ジギー・スターダスト誕生に迫れているか…? 音楽映画は鉄板というのはほぼ間違いなく、迷いなく見に行けます。と思い、見に行ったのですが、音楽映画ではありませんでした。もう3年前になりますが、フレディ・マーキュリーの伝記もの「ボヘミアン・ラプソディ」のような映画を期待していきますとややがっかりするかもしれません。ただ、様々な世界(ジャンル)でア...
女16歳、男35歳の恋愛を16歳の側から描く スザンヌ・ランドン監督、現在21歳、撮影時は19歳くらい、この映画のシナリオ(のベース、多分)を書いたのは15歳、そして自ら、監督、脚本、主演という映画です。両親は、ともに俳優のサンドリーヌ・キベルランさんとヴァンサン・ランドンさんです。スザンヌ、16歳 / 監督:スザンヌ・ランドン16歳女子から見た...
Let him go はアメリカ社会の裏の一面かも ラリー・ワトソン(Larry Watson)さんという作家の同名タイトル「Let him go」という小説が原作らしく、その小説の時代設定は1951年であるところを映画では1963年にしています。なぜこんなに中途半端に時代をずらしたのでしょう。アメリカ人にとっては、その10年の違いにもなにか意味があるのかも...
伊藤万理華と金子大地の大立ち回り、サブカルがメインになる日 始まってしばらくは、なんだ…学生の卒業制作か…と、公開日早々に見に来たことを後悔していたんですが、金子大地さんが登場し中盤に入りますと、ん? 何か違うぞと思い始め、終盤に向かってどうまとめるんだろうと期待も膨らみ、終わってみれば、んー、うまいねえと感心した映画です。サマーフィルムにのって / 監督:...
よくできた泣けるガール・ミーツ・ボーイだが… 今年のアカデミー賞国際映画賞にノミネートされた中国映画です。昨年2020年の大阪アジアン映画祭では観客賞を受賞しています。見れば、そりゃ観客賞受賞でしょうという泣かせる感動ものです。少年の君 / 監督:デレク・ツァンガール・ミーツ・ボーイネタバレあらすじとちょいツッコミチェンニェン、いじめの標的にさ...
セックスシーンと愛、恋、情愛の忘我100分は耐えられるか アニー・エルノー著『シンプルな情熱 Passion Simple』の映画化です。「フランス現代文学の頂点 アニー・エルノー原作、年下男性との愛と性の実体験を赤裸々に綴り衝撃を呼んだベストセラー小説(公式サイト)」とのことです。シンプルな情熱 / 監督:ダニエル・アービッド 映画よりも小説を読む...
女はコワイは今の時代では女性蔑視っての知ってた? 先週末に、どんな映画が公開されるのかなとざっと映画.comを見た時には見ることはないだろうと思っていた映画です。が、ふと目にしたFilmarksだったか、映画.comだったかの感想で見ることにしました。ただ、点数が1だったか2だったかの良くない評価です(笑)。もともとあまり感想は読まないほうですし、読むにしても点数...
ウィリアム・ニコルソン監督自身の両親追憶映画 すごい映画ですし、面白いです。老年夫婦の離婚話ですが、その離婚話自体が類似の映画とは随分かけ離れていますし、台詞だけではなく頻繁に語られる詩などの言葉にいろいろ意味が込められているようです。とにかくいろんな見方ができる映画で、ウィリアム・ニコルソン監督(脚本も)は一体どこへ持っていこうとしているのか考えさせられてしまい...
ガイ・リッチー監督のクライム・アクション・コメディ マシュー・マコノヒーさん目当てで見た映画ですが、「ビーチ・バム まじめに不真面目」にしたほうがよかったかも(笑)。ジェントルメン / 監督:ガイ・リッチーいきなりネタバレしますが… ネタバレあらすじとちょいツッコミガイ・リッチー監督 いきなりネタバレしますが… 気にしなくていいと思います...
看板の裏表と人間の裏表 今日の今日までハリウッド、少なくともアメリカ映画だと思いこんでいました。それゆえDVDでいいやとスルーしていたのを「ノマドランド」を見たことから、そういえばと思い出して見てみましたら、こんな映画だったの?! とびっくりした次第です。スリー・ビルボード / 監督:マーティン・マクドナーオチなしじゃん! 登場人物みなディスコミュ...
テーマはともかく、日本社会からみれば現実感は薄い この映画は、映画の主人公サンドラを演じているクレア・ダンさんが自ら書いた脚本をフィリダ・ロイド監督に読んでみてほしいと持ち込んだことが始まりとのことです。その経緯が 公式サイト のフィリダ・ロイド監督のインタビューにあります。 サンドラの小さな家 / 監督:フィリダ・ロイドフィリダ・ロイド監督とクレ...
ややオフビート、ややシュール、総じて真面目で優しい映画 原作の漫画も大橋裕之さんという方も知らないのですが、先行上映ということで見てきました。雰囲気的になんとなくギャグ系なんだろうなあと思って見に行ったのですが、そうでもなくシリアスということでもないのですがいたって真面目な(?)映画でした。ちょっとオフビートっぽいところもありますし、シュールなところもあります。...
「おしん」の国のクライム映画、イラン・ノワールとなるか… 最後まで飽きることなく集中して見られる映画なんですが、でも結局、見終えてなんと評すべきか迷うような映画です。基本的には、警察と麻薬密売組織の戦いを描いたクライム映画ですのでアクションシーンもありますし、サスペンスっぽいところもあります。でもなにか違うんですよね。言うなればまったく価値観の違うところに放り込ま...
音楽と俳優でみせる映画、深くはないけど楽しい いい音楽といい俳優がいれば映画は成り立つという典型でしょうか。もちろん、コメディやファンタジーに限ってのことであり、シリアス系であれば当然それらとともに監督なりつくり手の視点が問われることになりますのでこの限りではありません。ステージ・マザー / 監督:トム・フィッツジェラルドこの映画はいわゆるファンタジ...
中華料理(薬膳)は文化の壁を越える? 中国市場向けにつくられた映画か(多分そう)と思うほど中華料理が持ち上げられています。その点ではちょっとやり過ぎかなと思いますが、ラップランドの自然の中で料理を通してフィンランドと中国の価値観の接点が生まれるという映画です。世界で一番しあわせな食堂 / 監督:ミカ・カウリスマキミカ・カウリスマキ監督ネタバレあらす...
エピソードつなぎの安易なドラマになっていないか… 西川美和監督、ついに原作ものか?!と思ったのですが、正直、これまでの自作のオリジナル脚本との違いはあまり感じられませんでした。いい意味で言えば、もともときっちりした脚本の存在が感じられる映画を撮る監督ですので、この映画でも原作に納得し、それを完全に自分のものにして脚本を仕上げたんだろうと思います。すばらしき...
バディもの、BLものとしてつくるべきだと思うよ 日本のミステリーはどんなもんか? と思って見た映画。でもないのですが、見る映画もないし日本の映画はないかなと映画.comを見てみましたら最初に出てきましたので選びました(笑)。さんかく窓の外側は夜 / 監督:森ガキ侑大原作とトーンが違うんじゃない?ネタバレあらすじとちょいツッコミ音楽で煽る演出...
信仰、赦し、正しさ、良心とは何か?だが基本はエンターテイメント狙い 昨年2020年のアカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされたポーランド映画です。つい先日見た「この世界に残されて」にも書いたのですが、受賞したのは作品賞も受賞した「パラサイト」でした。ただ映画のテーマ性としては、描けているかどうかは別にしてこちらの方がより深い人間性に迫ろうとしています。聖な...
マンスプ系の夫は妻の癒やしにまどろむ これは映画や声優の話というよりも夫婦の物語です。さらに言えばマンスプ系の夫とそれに気づい(ていたけれども自分を騙してい)た妻の物語です。で、ラストがどうなるか?それにより、映画が「甘い」のか、「甘くない」のかがわかります。声優夫婦の甘くない生活 / 監督:エフゲニー・ルーマンマルガリータと百万本のバラ映画の...
フィジカルタッチイメージフィルム テレンス・マリック監督はもう充分ですと思っていたんですが、ルーニー・マーラさんが主演ですので見てきました……ら、やっぱり、テレンス・マリック監督でした(笑)。ソング・トゥ・ソング / 監督:テレンス・マリックテレンス・マリック監督もルーニー・マーラさんの横顔が好きなんですね(笑)。 2時間強のフィジカルタッチイメージフ...