さ行

さくら

2020.11.14

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俳優を活かせていない演出に問題あり西加奈子さんのベストセラー(だそうです)小説『さくら』の映画化です。と言っても、この『さくら』だけではなく西加奈子さんの本を読んだことはありません。ただ、「まく子」は見ています。さくら / 監督:矢崎仁司俳優で見せる映画だが…ネタバレあらすじ俳優を活かせていない演出が問題俳優で見せる映画だが…率直に言っ...

ストックホルム・ケース

2020.11.07

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アメリカン・ニューシネマの幻を見ているようだ映画としては意外にも面白かったです。意外にもというのは、「ストックホルム・シンドローム」についての映画なんだろうと見に行ったのに、(まったく)そうではなく単に犯罪ものの娯楽映画だったので、なーんだあと思ったのに、割と見られたというややこしい意味です(笑)。この映画は、ストックホルム・シンドロームとは何かと考える上で必...

空に住む

2020.10.29

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三代目JSBは多部未華子が見る空にはいない多分 EXILE の持ち込み企画ですね。ですが、結果として多部未華子さんで持っている映画です。そして、その周りにややこしい人物を配して煙に巻いた(笑)青山真治監督の力で、あるいは脚本に名前が入っている池田千尋さんということもあるかもしれませんが、脚本と演出で持っている映画です。空に住む / 監督:青山真治基...

セノーテ

2020.10.26

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神話は水中ではなく地上にあるようだ前作(前前作?)の「鉱 ARAGANE」と言い、この「セノーテ」と言い、タイトルづけや宣伝ヴィジュアルがうまいですね。映画そのものよりも(ペコリ)タイトルが印象づいており、この「セノーテ」も見てみようとなりました。セノーテ / 監督:小田香公式サイトさえ見ずに行きましたので何も知らなかったのですが、愛知芸術文化セン...

スパイの妻

2020.10.18

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蒼井優は若尾文子になれたのか?不思議な映画です。なぜこんな昔くさい映画を撮ったのでしょう?ドラマの内容ではありません。映画のつくりがです。スパイの妻 / 監督:黒沢清今年2020年のヴェネツィア映画祭で最優秀監督賞(銀獅子賞)を受賞しています。なのに「劇場版」となっていますので、え? と思ったのですが、今年の6月にNHKのBS8Kで放送されたものの...

ソニア ナチスの女スパイ

2020.09.15

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ソニア・ヴィーゲット復権のノルウェー国内向けの映画いくら日本人がナチス絡みの映画を好きだからといってもこの映画は日本じゃ無理でしょう。「第二次世界大戦中、ナチス占領下のノルウェー。女優として活躍しながらスパイとしてナチスに潜入した女性の驚愕の実話。 激動の時代を生き抜いたソニア・ヴィーゲットの真実の物語。」という映画です。ソニア ナチスの女スパイ / 監...

ソワレ

2020.08.28

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逃避行ものなのに「僕たちには明日は続く」男女の逃避行ものと言えば「俺たちに明日はない」に勝るものはありません。と、言い切ることに異論のある方はいないと思いますが(笑)、果たして「ソワレ」は現代の「俺たちに明日はない」になったのでしょうか。ソワレ / 監督:外山文治んー、ラスト、そこへ行くんかい…(涙)。まあオチのつけかたが現代的といえば現代的で...

ステップ

2020.07.19

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子育て映画ではなく、家族主義的感動(させたい)映画だった山田孝之さんがシングルファーザー? ってことで見てきました。ステップ / 監督:飯塚健始まってしばらくは、少しふっくらした印象もあり、へぇー、こういう役もいけるんだと見ていたんですが、映画が進むにしたがって、でも待てよ、この俳優さん、風変わりな役柄でもバタバタしないし崩れないタイプだよなあとい...

銃2020

2020.07.11

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「銃」2018版のリベンジ版かと期待したのにコメディでした(笑)「銃」で失敗したのでリベンジ版の「銃2020」かと思いましたら、まったくもって同じ程度に映画になっていない映画でした。と言うよりも吉本興業の芸人救済映画なのかもしれません。銃2020 / 監督:武正晴それにしてもわずか2年の間に同じような企画の映画を作るくらいですから、よほど原作の『銃...

ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語

2020.06.18

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グレタ・ガーウィグ監督の自由な価値観があふれる四姉妹の台詞のアンサンブルがすごいです!グレタ・ガーウィグ監督(脚本も)の才能が爆発しています。それにキャスティングもすごいです。ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語 / 監督:グレタ・ガーウィク始まってしばらくは混乱するかもしれません。なにせ四姉妹の2つの時代が同じキャスティングで入り乱れ...

その手に触れるまで

2020.06.14

おすすめ映画, さ行,

ラストはどちらに取るにしても衝撃的。怖さだけが残らなければいいが…ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟監督、ほぼ3年に1本というペースが守られています。映画制作のプロセスが3年で出来上がっているんでしょうか、今回も2016年の「午後8時の訪問者」に続いての「その手に触れるまで Le jeune Ahmed(Young Ahmed)」です。この兄弟監督、初期...

シェイクスピアの庭

2020.05.29

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男系幻想とジェンダー、セクシュアリティ、宗教、家族再生幻想「シェイクスピアの庭」なんていうタイトルから、シェイクスピア(以下、ウィリアム)が田舎へ戻り穏やかな余生を過ごす話かと思っていましたら、とんでもない、シェイクスピア一家の結構シビアな愛憎物語でした。もちろんフィクションですが、ウィリアム本人にとってはかなり衝撃的な秘密が明らかになりますので、「シェイクスピ...

ソン・ランの響き

2020.03.17

さ行,

ノスタルジックな映像と余韻ある俳優の演技の調和1980年代が舞台のベトナム映画です。ベトナムの1980年代といいいますと、ベトナム戦争は1975年に終結しているのですが、その後もカンボジアでの覇権争いや中国との戦争があり、安定の兆しが見え始めるのは1990年以降ですので、政治的にも経済的にも大変な時代だったと思います。ドイモイ政策が始まるのも1986年です。た...

ジョン・F・ドノヴァンの死と生

2020.03.14

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グザヴィエ・ドランの転換点となるかグザヴィエ・ドラン監督にとって、母親との関係は永遠のテーマなんでしょう。デビュー作の「マイ・マザー(英題:I Killed My Mother)」に始まり、「Mommy/マミー」というそのものスバリのタイトルもありますし、その他ほとんどの作品に母親の影がちらついています。ジョン・F・ドノヴァンの死と生 / 監督:グザヴィ...

ジュディ 虹の彼方に

2020.03.07

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ジュディ・ガーランドの最後のロンドン公演を描く名前はよく耳にするのに、具体的にはどんな人かも、顔さえも知らない有名人というのが結構います。ジュディ・ガーランドさんもそうで、「オズの魔法使い」のドロシーの人ということとライザ・ミネリのお母さんということくらいしか思い浮かびません。そのジュディ・ガーランドさんの亡くなる直前の半年くらいを描いた映画です。演じたレニー・...

巡礼の約束

2020.02.27

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五体投地のシーンが少ないのは残念、基本は親子ものでしたチベット仏教の巡礼といえば「五体投地」です。「ラサへの歩き方 祈りの2400km」で知りました。無茶苦茶いい映画でした。もう一度見たいです。これもそういう映画かなと思いましたがちょっと違っていました。巡礼の約束 / 監督:ソンタルジャ物語の背景や契機となるのはラサへの巡礼ですが、映画のテーマは親...

スウィング・キッズ

2020.02.24

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コメディタッチのダンス&音楽映画でありながら背景はシリアス映画関係のサイトを見たりしていますと、わりとよく「サニー 永遠の仲間たち」の文字を目にします。見てはいないのですが、そのカン・ヒョンチョル監督の映画ということで興味を持った「スウィング・キッズ」、タイトルやビジュアルからも音楽&ダンス映画だと思われ、おそらくハズレはないでしょう。スウィング・キッズ ...

静かな雨

2020.02.18

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人は記憶を失えば他者と世界を共有できない、しかし…つい3ヶ月ほど前に「わたしは光をにぎっている」を見たばかりの中川龍太郎監督の「静かな雨」です。原作ものは初めてとありますのでおそらくオファーがあったのでしょう。静かな雨 (文春文庫)作者:宮下 奈都出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2019/06/06メディア: 文庫 映画を見て...

ジョジョ・ラビット

2020.01.23

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ヒトラーが吹っ飛ぶ寓話的なヒューマンドラマナチスを題材にしてコメディ映画を撮るとすれば、それがいいことかどうかは別にしますとヒトラーを茶化すことが一番に思いつきそうですし、そんな映画があったようにも思います。しかし、この「ジョジョ・ラビット」は、そうしたシニカルな手法をとらず、主人公に10歳の少年をおいて寓話的なヒューマンドラマに仕上げています。原作があるよう...

サイゴン・クチュール

2020.01.09

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ベトナムの活力を感じる映画こういう映画が作られるということはその国に活力があるということでしょう。予告編をみていましたら「1969年 サイゴン、アオザイ屋の娘ニュイはサイゴンいちのファッションリーダー!」などと始まります。え!? 1969年? ベトナム戦争は…? と、一瞬声を失くしてしまうような語りに、これはいったいどういうこと? 是非とも見に行かなくてはとい...