トマ・ピケティさんの著書を読むきっかけになるか…? 数年前に話題になったトマ・ピケティさんの『21世紀の資本』が映画になりました。当時、手にとる前から諦めた記憶があります(笑)。どんな映画になっているのでしょう。21世紀の資本 / 監督:ジャスティン・ペンバートン映画館再開一本目としては選択を誤りました(笑)。これは映画というよりも、ビデオ論文(...
昭和(バブリー)的昼メロ&女性旅立ちドラマ しばらく前までは、邦画はほとんど DVDですましていたんですが、最近では劇場で見る比率が上がってきています。多分、単館系の洋画の上映が東京以外では少なくなっているからでしょう。「Red」正直、見ながらなぜこれを見ようとしたのか、何気なくクリック(予約なので)してしまったような記憶しかなく、自分ながら不思議でした。つま...
VR映画を目指すもドラマで破綻 これは企画倒れ、いやいや企画は実現しているんですからそうじゃなくて、なんて言うんでしょう、企画段階では面白そう! となるのに実際にやってみると意外につまらないという映画です。もしこの映画を楽しみたいと考えるならば、少なくともドルビーシネマか IMAXで見るべきかと思います。そうすれば多少なりとも VRゲームのような感覚が味わえるかも...
佳山明さんあっての映画だが…。 この映画、ユマを演じている佳山明さんにつきます。オーディションで選ばれた演技未経験の方とのことです。佳山さんの自然体の心地よさが映画全体を覆っています。まるであて書きしたかのようにしっくり収まっています。37 seconds サーティセブンセカンズ / 監督:HIKARI監督は HIKARIさん、公式サイトに「本作は2...
二人の教皇が互いに赦しを請い、そして与える Netflix オリジナルの映画はネット配信の1週間前にイオンシネマで劇場公開するパターン(契約?)が定着しているようです。この映画もそうで、ネット配信は12月20日からされており、その1週間前からイオンシネマで公開されていました。このパターンはこれまで数本見に行っていますが、そのどれも客の入りはあまりよくありません。と...
森達也監督らしくない中途半端さ 映画の宣伝コピーが「森達也 vs 望月衣塑子」となっており、おそらく、映画の意図としては、森監督が望月さんの新聞記者としての活動を追うことによって、ジャーナリズムの本質的なことを前景化しようということなんだろうと思います。それが間違っていなければですが、タイトルの「i」に意味がありそうですし、また「新聞記者ドキュメント」というかなり...
これはドラッグ映画ではなくダンス&音楽映画です 紹介文を1,2行読めばおよそ想像がついてしまうような映画なんですが、ギャスパー・ノエ監督ということで、まあ見とくかということで(笑)。CLIMAX クライマックス / 監督:ギャスパー・ノエほぼ予想した通りの映画でした。雪が降る山奥の廃墟に集まった22人のダンサー。彼らは、知らず知らずにLSD入りの...
カトリーヌ・ドヌーブとジュリエット・ビノシュであればこその映画 是枝裕和監督のパルムドール受賞後第一作です。引用の画像を見てのとおり、俳優はカトリーヌ・ドヌーブ、ジュリエット・ビノシュ、イーサン・ホークという国際的スター、そして、IMDbを見た限りおもだったスタッフに日本人は入っていないようです。もともと是枝監督は台詞を大切にする監督だと思いますが、さらにこ...
勇者たちの休息ギヨーム・ブラック監督のセンスが光る 「7月の物語」71分、「勇者たちの休息」38分、さらに「7月の物語」の方は、実質的には「日曜日の友だち」と「ハンネと革命記念日」の2本に分かれているという、劇場公開作としてはかなり変則的です。ただ、「7月の物語」を見れば、ギヨーム・ブラック監督の良さは十分に伝わりますし、他の作品も見たくなることは...
ララの究極の選択は本当に性別違和の解決か? これまた何度も見せられた予告編から、性別違和を抱える男の子が周囲の偏見、差別に負けずにバレリーナ(女性バレエダンサー)を目指して頑張る感動ものかと思っていましたら、まったく、まったく、違っていました。Girl ガール / 監督:ルーカス・ドンベルギーという国は、LGBTに対する施策が進んでいるということで有名...
ズーラとヴィクトルを翻弄したのは冷戦か? 愛そのものか? 下の予告映像にグッときてこの映画を見たとしたら、見終えた後、どう評価すべきか迷うかもしれません。 映画『COLD WAR あの歌、2つの心』6月28日(金)公開 特報予告この映画、想像力をフルに発揮して見ていませんと、いや、それでも初見では難しいかもしれませんが、なかなか感動に浸るというところまでは...
エリート教師は教育格差問題を解決するか 過去には「パリ20区、僕たちのクラス」「バベルの学校」「奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ」といった映画もあり、もう少しドラマっぽいものでは「オーケストラ・クラス」もそうですが、移民や貧困層の多い地域の学校が舞台のフランス映画というのは日本でもよく公開されています。そうした映画がフランスに多いのか、公開される映画の国別比率の問題な...
キュアロン監督のクレオ(Liboさん)への愛情の深さを感じる映画 Netflixのネット配信でしか見られないのかと思っていましたら、先週からイオンシネマで劇場公開されたアルフォンソ・キュアロン監督の「ROMA/ローマ」 です。映画の内容だけではなく何かと話題の多い映画なんですが、意外にも入りはよくありませんでした。ネット配信で見た人が多いのでしょうか。ROM...
会話は電話のみ、電話の向こうに見えたのは…自分? 登場人物(実質的に)ひとり、ワンシチュエーション、会話は電話のみ、といいますと「オン・ザ・ハイウェイ」という映画がありました。あの映画では常に後ろへ流れる夜景という心象的な風景が多用されていましたが、この映画は緊急通報センター(正式名称は?)というほぼ密室状態ですので、ほとんどすべてが主人公アスガー(ヤコブ・セーダー...
なぜこの物語を撮ろうとしたのか興味はあるが… イラン人のナグメ・シルハン監督がニューヨークの日本人コミュニティを舞台にした物語を撮った映画です。ただ、日本人コミュニティといっても、日本人ビジネスマン相手のクラブが舞台ですから、かなり限定的な世界ではあります。公式サイト / 監督:ナグメ・シルハンそれもかなり大胆な物語ですので、なぜイラン人の監督(脚本も...
ちょっと異色の抒情詩的なゴースト・ラブストーリー ゴーストものの恋愛映画って結構あると思いますが、これはちょっと異色といえるかも知れません。なんてったって幽霊が下の画像のようにシーツをかぶって現れます。 でも、コメディではありません。ラブストーリーと言えなくもないですが、「ゴースト/ニューヨークの幻」的な感動ねらいではなさそうで、意表をついて幽霊を実体として存在さ...
面白いです。全編パソコンの画面で物語が進む謎解きミステリー。 面白いです! スクリーンに映し出されるのは、全編下の画像のようなパソコンの画面だけです。それで映画になるのかと思ってしまいますが、なるんですね、最後まで飽きません。公式サイト / 監督:アニーシュ・チャガンティこの映画の面白さは、作り手、そのほとんどはアニーシュ・チャガンティ監督の力だと思いま...
ジョンソンその人より「公民権法」がテーマでしょう 「スタンド・バイ・ミー」 のロブ・ライナー監督です。と、いつまでも枕詞のように「スタンド・バイ・ミー」がついてしまいますが、1986年の映画ですから、もう32年前になります。公式サイト / 監督:ロブ・ライナー今あらためてその後の監督作品を見てみますと、割とコンスタントに撮っている監督ですね。ただ、私が見...
「スター・トレック」ファンであってもなくても楽しめるけど、現実を考えると重い 「自閉症を抱える少女ウェンディが500ページの脚本を届けるためハリウッドを目指す」(映画.com)と紹介されている映画ですので、正しく理解しているとは言えない「自閉症」自体を調べたほうがいいだろうとウィキペディアなど読んでみましたが難しいですね。公式サイト / 監督:ベン・リューイン...
子宮に残された2重螺旋は双子の夢を見る フランソワ・オゾン監督は、ほんとに映画の志向性がわからない監督です(笑)。 前作「婚約者の友人」を見て、やっとフランソワ・オゾン監督がわかったぞと思ったのもつかの間、今作はかなりミステリー色が強い上に、性愛表現がかなりの比重を占めますし、ラスト近くには一瞬オカルトかと思わせるようなシーンもあったりと、フランソワ・オゾン監督ら...