そんなには褒めないよ。映画評

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暮れ逢い/パトリス・ルコント監督

カメラワークや俳優の動きや目線などによる緊張感の生み出し方はさすがです。展開の速さも見事です。

2014/12/27

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「暮れ逢い」の邦題で見るのをやめようかと思いました(笑)。
ところが、ところが、これがことのほかいい映画でもったいないですね。邦題で2,3割は入りが悪くなっているでしょう。


12/20(土)公開 『暮れ逢い』 予告篇

いきなり意表を突く激しい印象の音楽、タイトルバックにガブリエル・ヤレドの名前。

「パトリス・ルコントって、マイケル・ナイマンとか…」などと考えていると、燃えさかる溶鉱炉の炎がスクリーンに広がります。煙や蒸気に煙る工場、そして無言で働く労働者たち。

え? これ、パトリス・ルコント? 本当に真剣に、スクリーンを間違えた?と思ったのです。

時は1912年。大病を患い、自宅療養を余儀なくされた実業家ホフマイスターの屋敷に、彼の個人秘書として若く才覚あふれる美しい青年フリドリックがやってくる。一つ屋根の下で暮らすうちに、ホフマイスターの若き妻ロットとフリドリックは次第に惹かれあうが、触れあうことはもちろん、愛を口にすることすら出来ず想いだけが募ってゆく。突然、フリドリックの南米への転勤が決まり、お互いに胸にしまいこんでいた気持ちが溢れ出し、初めて素直に想いを伝え約束を交わす。「2年後、戻ってくるまで、お互いに変わらぬ愛を誓おう」。しかし、まもなく訪れた第一次世界大戦によって、彼らの運命は大きく揺れ動く――。(公式サイト)

その後の物語はパトリス・ルコント監督らしいものですが、カメラワークや俳優の動きや目線などによる緊張感の生み出し方はさすがです。展開の速さも見事です。こういう物語はちまちま説明的にやったらダサくなるだけです。

裸なんて出てきませんし、キスシーンもラストしかないのですが、全編何とも官能的です。監督が自分でカメラをまわしているんですね。

イギリス人の俳優を使い英語で撮っているのも良い結果を生んでいます。フランス語ではなくという意味でドイツ語であればもっと良かったのかも知れませんが、そうしますとドイツ人の俳優ということになり、それはそれでどうなっていたか分かりません。

俳優が皆すばらしいです。前半のフレドリック・ザイツ(リチャード・マッデン)の育ちから来る劣等感みたいなものと自分への自信が交錯する感じがとても良かったです。ロット(レベッカ・ホール)も魅力的でした。かなり衣装を替えていましたが、当然ながらクラシカルでとても印象的でした。

もちろんザイツの雇い主でありロットの夫であるカールを演じていたアラン・リックマンの威圧感、嫉妬心、猜疑心、そして優しさの入り交じったまなざしと振る舞いがあってこその映画です。あの存在感がなければ本当に単純なメロドラマになっていたでしょう。

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