そんなには褒めないよ。映画評

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エデンEDEN/ミア・ハンセン=ラヴ監督

スタイリッシュなグルーヴ感なのに以外に身近な青春もの、見ていれば自然と体が動き出します

2015/10/01

仕事上選曲をしたりしますので、この曲なんだっけ?といった音楽がいっぱい流れていました。ただ、クラブ系の音楽はなかなか曲名に結びつかいないですね。

音楽的には、ハウス系の音楽ですともう少しディープで体が沈み込むようなものが好みですので、ちょっとばかり軽すぎる印象ですが、それでも映画的には、フランスらしく(かどうか適当ですが)適度に軽く適度におしゃれだと考えれば、ハッパやらコカインやらの言葉が飛び交っている割には、普通に青春ものとして楽しめる映画でした。

90年代から00年代にかけてフランスのダンス・ミュージック・シーンから世界的に広がった「フレンチ・タッチ」と呼ばれるムーヴメント。ダフト・パンク、ディミトリ・フロム・パリ、カシアスなどを産み出したこの音楽シーンの軌跡を背景に、本作『EDEN/エデン』は〈ガラージ・ハウス〉に夢中になった大学生のポールが時代の波に乗りパリの熱いクラブシーンでDJとして掴む成功とやがて味わう挫折、そして恋と友情の20年間を、第1部<パラダイス・ガラージ>、第2部<ロスト・イン・ミュージック>の2部構成で描く。切なくほろ苦い青春音楽映画の決定版がまた一つここに誕生した。(公式サイト)

ミア・ハンセン=ラヴ監督は、「 あの夏の子供たち」や「グッバイ・ファーストラブ」でもそうでしたが、ものごとをドラマチックに描こうとするタイプではありませんので、これだけ人が溢れ、描かれる期間も長きにわたりますと、登場人物それぞれの関係や変化を把握するのは難しいですね。

まあ簡単に言えば、展開にメリハリがなく分かりにくいということなんですが(笑)、好意的にみれば、この映画では、そうしたことよりも音楽映画らしく流れるようなカメラワークと編集に力を注いだとも考えられます。

監督のお兄さんのスヴェン・ハンセン=ラヴさんが、過去 DJ だったのか、今もそうなのかは分かりませんが、主役のポール(フェリックス・ド・ジブリ)のモデルとなっているそうで、また、脚本として参加しているということもあるのでしょう、クラブのシーンや仲間同士の関係などはうまく撮れていた感じがします。

この監督の良さは、取り立てて何かを強く主張する映像はないのですが、見終わってみると、ああ何か良かったかもしれないなあと思わせるところですね。って、良いのか良くないのか分からない言い回しです(笑)。

ところで、このポールを演ったフェリックス・ド・ジブリさん、私だけかもしれませんが、シーンによって別人に見える不思議な俳優さんです。他の作品でも見てみたいですね。

ルイーズのポーリン・エチエンヌさんは、「愛について、ある土曜日の面会室」のサッカー少女ローラの俳優さんでした。

映画の中ではいまいち役回りがよく分からなかったアルノーを演っていたのは、ギョーム・ブラック監督の「やさしい人」「女っ気なし」「遭難者」のヴァンサン・マケーニュさんですよ! この俳優さんは印象深いだけにすぐに分かります!

それにしても、バブル崩壊以降ディスコへ行くこともありませんので今のクラブがどんな感じかは分かりませんが、この映画に描かれている世界は日常感が漂っており、フランスならではかもとも思いますが、とてもいい感じです。アメリカではこうはいかないでしょう。

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