2018/11/29
ちょっと今から仕事やめてくる
前半ぞわぞわ、後半もぞもぞ。コメディじゃなかったのね。
DVD鑑賞です。
公開時、タイトルが目につき、見ようかどうしようかと思いつつ、どうせコメディの苦手なタイプだろうと思い込んでスルーした映画、全然コメディじゃなく、むちゃくちゃシリアスじゃないですか!?
公式サイト / 監督:成島出
前半は面白く見られます。
特に部長役の吉田鋼太郎さん、パワハラを通り越した暴力上司役が無茶苦茶迫力ありますし、見ていて気持ち悪くなるくらいです。
それと、主役の青山を騙して仕事をとってしまう同僚役の黒木華さん、罪悪感を秘めて青山に相対する屈折した表情のうまいこと、ああー華ちゃん、そんなことしちゃってどうすんの? と同情してしまいます(笑)。
追いすがる青山にエレベーターの中から「消えろ、バカ」というシーン、ぞわっとしますよ。
で、主役の青山をやっている工藤阿須加さん、始まってしばらくは、誰これ? 主役は無理じゃない? と思ったのですが、意外にも見ていくうちに、上司のパワハラに打たれて落ち込んでいく様や盲目的に華ちゃんを信じるところなど、その頼りなさ加減がぴったりはまって、そんな会社辞めろよ! とか、コンプライアンス部署(ないか…)に訴えろよ! などと声が出そうになり、結構いいんじゃないのと思い始めます。
え!? ウィキペディアを見てびっくり、工藤公康さんの息子さんなんですね!
ということで、とにかく前半は吉田鋼太郎さんのおかげで面白く見られます。
ところが、後半はすっかり雰囲気が変わってしまいます。
この映画、青山が主演かと思っていましたら、自殺しようとした青山を助ける謎の人物ヤマモト(福士蒼汰)が主演のようで、後半は、そのヤマモトが何者なのかの種明かしの様相を呈してきます。と同時に、同じようにしんみりパターンで青山の家族物語も語られます。
正直、こういうパターン、私はきらいです(笑)。
前半の物語を簡単に書きますと、ブラック企業に勤める青山は、営業成績も上がらず、上司のパワハラもあり、過労状態になり電車に飛び込もうとします。そこを同級生を名乗るヤマモトに助けられ、ヤマモトの陽気さにつられ営業成績も上がるかと思われましたが、同僚の華ちゃんに騙され成果も取られ、再び自殺を考えるようになります。
ヤマモトが同級生ではないことはほどなくわかるのですが、ヤマモトが名乗る名前を検索しますと、その人物は過労自殺しており、写真もヤマモトのものです。
で、(穏やかな気持では見ていられない)後半がどうなるかといいますと、まずは青山です。田舎の母親は、何かと電話をしてきたり果物などを送ってくるのですが、青山は忙しさもありそのまま腐らせてしまっていました。
前半で仕事を辞める決心をした青山は、その前に田舎に帰ります。青山が仕事を辞める決断ができなかった理由のひとつに、父親がリストラされ、それ以来仕事がみつからない状態を見てきたこともあります。
両親を前にして仕事を辞めようと思うと切り出した青山、それに対し母親は、「昔ね、お父さんの仕事がみつからず、みんなで死のうって言ったことがあるの。」と話し始めます。
んー、勘弁してください…。
東京(かな?)に戻った青山はヤマモトを呼び出し、「ちょっと今から仕事やめてくる」と宣言し、実際仕事を辞めます。そして、姿を消してしまったヤマモトの素性を調べ始めます。
調べるといっても、すべて、青山が訪ねた孤児院の先生の語りに映像がかぶるパターンで描かれるだけです。
ヤマモトは、双子の兄弟の兄で、両親が交通事故で亡くなり孤児院で育っています。ある時、バヌアツの子どもたちの写真がきっかけで元気を取り戻すことができ、それ以来、ヤマモトは教師として、弟は医者としてバヌアツへ行くことが夢になったのです。しかし弟は大学へ行けず、医者への道に挫折し、就職した会社がブラック企業で、過労のため自殺したのです。ヤマモトはお金を貯めてはバヌアツに通っています。
簡単に書きますとこういうことですが、この後半には泣かせどころのエピソードがいっぱい散りばめられています。
んー、勘弁してください…。
ラスト、青山もバヌアツへ向かいます。
という物語です。この後半はちょっと私には無理です(ペコリ)。