バディもの、BLものとしてつくるべきだと思うよ 日本のミステリーはどんなもんか? と思って見た映画。でもないのですが、見る映画もないし日本の映画はないかなと映画.comを見てみましたら最初に出てきましたので選びました(笑)。さんかく窓の外側は夜 / 監督:森ガキ侑大原作とトーンが違うんじゃない?ネタバレあらすじとちょいツッコミ音楽で煽る演出...
信仰、赦し、正しさ、良心とは何か?だが基本はエンターテイメント狙い 昨年2020年のアカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされたポーランド映画です。つい先日見た「この世界に残されて」にも書いたのですが、受賞したのは作品賞も受賞した「パラサイト」でした。ただ映画のテーマ性としては、描けているかどうかは別にしてこちらの方がより深い人間性に迫ろうとしています。聖な...
マンスプ系の夫は妻の癒やしにまどろむ これは映画や声優の話というよりも夫婦の物語です。さらに言えばマンスプ系の夫とそれに気づい(ていたけれども自分を騙してい)た妻の物語です。で、ラストがどうなるか?それにより、映画が「甘い」のか、「甘くない」のかがわかります。声優夫婦の甘くない生活 / 監督:エフゲニー・ルーマンマルガリータと百万本のバラ映画の...
フィジカルタッチイメージフィルム テレンス・マリック監督はもう充分ですと思っていたんですが、ルーニー・マーラさんが主演ですので見てきました……ら、やっぱり、テレンス・マリック監督でした(笑)。ソング・トゥ・ソング / 監督:テレンス・マリックテレンス・マリック監督もルーニー・マーラさんの横顔が好きなんですね(笑)。 2時間強のフィジカルタッチイメージフ...
これは愛なのか? 同情なのか? 心の空白を埋める自己愛なのか… キム・ヤンヒ監督の長編デビュー作です。といっても、主演のヤン・イクチュンさんの名前で見に行く人が多いのではないかと思いますし、私もそうです。でも見てみますと、意図してかどうかはわかりませんがちょっと変わっていて面白い映画です。詩人の恋 / 監督:キム・ヤンヒ極端から極端へ振れる登場人物...
メリル・ストリープが本来の物語を食っているんじゃない? ブロードウェイ・ミュージカル「ザ・プロム」の映画版です。Netflix制作の映画で、配信は2020年12月11日からですが先行上映として12月4日からイオンシネマなどで劇場公開されています。ザ・プロム / 監督:ライアン・マーフィ劇場で見るべき映画ネタバレあらすじとちょいツッコミミュージカ...
(DVD)前田敦子を活かせていない…ということか 前田敦子さん主演ということでレンタルしたんですが、劇場ならもう少し見られたんでしょうか、さすがに目の前のモニターじゃ無理でした。そもそも集中させるような映画ではありませんし、かと言って笑わせる映画でもありませんし、なにが狙いなのかかなり曖昧です。葬式の名人 / 監督:樋口尚文なるほど、大阪府茨木市の市...
俳優を活かせていない演出に問題あり 西加奈子さんのベストセラー(だそうです)小説『さくら』の映画化です。と言っても、この『さくら』だけではなく西加奈子さんの本を読んだことはありません。ただ、「まく子」は見ています。さくら / 監督:矢崎仁司俳優で見せる映画だが…ネタバレあらすじ俳優を活かせていない演出が問題俳優で見せる映画だが…率直に言っ...
アメリカン・ニューシネマの幻を見ているようだ 映画としては意外にも面白かったです。意外にもというのは、「ストックホルム・シンドローム」についての映画なんだろうと見に行ったのに、(まったく)そうではなく単に犯罪ものの娯楽映画だったので、なーんだあと思ったのに、割と見られたというややこしい意味です(笑)。この映画は、ストックホルム・シンドロームとは何かと考える上で必...
三代目JSBは多部未華子が見る空にはいない 多分 EXILE の持ち込み企画ですね。ですが、結果として多部未華子さんで持っている映画です。そして、その周りにややこしい人物を配して煙に巻いた(笑)青山真治監督の力で、あるいは脚本に名前が入っている池田千尋さんということもあるかもしれませんが、脚本と演出で持っている映画です。空に住む / 監督:青山真治基...
神話は水中ではなく地上にあるようだ 前作(前前作?)の「鉱 ARAGANE」と言い、この「セノーテ」と言い、タイトルづけや宣伝ヴィジュアルがうまいですね。映画そのものよりも(ペコリ)タイトルが印象づいており、この「セノーテ」も見てみようとなりました。セノーテ / 監督:小田香公式サイトさえ見ずに行きましたので何も知らなかったのですが、愛知芸術文化セン...
蒼井優は若尾文子になれたのか? 不思議な映画です。なぜこんな昔くさい映画を撮ったのでしょう?ドラマの内容ではありません。映画のつくりがです。スパイの妻 / 監督:黒沢清今年2020年のヴェネツィア映画祭で最優秀監督賞(銀獅子賞)を受賞しています。なのに「劇場版」となっていますので、え? と思ったのですが、今年の6月にNHKのBS8Kで放送されたものの...
ソニア・ヴィーゲット復権のノルウェー国内向けの映画 いくら日本人がナチス絡みの映画を好きだからといってもこの映画は日本じゃ無理でしょう。「第二次世界大戦中、ナチス占領下のノルウェー。女優として活躍しながらスパイとしてナチスに潜入した女性の驚愕の実話。 激動の時代を生き抜いたソニア・ヴィーゲットの真実の物語。」という映画です。ソニア ナチスの女スパイ / 監...
逃避行ものなのに「僕たちには明日は続く」 男女の逃避行ものと言えば「俺たちに明日はない」に勝るものはありません。と、言い切ることに異論のある方はいないと思いますが(笑)、果たして「ソワレ」は現代の「俺たちに明日はない」になったのでしょうか。ソワレ / 監督:外山文治んー、ラスト、そこへ行くんかい…(涙)。まあオチのつけかたが現代的といえば現代的で...
子育て映画ではなく、家族主義的感動(させたい)映画だった 山田孝之さんがシングルファーザー? ってことで見てきました。ステップ / 監督:飯塚健始まってしばらくは、少しふっくらした印象もあり、へぇー、こういう役もいけるんだと見ていたんですが、映画が進むにしたがって、でも待てよ、この俳優さん、風変わりな役柄でもバタバタしないし崩れないタイプだよなあとい...
「銃」2018版のリベンジ版かと期待したのにコメディでした(笑) 「銃」で失敗したのでリベンジ版の「銃2020」かと思いましたら、まったくもって同じ程度に映画になっていない映画でした。と言うよりも吉本興業の芸人救済映画なのかもしれません。銃2020 / 監督:武正晴それにしてもわずか2年の間に同じような企画の映画を作るくらいですから、よほど原作の『銃...
グレタ・ガーウィグ監督の自由な価値観があふれる 四姉妹の台詞のアンサンブルがすごいです!グレタ・ガーウィグ監督(脚本も)の才能が爆発しています。それにキャスティングもすごいです。ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語 / 監督:グレタ・ガーウィク始まってしばらくは混乱するかもしれません。なにせ四姉妹の2つの時代が同じキャスティングで入り乱れ...
ラストはどちらに取るにしても衝撃的。怖さだけが残らなければいいが… ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟監督、ほぼ3年に1本というペースが守られています。映画制作のプロセスが3年で出来上がっているんでしょうか、今回も2016年の「午後8時の訪問者」に続いての「その手に触れるまで Le jeune Ahmed(Young Ahmed)」です。この兄弟監督、初期...
男系幻想とジェンダー、セクシュアリティ、宗教、家族再生幻想 「シェイクスピアの庭」なんていうタイトルから、シェイクスピア(以下、ウィリアム)が田舎へ戻り穏やかな余生を過ごす話かと思っていましたら、とんでもない、シェイクスピア一家の結構シビアな愛憎物語でした。もちろんフィクションですが、ウィリアム本人にとってはかなり衝撃的な秘密が明らかになりますので、「シェイクスピ...
ノスタルジックな映像と余韻ある俳優の演技の調和 1980年代が舞台のベトナム映画です。ベトナムの1980年代といいいますと、ベトナム戦争は1975年に終結しているのですが、その後もカンボジアでの覇権争いや中国との戦争があり、安定の兆しが見え始めるのは1990年以降ですので、政治的にも経済的にも大変な時代だったと思います。ドイモイ政策が始まるのも1986年です。た...