今の日本を顧みるための映画 ブッシュ政権が2003年3月20日に始めた違法なイラク戦争、アメリカの大手メディアがこぞって戦争を支持していた時、ただ一社ナイト・リッダーだけがブッシュの嘘を暴こうとしていたという based on a true story の映画です。主要な登場人物である下の画像の四人、皆実在の人物ですし、現実のニュース映像も頻繁に使われています。...
日本にもグリーンブックがある…? 予告編を見ればおおよそ映画の内容は想像がつくこととアカデミー賞自体にさほど興味がないこともありスルーの予定でしたが、スパイク・リー監督が、この「グリーンブック」に作品賞が与えられた時に席を蹴ったというニュースを見て興味がわき見てみました。グリーンブック / 監督:ピーター・ファレリー予想したとおりのパターン映画でしたし...
チェ・ヒソの文子は現実の文子を思わせる 半年くらい前に金子文子の獄中手記『何が私をこうさせたか』を読んだばかりですので、個人的にはとてもタイミングのいい映画でした。月曜日の昼間に観に行ったのですが、意外にも(ペコリ)そこそこ入っており、ちょっと驚きでした。金子文子と朴烈 / 監督:イ・ジュンイク『何が私をこうさせたか』は、映画の中でも文子が獄中で執筆す...
これはもったいない映画だ…、如何ようにも描けるのに。 こんな映画だったのかい!? 邦題から感じる印象とは真逆の映画でした。喜望峰の風に乗せて / 監督:ジェームズ・マーシュ配給の狙いをどうこう言っても始まりませんのでどうでもいいのですが(笑)、成功物語かと思って見ていましたら、なんと挫折物語でした。それも究極の挫折でした。実話がベースとのことで、時...
映画笑いが止まらなくて、怖いぞー… この映画を楽しむコツはただ何も考えず時間に流されてぼんやり見ていることです。何がどうなっているの?なんて考えて見ていると疲れます。映像的にも、音楽(音響)的にもどっと疲れます。以下、いきなりネタバレしています。公式サイト / 監督:中島哲也「来る」のは、大人たちに捨てられたり、いじめられたり殴られたり、挙句に殺され...
悠久のガンジスの生と死、そして家族 「終活」なんて言葉が頻繁に使われるようになっていますので、ついつい、インド版終活映画なんて言いたくなってしまいますが、よくよく考えてみますと、これは送る側の映画ですね。公式サイト / 監督:シュバシシュ・ブティアニいくつくらいの設定でしょうか、80歳くらいでしょうか(*1)、上の画像の老人ダヤ(ラリット・ベヘル)ですが、...
これ、疑似父娘(ごっこ)じゃなくてマジ父娘でしょう これ、映画になっていますかね?映画とは何かなどと大仰に構えて語るつもりもありませんが、これ、事前に何も知らず、まっさらな状態で見たら何やってんだか全くわかりませんよね。公式サイト / 監督:熊澤尚人城宮(千原ジュニア)は、ニートで引きこもりなのに、BB弾を打ち込む子供たちに、ああやって毎回怒鳴っているん...
夢見るのは我々日本人で、ゲンボとタシ、そしてブータンには将来の選択 ブータンの一家族の、明記されていませんが数ヶ月くらいの出来事を見つめるドキュメンタリーです。ブータンと言えば、2011年に来日された国王夫妻がとても好印象だったことや国民総幸福量という価値観を国の政策としていることが思い浮かびます。公式サイト / 監督:アルム・バッタライ、ドロッチャ・ズルボー...
映画としてはまとまっているが、佐藤泰志っぽさが消えてしまった え? こんなラストだった? と、原作を読み直してみましたら、やっぱり全く違っていました。佐藤泰志さんの『きみの鳥はうたえる』の映画化です。「海炭市叙景」「そこのみにて光り輝く」「オーバー・フェンス」に続いて4本目ですが、佐藤泰志さんの小説は、映画向きの話にみえて、なかなか難しそうですね。 公式サイ...
見えていなかったのはジーナ? それともジェームズ? マーク・フォースター監督、見たのは「チョコレート」だけかと思っていましたが、あらためてウィキペディアを見ていましたら「マシンガン・プリーチャー」? あら? 見たような記憶が…とブログ内を検索してみましたら、ありました(笑)。ただ、読み返してみても全くよみがえってきません。それにしても、いろんな映画を撮る監督ですね...
ネタバレしていますが、言葉で言い換えることの出来ないネタバレに意味のない映画です 昨年のベルリンのジェネレーションKplus でグランプリを受賞した映画です。ジェネレーションKplus と言いますと、児童・青少年向け映画部門 (Kinderfilmfest)ということなんですが、この映画、(多分)子どもが見て感情移入できるような映画ではないですね。むしろ大人が見てあ...
この監督、俳優を信頼していないですね。 洋画にしても邦画にしても、あまりメジャーなものは見ないのですが、何となく足を運んでみました。…ら、すごいですね、超満員でした。それも月曜の昼間なのに、学生さんというわけでもなく、高齢者というわけでもなく、月曜休みの方というのも意外と多いのかもしれません。公式サイト / 監督:原田眞人んー、これは小説で読むべき物語かもしれま...
シナリオと編集に難あり… 瀬々敬久監督の自主企画とか構想30年などという言葉がありましたので、どういうことなんだろうとググっていましたら、クラウドファンディングで資金を募っていた記事がありました。やるなら今しかない! 7月7日公開 瀬々敬久監督入魂の『菊とギロチン』上映支援プロジェクト - クラウドファンディングのMotionGalleryプロデューサーの坂口一...
緻密な計算と隙きのない間合いの映画、ただし面白いのは1/3 小規模の公開が口コミで評判を生み、ついには全国◯館で公開! なんて宣伝文句はアメリカ映画ではよく目にしますが、日本でもついにそうしたことが可能な配給環境になったんでしょうか。8月4日の映画.comの記事では「東京2館での公開から全国124の劇場での公開」 と記されています。公式サイト / 監督:上田...
兵士と娼婦の悲恋物語、良くも悪くも追憶の彼方に… 公式サイトの画像やコピーをちらっと見て、軍人と娼婦の悲恋物語かなと予想して見に行きましたら、悲恋物語もあるにはあるのですが、全体としては、追憶の(やや)群像劇的な物語でした。公式サイト / 監督:ニウ・チェンザーただ、(やや)群像劇的だとわかったのは中盤に入ってからですし、ああ、追憶物語なのねとわかったのもほ...
仮想空間で繰り広げられる狂気の恋愛ゲーム 愛は狂気だ、って映画です。ただ、時代の空気からなのか、この手の話をストレートにやるのは憚れるのでしょう、その狂気はギャグで包まれ、オチにしても、迷いなのか、ごまかしなのか、いくつものパターンで終えています。とは言え、少なくとも、映画や演劇は、まだ狂気を表現できる、また、表現してもいいものだと再認識させてくれている点におい...
ゴダールと言えども、男女の別れは映画通りにはいかず… 今さら私が説明するまでもないゴダールですが、ただ、今でも代表作として語られる映画の多くは、1959年の「勝手にしやがれ」から、この映画の冒頭に出てくる1967年の「中国女」あたりまでの作品で、この映画が描く時期は、一般的には(映画が)あまり知られていない時期で、自らの成功をぶち壊そうとした転換期だったようです。...
人は自分が悪であること、あるいは悪とともにいることに気づかない ヨーゼフ・ゲッベルスと言えば、プロパガンダの天才と言われ、ナチスの権力掌握に大きな役割を果たし、ナチスの No.2として国民啓蒙・宣伝大臣に就いた人物です。この映画は、そのゲッベルスの秘書だったというブルンヒルデ・ポムゼルさんのインタビューを構成したものです。公式サイト / 監督:クリスティアン・...
戦闘がハマス対イスラエルのものでないことにビックリ! 舞台はパレスチナ自治区ガザの美容室、中には13人の女たち、外には武器を持ってうろつく男たち。日本からみれば相当にシュールなこの風景は、ガザにおいては紛うことなき現実ということなのでしょう。 公式サイト / 監督:タルザン&アラブ・ナサールワンシチュエーションドラマです。美容師2人の小さな店に10人の女...
その結末なしのサスペンスは原作者の実体験かも… オチなしのサスペンス映画でした(笑)。言い方を変えれば、私の妄想を聞いてくれてありがとう、みたいなことですかね。公式サイト / 監督:ロマン・ポランスキーある人気作家がいて、書けないスランプに陥って悶々としているところへ、ひとりの女性が現れ、かなり強引に近づいてきます。女性は、ELLEと名乗り、ゴーストライ...