F1®/エフワン

面白いところもありますが、二匹目のドジョウはいないということでしょう…

トップガン マーヴェリック」と同じ製作陣とのことで見てみました。それにブラッド・ピットさんのからからと笑う声にひかれてです(笑)。

F1®/エフワン / 監督:ジョセフ・コシンスキー

ブラッド・ピットさんでもってるかな…

面白かったのですが、「トップガン マーヴェリック」のようにはいかなかったようです。

でも仕方ないですね、トップガンには「トップガン」というヒット作のベースがありますからね。

前作を知っている人は懐かしさとともに映画ってこうだったよなと感慨に耽ることができますし、知らない人でもエンターテインメント映画としての完成度の高さと凄さだけで楽しめる映画です。

エンターテインメントという点ではこの「F1 エフワン」も同じように楽しめる映画ではありますが、何戦も戦うレースという題材ですので、どうしても繰り返しが多くなります。失敗からの逆転パターンを何度か使って持ちこたえようとはしていましたが、映画自体がちょっと長過ぎました。少し端折って2時間くらいにすればよかったと思います。

それにもう一つ、この題材ですとどうしても結末が想像できてしまいます。「トップガン マーヴェリック」の方は予想はできるにしても戦争ですのでどういう経過をたどるかはまったく読めません。でも F1 はレースですので追い抜いて1着になる以外の結末は考えられません。それに、レースの映像は実際の F1 の車載カメラの映像だってありますのでさほど新鮮なものではありません。

とは言っても、結構面白かったです。ブラッド・ピットさんの存在が大きいですね。

ドラマパターンはいつものやつ…

元 F1 レーサーのソニー・ヘイズ(ブラッド・ピット)は、引退後の今は一匹狼の雇われレーサーとして車上生活をしながらレース場を転々としています。

セナやピケやプロストと戦ったと言っていましたので1990年くらいとしますと20数年前に第一線だったという設定になります。有望な若者と期待されていたと過去の話が出てきます。引退の理由が明かされるのもひとつのドラマになっています。

映画はデイトナ24時間耐久レースから始まります。雇われレーサーとしてチームの優勝に貢献しますが、残らないかの誘いにも乗らずお金だけ受け取って去っていきます。

ブラッド・ピットさん、実年齢61歳、レーサーにはちょっとという年齢ですがなかなかカッコいい登場でした。からから笑いも(笑)。

レースのシーンの映像も、かなり音楽で補完していましたがとてもよかったです。これが繰り返されるのがちょっとということですね。

昔のレーサー仲間ルーベン(ハビエル・バルデム)が声をかけてきます。ルーベンは F1 のチームエイペックスのオーナーであり、低迷しているチームを立て直すためにソニーにチームに加わってほしいと言います。

ということで、イギリスGPに始まり、最終戦アブダビGPでソニーが優勝するまでの10戦くらいが描かれます。鈴鹿でも走っていましたがあっという間に終わっていました(笑)。エンドロールに各地のクルーの名前が出ていましたのでそれぞれのコースで車を走らせて画を撮っているということなんでしょう。

使われているドラマパターンは、チームには才能ある若手のジョシュア(ダムソン・イドリス)がいますので、キャリアあるオールドパワー対勢いあるニューパワーであるとか、テクニカルディレクターのケイト(ケリー・コンドン)との恋愛とか、エイペックスを所有している企業内の陰謀とか、ソニーの引退理由が事故による怪我だというエピソードなどになっています。

まあ言っちゃなんですがありきたりですし、女性のケイトの扱いなんて相変わらずだなあなんて思う映画です。

とにかく、客も満員でしたのでよかったんじゃないかと思います。