紙の月

(DVD)宮沢りえさんの映画でした

宮沢りえ主演、吉田大八監督、角田光代原作の2014年の映画です。日本アカデミー賞最優秀主演女優賞など数多くの賞を受賞しているようです。確かに主演女優賞にふさわしい宮沢りえさんの映画ですね。

最近吉田大八監督の「羊の木」や角田光代原作の「月と雷」を見たことや、DVDで「湯を沸かすほどの熱い愛」を見て宮沢りえさんって結構いいじゃないと思ったことでレンタルしてみました。

それまで宮沢りえさんの映画を見たことは(おそらく)ないように思います。

紙の月

紙の月

 

以下感想だけで映画のストーリーなど何も書いていません。

いやあ、ひやひやしながら見ました。ダメだよ、そこで貸しちゃあ(笑)って声が出そうになりました。宮沢りえさん、うまいということでしょう。

ほぼノーメイクですね。全編通してピリピリした空気が漂っているのは宮沢りえさんの演技ゆえでしょう。戸惑いとかおどおどしたところとか迷いとか、いわゆる不安感というか、不安定さがにじみ出ています。

映画的には横領するまでの葛藤がなさすぎることと、それに関連しますが、なぜ平林光太(池松壮亮)に惹かれていったかの描写が足りなさすぎるとは思いますが、それもまあ最後まで見れば梅澤梨花(宮沢りえ)の決断であると納得がいかないわけではありません。

光太の池松壮亮さん、こういう役ははまり役ですね。梨花の立場からすればずるずる行くことも理解できます。

そしてラスト、窓ガラスに椅子を投げつけて割り、先輩の隅より子(小林聡美)に「一緒に行きます?」って尋ねるのですが、え?どこ行くの?飛び降りるの?と思いましたら、何とそこは一階(二階?)、逃げました(笑)!

これ、いいですね、大笑いしました。原作もこうなんですかね?

その後のタイのシーンは余計です。タイへ逃げるのはいいんですが、子供の頃に募金をしていた少年と偶然会ってオチをつけるなんて、いくら映画とはいえダメでしょう。

横領するまでの葛藤や光太との関係に夢中(とはちょっと違うけど)になっていく心の動きをもう少ししっかり描いてくれればより良かったのにとは思います。

紙の月 (ハルキ文庫)

紙の月 (ハルキ文庫)