マッケナ・グレイスちゃん11歳の演技につきるかな
この映画、内容は推して知るべしで、メアリー役のマッケナ・グレイスちゃん11歳の演技につきるってとこですかね。
ネットの画像ではもう少し大人っぽいものや前歯も揃っています(映画では前歯がない)ので、映画の撮影時は年齢も一桁だったかも知れません。
子役で成功すると(普通の)大人になっていくのがなかなか難しそうですので、それこそ、この映画の物語ではありませんが普通に育っていって欲しいものです。
監督:マーク・ウェブ
『(500)日のサマー』でデビューを飾った後『アメイジング・スパイダーマン』で世界的大ヒットを成し遂げたマーク・ウェブ監督。ヒューマンドラマが自身の原点だと語るウェブ監督が、天から非凡な才能を与えられた少女の育て方をめぐって本当の幸せは何かを問いかける。(公式サイト)
監督のマーク・ウェブさん、初めてですのでウィキを見てみましたら、やけに強面で、俳優でいけるんじゃないのといった感じです。
映画の内容は、冒頭に推して知るべしと書いた通り、数学の天才少女メアリーが、普通に育てたい派の叔父フランク(クリス・エヴァンス)と才能を伸ばしたい派の祖母イブリン(リンゼイ・ダンカン/リンジー・ダンカン)の間で親権を争われ、大人のある種身勝手な思いに翻弄されつつも、最後は、やや普通に育てたい派に比重が置かれた形で、そこそこうまくまとまるというお話です。
もう少し楽しめるかと期待はしたのですが、ほとんど新鮮さはなく、救いは、さほど誰も傷つくことなくハッピーエンドだったことでしょうか。イブリンおばあちゃんがやや可愛そうでしたが、まあ映画には悪役も必要ですから。
映画の中で興味深かったのは、「ミレニアム懸賞問題」というもので、ウィキから引用しますと、
ミレニアム懸賞問題(ミレニアムけんしょうもんだい、英: millennium prize problems)とは、アメリカのクレイ数学研究所によって2000年に発表された100万ドルの懸賞金がかけられている7つの問題のことである。そのうち1つは解決済み、6つは2015年8月末の時点で未解決である。ミレニアム賞問題、ミレニアム問題とも呼ばれる。
とのことで、現在でも6つは未解決のままのようです。
これをうまく使っていました。そのうちのひとつをメアリーの母ダイアン(数学学者)が解き明かした後に、メアリーを残して自殺したことが映画のキーにもなっています。
その母の血を引いた天才少女メアリーを、フランクは姉ダイアンの思い(遺言?)と自分自身の信念で、イブリンは自分自身の信念、いうなれば思い込みで、引っ張り合うわけですが、結局親権を争う裁判は一旦メアリーを里親に預けることで和解します。
ところが、それはイブリンの策略で、メアリーは里親の元で数学の英才教育を受けることになります。
それを知ったフランクは、里親の元に駆け付け、その場にいたイブリンに、ダイアンの自殺の真相を話します。
ダイアンも数学の天才だったのですが、母親の偏った英才教育に反感を持ち、母親を憎んでいた面もあり、自殺する前に、母親の望んでいた「ミレニアム懸賞問題」のひとつを解き明かしていたのですが、母親にはそれを告げることなく自殺、フランクには母親が死んだ後に公表するよう言い残していたのです。
この映画がさほどひどくないのは(ペコリ)、それを聞かされたイブリンを改心(ごめんなさい、私が間違っていた涙ということ)させることなく、相変わらず、自らの信念を曲げず、ある種そうした人生をまっとうする意志を示すような窓越しのカットで終えていることです。
それにしても、そんなに争わなくとも、才能を生かしつつ普通に育てる方法もあるんじゃないの?
と言ってしまえば身も蓋もなくなってしまうかな…。
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