デヴィッド・リンチ版です。ドゥニ・ビルヌーブ版よりも面白いんじゃない…
デヴィッド・リンチ監督が自ら失敗作と認める(ソース未確認…)「デューン/砂の惑星(1984年)」を見てきました。いやいや、ドゥニ・ビルヌーブ版よりもいいですよ。
この物語のどこに魅力があるのかわからない…
ただ、ドゥニ・ビルヌーブ版よりもいいと言っても、それはドゥニ・ビルヌーブ版の酷さ(ゴメン…)を見ているからであって、仮にこのデヴィッド・リンチ版をリアルタイムで見ていたら、何じゃ、こりゃ?! 状態だったろうとは思います。
原作を読んでいませんので映画を見た限りの話ですが、なぜこんな哲学のない中世風の権力闘争物語に皆が注目するのかそのこと自体がよくわかりません。
偉そうなことをいうようですが、結局のところ、ドゥニ・ビルヌーブ版にしても、このデヴィッド・リンチ版にしても、何を描くか焦点を絞りきれずに物語の説明に終始しているから内容のないカスカス映画(ゴメン…)になるだろうと思います。
原作自体はかなり壮大な話のようですので、サーガ的に捉えるのであればテレビのシリーズものかスターウォーズ方式、2時間程度の映画にするのであればメランジをめぐる権力闘争に絞るか、ポールと砂漠の民フレーメンに絞るかのどちらかでしょう。
フレーメンってイスラムでしょ…
砂漠の民フレーメンはイスラムから発想されていると思われますが、どちらの映画もまったくもって雑な扱いです。自らとは異なった価値観への敬意が感じられません。
なぜポールが砂漠の民の救世主なの?
フレーメンにとってメランジはどういう存在?
サンドワームもフレーメンも砂漠で生きているわけですから敵じゃないでしょ。
きっとこれらのことは原作にもないのでしょう。結局のところ、王家や貴族階級の権力闘争は西洋の物語の基本ですのでそのお話なんだろうと思います。フレーメンって単に戦いの駒のような扱いです。
まあ、いずれにしても余計なことではあります。
ドゥニ・ビルヌーブ版はこの映画のリメイク?…
ところで、このデヴィッド・リンチ版を見ていて、あれ見たことあるなあなんて思うほどよく似ていたんですが、ドゥニ・ビルヌーブ版はこの映画のリメイクという位置づけなんですかね。あるいはどちらも原作に忠実に作られているということなんでしょうか。
違うのは、ドゥニ・ビルヌーブ版ではポールが皇帝の娘を娶って(字幕…)皇帝になる!なんて言っていましたが、この映画にはそれがなかったこととポールの妹が生まれて結構重要な役で登場していました。
それとドゥニ・ビルヌーブ版ではハルコンネン家の当主である男爵がポールの父親であるような(勘違いかもしれない…)ことを言っていましたが、この映画にはありませんでした。
映像的には、今から見ればデヴィッド・リンチ版のほうが面白いです。
アレハンドロ・ホドロフスキー版…
アレハンドロ・ホドロフスキー監督の企画が頓挫したというのはよく知られた話ですが、そのあたりのことをドキュメンタリーで撮った映画があります。
10時間とも12時間とも言われる超大作、キャスト、スタッフにそうそうたる顔ぶれ、完成されていればと思う反面、完成しなかったがゆえに伝説になることもあるんだなあと思います。