アメリカという国の一面なのか、あるいは原点なのか、荒々しくも殺伐とした映画です。
ただ、それも途中(ラスト近くかな?)までで、なぜか最後は皆優しくなってしまいます。個人的には、とことん行って欲しいのですが、そんな映画、誰も見たくないかも知れませんね(笑)。
それに、なぜか、私には何かが足りない感じです。何なんでしょう?
映画のつくりが一本調子なのもひとつの理由でしょう。17歳の少女(?)リー(デブラ・グラニック監督について、というより女性監督について一言。もちろん、監督が女性であれ、男性であれ、それぞれ一監督として語ればよく、一般化して括ることに意味はないのですが、女も男も社会的存在であれば、社会的意味における性別の影響下にあるわけですから…、と、何だかまわりくどいですね。
で、この映画、女性をまったく性的存在としてみていないことに感動します。もちろん男性をもなんですが、極めてシンプルに、ひとりひとりを一人間としてえがいています。あらためて考えてみると、最近の「幸せパズル」や「グッド・ハーブ」もその点では近いものがあります。セックスシーンがあっても、男性監督の目線とは全く違います。
映画がいかに男性目線でつくられてきているかよく分かります。