YOIHI PROJECTからの劇場映画第2弾「プロミスト・ランド」なんだけれど…
「せかいのおきく」と同じYOIHI PROJECTからの第2弾劇場映画「プロミスト・ランド」です。
『YOIHI PROJECT』の映画、ドキュメンタリーのテーマのひとつは、日本人が古来から大切にしてきた「自然との共生」です。世界が生物圏に負荷をかけず、自然を増やしていくという「ネイチャー・ポジティブ」の発想に向かう中、『YOIHI PROJECT』の作品を通して、世界の人たちと繋がり、語り合うきっかけになることを目指していきます。
(YOIHI PROJECT)
何をやろうとしているのかわからない…
これだけ何をやろうとしているのかわからない映画も珍しいです。
物語は、マタギの伝統を守りたいと考える(かどうかもよくわからない…)若者二人が禁止された熊狩りを強行するという話のようですが、マタギ自体の伝統性も、若者二人がなぜそれに固執するかも、なぜ禁止されたのかも、なぜ強行するのかも、そして、そもそも熊狩りの経緯も、熊を仕留めた後の儀式的な行為も、刑務所行きだと言っていたその後も、何もわからない映画です。
それだけ、私の映画を見る感覚とまったく違う映画だということで、嫌味でもななんでもなく、こうした映画を世に送り出す人たちがいるんだということに驚きと興味を持ちます。
映画制作センスもよくわからない…
この映画、ほとんどのカットのつなぎに1、2秒の黒味が挿入されています。
何をやろうとしたのか興味はありますが、まったくわかりません。
礼二郎(寛一郎)と信行(杉田雷麟)が行政からの熊狩り禁止の通達を無視して山に入ります。熊を探すシーンが延々続きます。
雪山をあれだけ移動して、あれだけの装備で遭難しないのかと心配になるほど移動します。
そして、熊を見つけます。二人はふた手に別れ、信行が熊を追い立てます。信行は「わー! わー!」と声を上げながら熊を礼二郎の射程範囲まで追い立てます。
これ、本当なんですかね? 信行は、途中リュックを置いて、それでも急勾配の山をどんどん進んでいましたが、後で取りに戻るんでしょうか。
まあ、それは映画的処理だとしても、二人の行為に伝統的マタギの所作が感じられなかったですね。もちろん、私もまったく知りませんが、映画的説得力が感じられなかったという意味です。
儀式には神秘性が必要…
仕留めた熊を処理(という言葉でいいのかどうかは?…)する行為を「ケボカイ」というようです(未確認…)。
ケボカイは、マタギが獲物を解体する時に行なわれる。ほふった熊の頭部を川下に向けて置き、剥いだ毛皮を数人が持ち上げて、持ったまま頭の皮を尻に、臀部の皮を頭部へと回し、体の肉に覆い被せる。熊の霊が天にのぼり、再び獲物となって現われるのを山の神々に祈念する儀礼である。マタギにとって深山の狩場は霊場であり、樹木や獲物となる鳥獣にも神が宿る。
(公式サイト)
このシーン、この映画の肝だと思いますがあっさりしていました。
んー、とにかく、何をやろうとしたのかわからない映画でした。
でも、まあ、こういうわからないセンスもあってこそ映画も広がりがあるんだろうと思います。
原作は「汝ふたたび故郷へ帰れず」に収録されているとのことです。