言葉過剰で映画としてはつらいですが、人間も捨てたものではないかもしれない。
もう2年ほど前になりますが、「リスボンに誘われて」のメラニー・ロランが強烈に印象に残っています。
メラニー・ロラン出演の映画が初めてというわけでもなかったのですが、映画内のアマデウ同様、エステファニア(メラニー・ロランの役名)にくぎ付けになってしまった記憶があります(笑)。
そのこともあり、監督としてクレジットされている、この「TOMORROW パーマネントライフを探して」にも興味を持ったわけです。
ウィキペディアによりますと、この映画以外にも短編やTVシリーズを5本ばかり監督しているんですね。
監督:メラニー・ロラン&シリル・ディオン
(公式サイト)
いやあ~、予想とはまったく違い、言葉の洪水のような映画でした。私の語学力ではまったくついていけず、字幕を読むことに約2時間費やしたような映画です。
ですので、この映画は英語やフランス語を滞りなく理解できる人じゃないと、言葉として理解は出来ても、映画として楽しむことは出来ないかもしれません。
とにかく、全編、登場人物が皆、かなりのスピードで喋りまくります。
登場人物と言ってもドキュメンタリーですので、俳優ではなく、新しいライフスタイルを求める一般の人たちなんですが、とにかく主張がはっきりしています。
その語りはインタビュー形式にも見えますが、考えてみれば、多くのシーンではインタビュアーとの受け答えではなく、言葉に詰まることなく、長いものでは数分(の印象)喋りまくっていましたので、あるいは事前に伝えたいことをまとめてもらって、それを撮っているのかもしれません。
登場人物たちというのは、メラニー・ロランが
2012年、21人の科学者たちが権威ある学術雑誌「ネイチャー」に、私たちが今のライフスタイルを続ければ、人類は滅亡するという論文を発表し世界に衝撃が走った。(公式サイト)
とのことに危機感を持ち、 「未来のために解決策を求めて」新しいライフスタイルに挑戦している世界中の人たちのことです。
訪ねる人たちは「フード agriculture」「再生可能エネルギー energy」「地域通貨 economy」「直接民主主義 democracy」「教育 education」の分野での成功事例の人々です。
そのどれも、確かに未来を考える意味ではひとつのモデルとなるとは思いますが、どんなにそれを広めようとしても無理なのではないかと思います。
なぜなら、そもそもこれらの成功事例は、小規模であるがゆえに成功しているわけで、これらを地球規模で実行しようとすれば、当然ながら矛盾が生じるわけです。
あまり悲観的なことを言うとレッドカードを食らいそうですが、人類は地球資源を食いつぶす存在なんじゃないでしょうか…。