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作家、本当のJ.T.リロイ

著作を読んでみたくなります 「サラ、いつわりの祈り」「サラ、神に背いた少年」

2017/07/12

「J.T.リロイ」

ガス・ヴァン・サント監督の「エレファント」の脚本、そしてまた「サラ、いつわりの祈り」の原作者と言われてみれば、あの頃漠然と見知っていたかもしれないと思うほどには知っているのですが、あらためて、ああ「J.T.リロイ」とはこういうことだったのねとよくわかりました。

下の写真のサングラスをかけた人物が、「J.T.リロイ」として、ローラ・アルバートが創り出した架空の人物の表の顔として露出していたサバンナという女性です。

監督:ジェフ・フォイヤージーク

1996年に突如文壇に現れ、女装の男娼となった過去を綴った自伝『サラ、神に背いた少年』で時代の寵児となった謎の天才美少年作家、J.T.リロイ。しかし、2006年ニューヨーク・タイムスの暴露記事によって事態は一変する。天才少年J.T.リロイという人物は実在すらしない、その正体はサンフランシスコ在住の40歳女性、ローラ・アルバートだったというのだ。(公式サイト)

映画は、「J.T.リロイ」の実体であるローラ・アルバート(下の写真)の回想で構成されています。

ローラが正面切ってカメラ目線で語る映像に、コラージュされた各種映像、「エレファント」などの映画の引用、そしてスチールなどで構成され、ガス・ヴァン・サントやトム・ウェイツ、コートニー・ラブ、ビリー・コーガンらの音声が流れるという構成になっています。

まあ、正直、何度も落ちそうになりました。

映画としては面白くありません。わたしなら劇映画にしますね。それだけ内容は面白いです。

それにしても多くの著名人との電話のやり取りが流れますが、あれ、どうしたんでしょう? 常に録音していたということなんでしょうか? 不思議ではあります。

とにかく、そうした会話やローラの言葉の洪水のような映画ですし、時間軸も前後しますし、そもそも話自体が客観的ではあり得ないわけですから、なかなか掴みづらい映画です。

結局、ローラが「J.T.リロイ」を生み出した、あるいは生み出さざるを得なかったわけには迫れておらず、緊張感のないドキュメンタリーでした。

ただ、構成されていますのでなんとも言えないのですが、事実であったかもしれないこともたくさん語られ、じっくり整理できる状態みれば、実際のローラ・アルバートさんも見えてくるのかも知れません。

とにかく、他言語でこれだけ言葉が多いとなかなか理解は難しいということです。

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