そんなには褒めないよ。映画評

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君がくれたグッドライフ/クリスティアン・チューベルト監督

感動ものかと思いましたら、意外とそうでもなく、ただ淡々と物語が進行する映画でした

2016/07/21

 「尊厳死」をテーマにした映画というのは、考えてみれば、結構多いですね。

見たもので、今ふっと思い出すもので言えば、「海を飛ぶ夢」「みなさん、さようなら」「母の身終い」、介助する側にテーマがあるもので言えば、「或る終焉」、その記事の中で紹介した「グッド・ハーブ」などなど、ググれば、「ミリオンダラー・ベイビー」もヒットします。

尊厳死にかかわらず、「死」をテーマにした映画は相当多いでしょうから、まあ人間の永遠のテーマということでしょう。

年に1度、自転車で旅に出る6人の仲間たち。持ち回りで行き先を決めるのだが、今年はハンネスとキキの夫婦の番だ。ベルギーと聞いた友人たちは、チョコレート以外に何があるのかとボヤく。だが、ハンネスの選択には、ある深い理由があった──。
ALS(筋萎縮性側索硬化症)と宣告された彼は、これを人生最期の旅にすると決めていたのだ。ベルギーでは、法律で尊厳死が認められている。真実を知った仲間たちは大きなショックを受けるが、彼の願いを叶えることを決意する。いつものように、旅行中に実行しなければならないムチャな課題を出し合い、クリアするたび笑いがはじける旅は、このままずっと続くように思えた──。(公式サイト)

で、この映画、「君がくれたグッドライフ」 、ALS を発症したハンネス(フロリアン・ダーヴィト・フィッツ)が、自ら尊厳死を選択し、毎年恒例となっている友人たちとの自転車旅行の行き先に、尊厳死がが認められたベルギーを選び、友人たちに見守られながらその時をむかえる(むかえるじゃないですね)という映画です。

映画は、何のひねりもなく、極めてオーソドックスに時間軸にそって物語を描いているだけですので、特に印象に残ったことも、語ることもないのですが、尊厳死が認められた国ベルギーが地続きの隣にあるという、ある意味恵まれた環境にあるドイツなんだということです。

「母の身終い」はスイスで尊厳死を遂げるという話でしたが、スイスにしても、このベルギーにしても、要は自殺幇助が犯罪にならないということだと思います。

スイスには、「ディグニタス」という団体まであるということです。

映画の出来はあまり良くはなく、ハンネスの何か、たとえば葛藤のようなものを描こうという意思もなく、最も身近な存在である妻キキ(ユリア・コーシッツ)を単に友人のひとりとでもいうような描き方(新しいかな?)をしたり、友人たちの小ネタを挿入して時間をかせいだりという、何のためにこの映画を撮っているのか、何の熱もない映画です。

逆に言えば、極めてシンプルで、テレビドラマにすれば、そこそこ視聴率は稼げるのではないかというような映画ということです。

ところで、「センチュリーシネマ」という、もともとはプラネタリウムだった劇場で見たのですが、始まった早々、友人たちが集まってのワイワイしたシーンだったと思いますが、何やら音響に違和感、台詞と音楽とのバランスが変といいますか、字幕に出ている台詞が聞こえないといいますか、ガヤは音量があるのに肝心の台詞が出ていないといいますか、多分 5.1 チャンネルだと思いますので、その何かが出ていないのではないかと思え、これは音響の不備だと思い、迷惑も顧みず、一旦外に出て、スタッフにその旨伝えて、確認してもらいました。

何せ上映中にどうこうできるわけもありませんので、そのまま、最後まで見たのですが、なかなか集中してみることもできず、結果、上に書いたような批評になってしまったのかもしれません。あるいは、集中してみれば、良かったのかもと、もうひとつ確信のない結果となりました。

ところで、その劇場のスタッフさんは親切で、上映中しばらく確認してくださり、終了後も、上映設備の説明をしてくださりながら、再度設備のチェックをしてみるとのことでした。

あるいは、ソースの問題かもしれません。え!? 私の問題?

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