秒速5センチメートル

18年間にわたる男の妄想追想物語…

これまで劇場で見たアニメは「君の名は。」と「失くした体」の2作、他にエヴァンゲリオンをDVDで見たくらいです。この「秒速5センチメートル」も特に興味はないのですが、実写版なら見てみるか程度の気持ちで見てみました。

秒速5センチメートル / 監督:奥山由之

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ネタバレあらすじ

この映画の監督は、見ようかどうしようかと迷って結局見なかった「アット・ザ・ベンチ」の奥山由之監督です。まだ配信もされていないようで見ておけばよかったです。

父親は映画プロデューサーの奥山和由さん、弟は「僕はイエス様が嫌い」「ぼくのお日さま」の奥山大史監督という映画映像一家です。

やはり人の人生には生活環境が大きく影響するということでしょう。

で、映画ですが、映像が単焦点でピントも甘くしてありますし、全体に紗をかけたような映像になっています。どういう意図でやっているのかはわかりませんが疲れます。

物語のキーワードは「君の名は。」と同じですれ違いドラマです。

30歳になっても小学時代の初恋が忘れられないという男の妄想追想物語です。後々どういう物語だっけとなることは間違いありませんので思い出せる程度に書いておこうと思います。

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小学時代の初恋、高校時代の追想…

1991年、東京です。小学6年生の貴樹(上田悠斗)と明里(白山乃愛)の家はともに転勤族ということもあり親しく話すようになります。貴樹は宇宙や星の話をするのが好きで小惑星 1991ev の話をよくしています。明里は桜の花びらが落ちる速度は「秒速5センチメートル」なんだよと教えてくれます。

もう引っ越しはないと思っていた明里が小学校卒業と同時に栃木に引っ越していきます。

1992年3月26日、貴樹が種子島に引っ越すことになり、栃木まで明里に会いに行きます。しかし、その日はあいにくの大雪で電車が遅延し、目的の岩舟駅に着いたのは約束の午後7時をとっくに過ぎた午後11時(くらいだったような…)です。でも、明里は待っていてくれました。

ふたりは雪の中を桜の木まで歩いていきます。そして桜の木の下で貴樹は小惑星 1991ev が地球に衝突する(だったか…)2009年3月26日の今日、またここで会おうと約束し、ふたりは初めてのキスをします。

続いて1995年からの3年間、種子島、貴樹(青木柚)の高校時代です。貴樹はいつも物思いにふけっているようなところがありちょっと目立つ存在です。同級生の花苗(森七菜)は貴樹に恋をしています。告白しようとしてもなかなかできません。花苗はサーフィンに挑戦しており、成功したら告白しようと決めています。

そして、初めてボードに乗れた日、告白しようとした花苗は、たとえふたりでいても貴樹がまったく自分のことを見ていないことに気づき、告白できずに終わります。

この花苗には貴樹たちの教師である姉の美鳥(宮﨑あおい)がいます。2008年時代に貴樹と明里の映画上の接点(どちらも知っているという程度…)になります。

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2009年3月26日の失恋、さらに未練か…

という過去が2008年から2009年にかけての貴樹(松村北斗)を描く中にフラッシュバックされていきます。

また、明里(高畑充希)の今も描かれていきます。

2008年、東京、貴樹はプログラマーとして働いています。まわりとほとんど付き合いはありません。同僚の理紗(木竜麻生)と付き合っています。ただ、ここでも貴樹は理紗のことを見ていません。

高校時代にしてもこの時代にしても貴樹がずっと明里のことを考えていると考えるべきなんでしょうが、さすがにファンタジー過ぎますね。

とにかく、貴樹は仕事を辞めてプラネタリウムのプログラマーとして働くことになります。はっきりしたシーンはありませんが理紗とも別れたようです。

そのころ明里は大型書店で働いています。その書店には美鳥が先生(折り紙作家になっているのかな…)と呼ばれてときどき訪れ、明里とも親しく話をします。その時、明里が結婚指輪をしていることが手のクローズアップで示されます。

2009年3月26日、明里の書店では手違いでプラネタリウムからの発注に納品されていないことがわかり、明里が直接届けることになります。明里はその日のプログラムを鑑賞していくことになります。そのプログラムは貴樹の企画の新作であり、ナレーションも貴樹がやっています。

ふたりはプラネタリウムですれ違います。そして、帰り道、明里はパンフレットに貴樹の名前を見つけます。

貴樹は帰りの電車の中で突然思い出したように電車を下りて栃木の岩船に向かいます。突然思い出したと書きましたが、迷っていたのを決断したのかもしれません。

しかし、桜の木の下に明里の姿はありません。

後日、貴樹が突然感極まったようにプラネタリウムの館長に明里との思い出を語り始めます。館長は先日ひとりの女性がその話をしていたが、行かないと言っていた、初恋など忘れてしまうくらい幸せになっていてほしいからと言っていたと語ります。

その頃、明里は夫の海外赴任でメルボルンに飛び立っていきます。

間違っているかも知れませんがこんな感じでした。宮﨑あおいさんが演じていた美鳥先生のことを入れなくっちゃいけないのですが、結局大した役割はなかったということです。

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感想:大人にはちょっと…

君の名は。」はなんとか見られましたが、これはちょっと浅すぎます。初恋が忘れられないだけの話ですからね。大人の鑑賞にはちょっと耐えられないです(ゴメン…)。

俳優では森七菜さんが現実感があってよかったです。高畑充希さんは高畑充希さんじゃなくてもよかったんじゃないのというくらい重要な役回りではなかったです。

この映画を見ようと思った理由のひとつに三宅唱監督「夜明けのすべて」の松村北斗さんがよかったことあるのですが、この映画では人物像が一面的でその力を発揮するところもなかった感じです。

ということで内容としてはティーン対象の映画だと思います。