失意と絶望に生きるしかないのか 林海象監督、私は「ZIPANG」以来です。それはバブル真っ只中でした。「二十世紀少年読本」はノスタルジックでファンタジックでかつ切ない映画でした。バブルの浮かれた気分との裏腹さがとてもよかったと記憶しています。その後の「ZIPANG」はあまりいい印象がなくそのまま林海象監督も忘れてしまいました(ペコリ)。BOLT / 監督:...
フェミニズム、PTSD、そしてヒッチコック すごいですね、この映画、まったく先が読めません。で、終わってみれば、主人公ハンター(画像の女性)が「家」や「家族」という個人を抑圧する環境から自己を開放する物語でした。タイトルの Swallow はこの映画ではツバメではありません。「飲み込む」「侮辱などに耐える」「受け入れる」などの意味です。スラングでも使われているよ...
主演のホアン・ヤオで持っている 基本は香港の学校に通う深センの女子高生の青春物語なんですが、そこに iPhoneの密輸というクライム・サスペンス風味を加えた映画になっています。主演のホアン・ヤオ(黄堯・黄尧)さんの存在感で持ちこたえている映画かと思います。THE CROSSING 香港と大陸をまたぐ少女 / 監督:バイ・シュエしかし、それにしても今の香...
同情の涙に消費させてはいけない チョ・ナムジュ著『82年生まれ、キム・ジヨン』が韓国で社会現象になっているとの話や邦訳が出たことが話題になった小説の映画化です。原作未読でこの映画を見た率直な感想としては、予想とは随分違い、社会現象となったことになかなか結びつかない印象です。82年生まれ、キム・ジヨン / 監督:キム・ドヨン映画で描かれているのは、専業...
難解複雑さは愛が紐解く クリストファー・ノーラン監督、私はあまりよく知らなく、「ダンケルク」を劇場で、その後「インターステラー」をDVDで見ただけですが、この映画の宣伝コピーなどをみていますと名前で客が呼べる監督のようです。確かに上の二作を見ただけの私でも、やはりこの監督の映画を見るのであれば劇場へ足を運ぶべきだと思います。TENET テネット / 監督:...
80年代ソ連の切ない青春物語と皮肉を込めた反権力 半月ほど前に見た「WAVES ウェイブス」に対しては「初めから終わりまでべったりくっついた音楽がうるさいですし、画のつくりがあざとすぎる」とやや(かなり?)批判的に書きましたが、この映画も同じようにほぼ全編音楽がついており、画の点でも下の画像のように基本はモノクロで時々カラーになったりアニメーションが入ったりとか...
映画が MV 化がする 新しいスタイルの映画かもしれないと期待する気持ちもないわけではありませんが、個人的にはちょっとばかり入れないタイプの映画です。ですので、いいことは書けそうもありません。WAVES ウェイブス / 監督:トレイ・エドワード・シュルツいきなり批判的な言い回しになりますが、初めから終わりまでべったりくっついた音楽がうるさい(笑)です...
再び、全員ミスキャストに見えてしまう、それは監督の責任 タイトルに書いた「再び、全員ミスキャストに見えてしまう、それは監督の責任」の「再び」は、大森立嗣監督の2017年の映画「光」との関連からの言葉です。やろうとしていることが映画として見えてこず、キャスティングに問題があるようにみえるということです。MOTHER マザー / 監督:大森立嗣この映画...
トマ・ピケティさんの著書を読むきっかけになるか…? 数年前に話題になったトマ・ピケティさんの『21世紀の資本』が映画になりました。当時、手にとる前から諦めた記憶があります(笑)。どんな映画になっているのでしょう。21世紀の資本 / 監督:ジャスティン・ペンバートン映画館再開一本目としては選択を誤りました(笑)。これは映画というよりも、ビデオ論文(...
昭和(バブリー)的昼メロ&女性旅立ちドラマ しばらく前までは、邦画はほとんど DVDですましていたんですが、最近では劇場で見る比率が上がってきています。多分、単館系の洋画の上映が東京以外では少なくなっているからでしょう。「Red」正直、見ながらなぜこれを見ようとしたのか、何気なくクリック(予約なので)してしまったような記憶しかなく、自分ながら不思議でした。つま...
VR映画を目指すもドラマで破綻 これは企画倒れ、いやいや企画は実現しているんですからそうじゃなくて、なんて言うんでしょう、企画段階では面白そう! となるのに実際にやってみると意外につまらないという映画です。もしこの映画を楽しみたいと考えるならば、少なくともドルビーシネマか IMAXで見るべきかと思います。そうすれば多少なりとも VRゲームのような感覚が味わえるかも...
佳山明さんあっての映画だが…。 この映画、ユマを演じている佳山明さんにつきます。オーディションで選ばれた演技未経験の方とのことです。佳山さんの自然体の心地よさが映画全体を覆っています。まるであて書きしたかのようにしっくり収まっています。37 seconds サーティセブンセカンズ / 監督:HIKARI監督は HIKARIさん、公式サイトに「本作は2...
二人の教皇が互いに赦しを請い、そして与える Netflix オリジナルの映画はネット配信の1週間前にイオンシネマで劇場公開するパターン(契約?)が定着しているようです。この映画もそうで、ネット配信は12月20日からされており、その1週間前からイオンシネマで公開されていました。このパターンはこれまで数本見に行っていますが、そのどれも客の入りはあまりよくありません。と...
森達也監督らしくない中途半端さ 映画の宣伝コピーが「森達也 vs 望月衣塑子」となっており、おそらく、映画の意図としては、森監督が望月さんの新聞記者としての活動を追うことによって、ジャーナリズムの本質的なことを前景化しようということなんだろうと思います。それが間違っていなければですが、タイトルの「i」に意味がありそうですし、また「新聞記者ドキュメント」というかなり...
これはドラッグ映画ではなくダンス&音楽映画です 紹介文を1,2行読めばおよそ想像がついてしまうような映画なんですが、ギャスパー・ノエ監督ということで、まあ見とくかということで(笑)。CLIMAX クライマックス / 監督:ギャスパー・ノエほぼ予想した通りの映画でした。雪が降る山奥の廃墟に集まった22人のダンサー。彼らは、知らず知らずにLSD入りの...
カトリーヌ・ドヌーブとジュリエット・ビノシュであればこその映画 是枝裕和監督のパルムドール受賞後第一作です。引用の画像を見てのとおり、俳優はカトリーヌ・ドヌーブ、ジュリエット・ビノシュ、イーサン・ホークという国際的スター、そして、IMDbを見た限りおもだったスタッフに日本人は入っていないようです。もともと是枝監督は台詞を大切にする監督だと思いますが、さらにこ...
勇者たちの休息ギヨーム・ブラック監督のセンスが光る 「7月の物語」71分、「勇者たちの休息」38分、さらに「7月の物語」の方は、実質的には「日曜日の友だち」と「ハンネと革命記念日」の2本に分かれているという、劇場公開作としてはかなり変則的です。ただ、「7月の物語」を見れば、ギヨーム・ブラック監督の良さは十分に伝わりますし、他の作品も見たくなることは...
ララの究極の選択は本当に性別違和の解決か? これまた何度も見せられた予告編から、性別違和を抱える男の子が周囲の偏見、差別に負けずにバレリーナ(女性バレエダンサー)を目指して頑張る感動ものかと思っていましたら、まったく、まったく、違っていました。Girl ガール / 監督:ルーカス・ドンベルギーという国は、LGBTに対する施策が進んでいるということで有名...
ズーラとヴィクトルを翻弄したのは冷戦か? 愛そのものか? 下の予告映像にグッときてこの映画を見たとしたら、見終えた後、どう評価すべきか迷うかもしれません。 映画『COLD WAR あの歌、2つの心』6月28日(金)公開 特報予告この映画、想像力をフルに発揮して見ていませんと、いや、それでも初見では難しいかもしれませんが、なかなか感動に浸るというところまでは...
エリート教師は教育格差問題を解決するか 過去には「パリ20区、僕たちのクラス」「バベルの学校」「奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ」といった映画もあり、もう少しドラマっぽいものでは「オーケストラ・クラス」もそうですが、移民や貧困層の多い地域の学校が舞台のフランス映画というのは日本でもよく公開されています。そうした映画がフランスに多いのか、公開される映画の国別比率の問題な...