VORTEX ヴォルテックス

2023.12.14

あ行, , おすすめ映画

ギャスパー・ノエ監督の映画への真面目さを強く感じる感傷なき死の描写…ギャスパー・ノエ監督は、「アレックス」「CLIMAX クライマックス」「ルクス・エテルナ 永遠の光」と見てきた私の中では真面目な監督という位置づけになっています。この映画もこれ以上ない真面目さで人の「死」、最期というものを描いています。おすすめ映画に入れていますが、決して楽しい映...

ウーマン・トーキング 私たちの選択

2023.06.03

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あなたは男社会を赦す?戦う?逃げる?と映画が問うてくる「アウェイ・フロム・ハー 君を想う」のサラ・ポーリー監督、あれは2007年の映画でしたので16年ぶりということになります。監督自身はその間にも2、3本の映画やテレビドラマを撮っています。この「ウーマン・トーキング 私たちの選択」の主演はルーニー・マーラさん、私には「キャロル」を見た以降、評価の...

Winny

2023.03.12

あ行, , 英数字, 英字

事件そのものの問題点に迫ることなく弁護側の主張に基づく映画Winny? と、すぐにはあのファイル共有ソフトには結びつかず、逆に何だろうと目を引き、さらに監督松本優作の名に記憶があり、サイト内を検索してみましたら「ぜんぶ、ボクのせい」の監督でした。実は、この「ぜんぶ、ボクのせい」という映画、リンク先のレビューに「日本映画界の失われた30年」とまでかなり辛辣...

ヴォイス・オブ・ラブ

2022.01.05

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脚本,監督,主演のヴァレリー・ルメルシエのパフォーマンスがすごい何を見ようかと映画.comの上映欄を見ていましたら、音楽映画なのに(音楽映画にハズレはないという意味)あまり良い評価もなく、期待せず見に行ったのですが、これ、面白いです。全編音楽がふんだんに使われていますが、音楽映画というよりも、脚本、監督、主演のヴァレリー・ルメルシエさんの何がした...

海辺の金魚

2021.07.13

あ行,

小川紗良監督への期待と小川未祐さんへの驚き小川紗良監督、現在25歳、ウィキペディアで経歴を見る限り、どういう経緯でこの映画を撮ることになったんだろうと不思議でしたが、インタビュー記事を読みますと、自主制作の延長線のような感じで広がっていったようです。主演の小川未祐さんともう一度一緒に映画をつくりたいから始まり、最初は短編をイメージしていたけれども構想がふくらん...

海辺の家族たち

2021.06.03

あ行,

感傷的な内容をさらりと描いて好印象、ロベール・ゲディギャン監督ロベール・ゲディギャン監督が「フランスのケン・ローチ」と言われているとの宣伝コピーがありましたので、疑り深い私は(笑)海外のサイトを調べてみました。すみません、確かにそうしたニュアンスで語られている批評がたくさんありました。海辺の家族たち / 監督:ロベール・ゲディギャンずいぶん演劇的...

海辺の彼女たち

2021.05.11

あ行,

ベトナム人技能実習生のある現実、なのだが…映画の宣伝コピーに「技能実習生として来日したベトナム人……」とあれば、ほとんどの人は、技能実習生が不法な労働時間や賃金未払いなど過酷な環境で働かされる実態に迫った映画だろうと予想します(しないかな?)。でも、ちょっと違っていました。おそらく藤元明緒監督にしてもそうした予想はわかってのことだと思われますので、それをどう捉え...

ウィーアーリトルゾンビーズ

2019.06.20

あ行,

ゲームボーイ世代&ロスジェネ世代の冷ややかなる憂鬱映画「『そうして私たちはプールに金魚を、』が第33回サンダンス映画祭ショートフィルム部門でグランプリを受賞した新鋭・長久允監督の長編デビュー作(映画.com)」との紹介コピーですのでかなり期待度は高かったのですが…ウィーアーリトルゾンビーズ / 監督:長久允公式サイトをみてから見に行けばよかったです(...

運命は踊る

2018.10.04

あ行,

三幕の不条理劇を見るような映画。戦争は父権的なるものの究極。「レバノン」が2009年のヴェネチアで金獅子賞を受賞したサミュエル・マオス監督の最新作、 この作品も昨年のヴェネチアで銀獅子賞(審査員グランプリ)を受賞しています。8年ぶりの新作ということらしく、IMDb を見てみても、2013年にドキュメンタリーとショートを撮っているだけです。寡作な監督ですね。...

ウインド・リバー

2018.07.29

あ行,

アメリカの良心だとは思うけれど、現実は無理でも映画ならもう一歩前へ映画としては、特に前半、ミステリータッチで隙なく進む展開は集中して見られますし、とてもよく出来ていると思います。ただ、この映画のテーマとなっている(かどうかも微妙)ものをどう捉えるかは結構微妙です。公式サイト / 監督:テイラー・シェリダン映画の舞台は、アメリカ ワイオミング州のウィンド・...

海を駆ける

2018.06.05

あ行,

ネタバレしようにも意味不明、ラウがじゃないよ。一週間ほど前に見た映画ですが、あまりの散漫な終わり方に、そのまま感想も気分も散漫なまま放ってありました(笑)。この映画を三段階に分けて語るとすると、序盤は面白く、中盤は飽きがきて、後半は意味不明というところでしょうか。あるいは撮影期間切れか資金不足で撮り切れていないのかも知れません。深田監督の映画は「ほとりの朔子」...

ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男

2018.04.05

あ行,

We shall never surrender. 我々は決して降伏しない Never! Never!チャーチルと聞きますと、私は、チャーチル、ルーズベルト、スターリンの3人が座って居並ぶ「ヤルタ会談」の写真がすぐに浮かびます。あれは第二次大戦も末期、1945年の2月、いわゆる戦勝国が戦後処理を話し合った会談ですが、この映画は、イギリスにとってそんな希望的未来な...

馬を放つ

2018.04.02

あ行,

キルギス発。言葉を得て文明をもった人類の永遠の矛盾キルギスの映画です。予告編を見た時に以前なにか見たことが…、と漠然とした記憶が蘇っていたまま調べもせず見に行ったのですが、主演のアクタン・アリム・クバトさんを見て思い出しました。「明りを灯す人」でした。同じく監督、主演の映画です。読み返してみましたら、楽しめる映画だと言いつつも内容についてはそっけないことを書...

海街diary

2017.09.09

あ行,

綾瀬はるかさんのうまさが光る映画ですかね原作は、 吉田秋生さんって方の漫画なんですね。そんなことも知らずに、そういえばカンヌのコンペティションに出品されたなあと思い借りてみました。パルムドールが「ディーパンの闘い」の年で、「ティエリー・トグルドーの憂鬱」「五日物語 3つの王国と3人の女」「キャロル」「黒衣の刺客」「山河ノスタルジア」「モン・ロワ 愛を巡るそれぞ...

海辺の生と死

2017.08.03

あ行,

演出意図が裏目か?俳優の存在感が足りず監督:越川道夫、主演:満島ひかりで見に行ったのですが、『死の棘』の島尾敏雄さんと妻島尾ミホさんの話だったんですね。知りませんでした。映画タイトルと同名の原作があるとのことですが、『死の棘』共々読んでおらず、小栗康平監督「死の棘」しか知りません。越川道夫監督は、長くプロデューサーをされており、前作の「アレノ」が初監督作品とい...

海辺のリア

2017.06.13

あ行,

仲代達矢さんありきの映画なんですが、リアであるべきであったかどうか…日本国内よりも世界で評価の高い、その多くはヨーロッパなんですが、映画祭で受賞したり特集が組まれたりする映画監督がいます。小林政広監督もそのひとりです。ウィキペディア本作で長編16作目、詳しく調べたわけではありませんが、多分すべて自主制作的な作り方で撮っており、大手の映画会社からは独立しているので...

海は燃えている~イタリア最南端の小さな島~

2017.03.06

あ行,

難民の死体のシーンは監督の葛藤の結果のようですジャンフランコ・ロッシ監督、ドキュメンタリーでありながら(というのも変ですが…)、2013年の「ローマ環状線、めぐりゆく人生たち」がヴェネチアで金獅子、この「海は燃えている」が昨年2016年のベルリンで金熊、快挙そのものでしょう。監督がドキュメンタリーというものをどう考えているか、記者会見でこんなことを語っています。...

ヴィクトリア/セバスチャン・シッパー監督

2016.07.05

あ行,

140分ワンカットが売りのひとつだとは思いますが、100分に編集すればもっと良くなったかも…ネタバレになりますが、ストーリーを書きますと、やや訳ありでスペインからベルリンに来て3ヶ月のヴィクトリアは、さみしさを紛らわそうと出掛けたクラブで、4人組の青年たちと出会います。多少の戸惑いを感じながらも、人恋しさゆえか、誘われるままに、4人とともに夜明け前のベルリンをふ...

海よりもまだ深く/是枝裕和監督

2016.06.16

あ行,

俳優の自然さ、ていねいな作り、滞るところのない編集、(原案、脚本、監督、編集)是枝裕和ワールドなんでしょう親子ものも家族ものもあまり好みではない(好き嫌い多すぎ)のですが、是枝監督、一度も劇場で見たこともないのもどうかと思い出掛けました。昨夜、ネット予約した時にはガラガラだったのですが、行ってみれば、100席あまりの劇場が満員です。ああ、木曜日、女性サービスデ...

ヴィヴィアン・マイヤーを探して/ジョン・マルーフ監督チャーリー・シスケル監督

2015.11.30

あ行,

写真に興味をもつのは当然だけれど、ナニーという職業にもヴィヴィアン・マイヤーさんが現代に生きていたら、自分の写真をネットで公開したんでしょうか?つまり、たくさんの人に見て欲しいと思っていたけれど方法がなかったのか、単に趣味として撮っていただけでそもそも人に見せる考え自体がなかったのか、あるいは社会的に写真家という存在が認知されていなかったのか、という意味での疑問...