサマー」では、陳腐なことも陳腐とわかってやればホラーもコメディーになる、なんて茶化しておきながら(いや、真実…)、また見てしまいました(笑)。ボーはおそれている / 監督:アリ・アスター母親畏怖、母...

僕らの世界が交わるまで

2024.01.20

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ジェシー・アイゼンバーグ初脚本監督作品、世代間ギャップが母子関係でシンプルに描かれている…「ゾンビランド」「ゾンビランド ダブルタップ」のジェシー・アイゼンバーグさんも、はや40歳、この映画の脚本監督です。本当は「イカとクジラ」の、と書こうと思ったのですが、この映画のプロデューサーにエマ・ストーンさんの名前を見たために「ゾンビランド」になりました...

ポトフ 美食家と料理人

2023.12.17

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美食家なる言葉が存在する19世紀のフランス、トラン・アン・ユン監督はなにを描こうとしたのか…トラン・アン・ユン監督、えらく久しぶりです。監督としては2016年の「エタニティ 永遠の花たちへ」以来の7年ぶりです。監督以外では、その間に「第三夫人と髪飾り」の美術監修と「走れロム」の製作にクレジットされています。いずれにしても寡作の監督です。という久し...

ぼくは君たちを憎まないことにした

2023.11.25

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アントワーヌ・レリスさんの著書『ぼくは君たちを憎まないことにした(Vous n’aurez pas ma haine)』の映画化2015年11月13日に起きたパリ同時多発テロ事件の標的のひとつ、バタクラン劇場で妻を亡くしたアントワーヌ・レリスさんの著書『ぼくは君たちを憎まないことにした(Vous n'aurez pas ma haine, You Wil...

母性

2023.09.15

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アナクロ的母娘ものファンタジー、原作を読んでみたらそのとおりだった公開時、気にはなっていたのですが優先順位で結局見なかった映画です。主演は戸田恵梨香さんと永野芽郁さん、監督は廣木隆一さん、原作は湊かなえさんです。母性 / 監督:廣木隆一戸田恵梨香さんと永野芽郁さんDVD視聴ですからなんとも言えませんが、感想として...

ほつれる

2023.09.12

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ほつれるではなく、そもそも結び目もないですし、キレて切っただけ…ちょうど1年前に見た「わたし達はおとな」の加藤拓也監督の長編2作めです。その映画では、映画的じゃないとか、映画に技術が足りないとか、女性への悪意があるとか、相当辛辣なことを書きましたのでとても記憶に残っています。ただ、記憶に残っているのはそう書いたことであり、映画そのものではありませ...

星くずの片隅で

2023.08.23

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絶望の香港か…「私のプリンス・エドワード」に続いて香港映画です。こちらの製作年は2022年、映画の設定はほぼ撮影時期と思われる2020年、新型コロナウイルスによって世界中が騒然としていた頃の物語です。星くずの片隅で / 監督:ラム・サム絶望の香港か…びっくりします。希望も何もあったもんじゃない話です。一般...

ボーンズ アンド オール

2023.02.20

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ネタバレレビュー・あらすじ・感想・評価「君の名前で僕を呼んで」のルカ・グァダニーノ監督です。出演はその映画にも出ていたティモシー・シャラメさんと「WAVES ウェイブス」のテイラー・ラッセルさんです。ルカ・グァダニーノ監督が昨年2022年のベネチア国際映画祭で銀獅子の最優秀監督賞、そしてテイラー・ラッセルさんが新人俳優賞であるマルチェロ・マストロ...

ほの蒼き瞳

2022.12.28

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クリスチャン・ベール主演のミステリーだが、さすがにこれはひどい!Netflix の劇場先行上映です。このパターンが多くなってきている印象ですが、これで定着していくんでしょうか。クリスチャン・ベール主演のミステリーです。若き日のエドガー・アラン・ポーが登場します。ポーを演じているのはハリー・メリング、1本も見ていないのでわかりませんが、ハリー・ポッ...

ホワイト・ノイズ

2022.12.14

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ノア・バームバック監督のセンスが光るポストモダン混乱映画(笑)「マリッジ・ストーリー」「ヤング・アダルト・ニューヨーク」「フランシス・ハ」のノア・バームバック監督の最新作です。前々作「マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)」前作「マリッジ・ストーリー」に続いて今回もNetflix製作です。Netflix製作配信の映画が多くなっています。ただ、ここ最近は事前に...

ボイリング・ポイント/沸騰

2022.07.18

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90分全編ワンカットでみるレストランオープントラブルもの90分ワンカットが売りの映画です。何年かに一度全編ワンカットにとらわれた映画制作者が現れます。映画制作者にはひきつける何かがあるようです。ボイリング・ポイント/沸騰 / 監督:フィリップ・バランティーニ全編ワンカットの魅力とはあらためて言うまでもなく、全編フイル...

ポゼッサー

2022.04.07

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暗殺者は身近な者の顔でやってくる他人の体を乗っ取って殺人を犯す殺し屋の話です。監督はブランドン・クローネンバーグさん、その名前から想像できるとおり、デヴィッド・クローネンバーグ監督の息子さんです。1980年生まれですから42歳くらいということになります。私は見ていませんが、2013年に「アンチヴァイラル」という映画で長編デビューしています。この映...

ホテルアイリス

2022.02.22

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翻訳家の男の存在感が足りません。ミスキャストでしょう。もう2年前になりますが、この映画の監督の前作「黒四角」をDVDで見て、こういう映画をきっちり撮れる監督が日本にもいるんだ(劇場公開される映画でという意味)と興味を持ち、さらにさかのぼって宮﨑あおいさんとARATA(当時)さんの「青い車」まで見てしまったという奥原浩志監督の最新作です。2年前とい...

ヴォイス・オブ・ラブ

2022.01.05

あ行, , は行,

脚本,監督,主演のヴァレリー・ルメルシエのパフォーマンスがすごい何を見ようかと映画.comの上映欄を見ていましたら、音楽映画なのに(音楽映画にハズレはないという意味)あまり良い評価もなく、期待せず見に行ったのですが、これ、面白いです。全編音楽がふんだんに使われていますが、音楽映画というよりも、脚本、監督、主演のヴァレリー・ルメルシエさんの何がした...

ホテルローヤル

2021.11.23

は行,

ラブホテル舞台の昭和的ホームドラマみたいな映画2020年11月、ちょうど一年くらい前に公開された映画です。原作は2013年上半期直木賞受賞作、桜木紫乃さんの短編小説集『ホテルローヤル』です。ホテルローヤル / 監督:武正晴原作の評価は高いようだ映画はベタベタネタバレあらすじ廃墟の「ホテルローヤル」雅代、「ホテルローヤル」のオーナーになるミ...

ボクたちはみんな大人になれなかった

2021.11.09

は行,

なれなかったのではなく、なりたくなかったボクたちの25年ああ、これが2020年の日本なんだなあとつくづく感慨にふけざるを得ないような映画です。ボクたちはみんな大人になれなかった / 監督:森義仁残るのは虚しさだけ佐藤、加藤に会う佐藤、テレビ局の下請け仕事に就く佐藤と加藤、ラブホテルへいく普通が嫌いな加藤突然の別れ恋愛ドラマではなく、...

ほんとうのピノッキオ

2021.11.06

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ダークファンタジーというよりもジェントリーファンタジーマッテオ・ガローネ監督は、自然主義的な社会派ドラマとファンタジーものを交互に撮るつもりなんでしょうか。「ゴモラ」「五日物語 3つの王国と3人の女」「ドッグマン」、そしてこの「ほんとうのピノッキオ」です。ほんとうのピノッキオ / 監督:マッテオ・ガローネ子ども向けなのか、大人向けなのか?人形...

僕が跳びはねる理由

2021.04.03

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言いたいことが言えない生活を想像できますか?つい先日見た「旅立つ息子へ」が自閉スペクトラム症の青年と父親の映画でした。その際いくつか自閉スペクトラム症に関連するサイトを読んだことがこの映画を見たきっかけです。僕が跳びはねる理由 / 監督:ジェリー・ロスウェル東田直樹さん 自閉症者の見る世界を映像化しようとしているようだが… 5人の自閉症の子ども...

ホモ・サピエンスの涙

2020.11.28

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あらすじのない絶望的な33シーンのエンドレス映画ロイ・アンダーソン監督、「さよなら、人類」を見たと思っていましたが、何度も見せられた予告編のせいでそう思い込んだだけのようです。今も予告編を見て、ああ、見た、見たと思いましたが、他のシーンがまったく浮かんできません(笑)。ということで初めてのロイ・アンダーソン監督です。ホモ・サピエンスの涙 / 監督:ロイ・...

星の子

2020.10.10

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芦田愛菜の演技と大森立嗣監督の演出で日日是好日以来の秀作に!大森立嗣監督というのは(私には)とても不思議な監督で、前作の「MOTHER マザー」でも散々に書きながらなぜか見に行ってしまうという監督です。なにか感じるところがあるからだとは思いますが、それにしても、これも毎回書いていることですが出来不出来の落差が激しい監督です。この映画はよかったです(笑)。...