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ラスト・タンゴ/ヘルマン・クラル監督

80歳代の伝説のダンスペア50年のお話、愛は消えても憎しみは消えず、なのかなあ…

2016/07/18

フィンランドのアキ・カウリスマキ監督が、タンゴはフィンランド発祥だと語る「白夜のタンゴ」という映画がありましたが、それくらいタンゴは世界中で親しまれているということなのでしょう。

フィニッシュ・タンゴ(フィンランドのタンゴ)というようです。確かに「Finnish Tango」でググりますと、いろいろヒットします。

あまり関係のない話で入ってしまいましたが、この映画は、アルゼンチン・タンゴの伝説的ダンスペア、マリア・ニエベスさんとフアン・カルロス・コペスさんの50年にわたる愛憎相半ばのタンゴ人生を描いています。

天使のように舞う初恋のダンス、口論のごとく激しく脚を絡め合う憎しみのダンス。秘めた想いをダンスで表現する彼らにとって、タンゴは人生そのものなのだ。ままならない男と女のドラマを情熱的なタンゴ・ダンスで魅せる傑作ドキュメンタリーが、この夏、開幕する!(公式サイト)

50年と書きましたが、出会いからペアを解消するまでが50年位ということで、現在、マリア81歳、ファン・カルロス85歳、60数年の年月の話ということになります。

で、この映画は、マリア・ニエベスさんの語りを軸に、現在のダンサーたちによる再現(風)ダンスシーンを織り交ぜたかたちで構成されています。

お二人のことも、世界的に成功したという「タンゴ・アルヘンティーノ」のことも何も知らなかったのですが、予告編で見たカッコいいタンゴのダンスに誘われて見に行きました。

残念ながら、確かにダンスはカッコ良かったのですが、橋の上で踊る「雨に歌えば」風のダンスを除けば、どれも短くカットされおり、堪能するところまではいきませんでした。

公式サイトに青年時代と紹介されているアジェレン・アルバレス・ミニョさんとフアン・マリシアさんの二人がカッコいいですね。伝統的なタンゴにコンテンポラリー要素を取り入れた振付なんですが、むちゃくちゃ切れが良く、惹きつけられます。

ところが、そのまま続けてよ、と思っていても、なぜかすぐに本人の思い出話などに切り替わってしまいます。

結局、この映画は、マリア・ニエベスさんのフアン・カルロス・コペスさんへの思いが全面に出ており、つまり、本人が語っているように、ふたりが出会った時、マリアさんにとってはタンゴよりもファン・カルロスさんへの恋愛感情が強かったということで、その後、具体的に何があったかは分かりませんが、多分ファン・カルロスさんの女性関係なんでしょう、マリアさんの語りの端々からは、未だに引きずっている恨みつらみが感じられます。

ファン・カルロスさんには、現在、妻(多分)と子どもがいるようで、マリアさんに対する言葉には何やら棘すら感じられます。

映画では、ふたりが舞台の両袖から出てきて中央で向かい合うシーンから始まり、ラストは踊り終わって(と感じさせる演出)離れていくシーンで終わっています。

そこに残ったのは憎しみだけのようにも感じられ、何ともやるせない映画でした。

それにしても、マリアさんがブエノスアイレスの街を歩く姿はとても美しいです。

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