そんなには褒めないよ。映画評

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エゴイスト

ネタバレレビュー、あらすじ、感想、評価。

2023/02/13

エッセイストの高山真さんという方の自伝的小説『エゴイスト』の映画化です。監督は「ハナレイ・ベイ」の松永大司監督です。

  • 高山真さん
  • 映画「エゴイスト」の物語
  • 映画としては…
エゴイスト / 監督:松永大司

高山真さん

高山真さんという方に思い入れがあるか、その著作に興味がないと映画としてはちょっとつらいです。ですので、以下レビューらしいことは書いていません。物語と感想だけです。

私はこの映画を見て初めて知りました。2020年に50歳で亡くなられています。本人のブログがまだ残っています。

  • 高山真のよしなしごと(新)

ブログは2020年の1月8日で終わっています。2018年4月に肝臓がんの手術をされているようですので死因はがんということなんでしょう。

小説『エゴイスト』はもともと2010年ごろに浅田マコト名義で出版されたものを映画化を機にあらためて高田真名義で再出版ということのようです。

映画「エゴイスト」の物語

実にストレートな映画で、映画が語るそのままです。登場人物の台詞や行動に、え? と思うようなことがありますが、嘘も偽りもごまかしもありません。語られる言葉通りですし、描かれる画の通りにことが進みます。

浩輔(鈴木亮平)は出版社でファッション雑誌の編集をやっています。ゲイです。母親を亡くしており、命日には必ず千葉の実家に戻り線香をあげています。

後半にこの母親への思いが重要なポイントになるのですが、あまり突っ込んだ描き方はされていません。

浩輔はパーソナルトレーナーとして龍太(宮沢氷魚)を週一で雇います。龍太は母親が病弱で自分が高校を中退して働き家計を支えていると言っています。ある日、龍太が突然キスをします。戸惑う浩輔ですが、それを機に付き合いが始まります。

ところが、ある時、龍太がもう会えないと言います。浩輔が驚き問いただしますと、自分はウリをやっている、浩輔を好きだからつらくてもう会えないと答えます。

悶々とする浩輔のシーンと龍太のウリのシーンが続きます。そして、浩輔は思い切ってサイト(出会い系みたいなものか、専用サイトがあるのかよくわからない…)を通じて龍太を呼びます。

浩輔は俺が月20万円で買うと言い、いろいろありますが、結局、龍太は受け入れます。そして龍太はウリをやめ、廃品回収(だと思う…)と皿洗いの仕事につきます。

再び付き合いが始まります。龍太は浩輔を家に招き母親(阿川佐和子)に会わせます。母親も喜んでいます。

ある日、待ち合わせの時間に龍太がやって来ません。電話をしますと、母親が出て龍太が死んだと告げます。

葬儀場、浩輔が泣き崩れます。母親は、知っていたと言い、龍太にはあなたが大切に思う人なら性別なんて関係ないと言っていたと語ります。

浩輔が龍太の母親を訪ねるようになります。そして、浩輔は現金の入った封筒を差し出し、龍太にも援助していたのでこれからも受け取って欲しいと言います。受け取れない、受け取って欲しいが繰り返され、結局母親は受け取ります。

浩輔と母親のそうした日々が続き、浩輔は一緒に暮らしませんかと申し出ます。母親はもったいないなどと断ります。

後日、浩輔が母親を訪ねますと隣人が1週間ほど前から入院されていますと教えてくれます。病院を訪れた浩輔に母親は心配させなくなかったからと言い、浩輔は逆に心配しますよと答えています。そして、母親は自分がステージ4のがんだと伝えます。浩輔は涙を流しながら、ごめんなさい、自分のせいだと言います。

もうワンシーンあったと思いますが、こんな感じで終わっていました。

映画としては…

最初にも書きましたが、あまりにストレートすぎて、映画としてはちょっともたないです。

変化はいろいろあるのですが、描かれていくのがその変化の源ではなく変化の事実だけですので、変化したことにもああそうですかと見ていくしかないということです。

鈴木亮平さんは多才な方ですのであらゆることを器用にこなしているという印象です。それだけに良い人過ぎて何も言えないという感想になります。

原作を知りませんのでどうかはわかりませんが、タイトルの「エゴイスト」からいけば、良い人であるがゆえにもっとエゴイスチックに見えなくちゃいけないんじゃないかと思います。

エゴイスト (小学館文庫)

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