ら行

リヴァプール、最後の恋

2019.04.05

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男女逆にイメージしてこの映画の印象と比べてみれば何かが見えるグロリア・グレアムさん、アカデミー助演女優賞を受賞したのが1952年、29歳の時の「悪人と美女」、亡くなられたのが1981年ですから57歳です。そのグロリアさんの亡くなられる直前の物語です。リヴァプール、最後の恋 / 監督:ポール・マクギガン原作があり、著者がピーター・ターナーさんとなってい...

レット・ザ・サンシャイン・イン

2019.02.20

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中年の恋愛を不倫系悲恋ではなく描けるのはフランスだけ「カイエ・ドゥ・シネマが選ぶフランス映画の現在(名古屋シネマテーク)」という企画上映の一本で、ジュリエット・ビノシュさんが主演の映画です。レット・ザ・サンシャイン・イン / 監督:クレール・ドゥニ「レット・ザ・サンシャイン・イン」と言えば「ヘアー」の「Aquarious〜Let The Sunshin...

ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー

2019.01.20

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今年2019年がサリンジャー生誕100年、よく出来た伝記映画です今年2019年がJ.D.サリンジャーの生誕100年になります。映画は、サリンジャー20歳くらいから、『ライ麦畑でつかまえて』が完成し出版された1951年、32歳ごろまでを描いた伝記映画です。その後、クレアという女性と二度目の結婚をし、一男一女をもうけ、50歳くらいで離婚するところまでがおまけ程度につ...

ライ麦畑で出会ったら

2018.11.01

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内なるサリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』を見つめる映画かな?1969年という時代背景もあるかもしれませんが、アメリカン・ニューシネマの香りがする青春映画です。タイトルにもある通り、青春のバイブルとも呼ばれる J・D・サリンジャー作『ライ麦畑でつかまえて』によって救われる16歳の少年ジェイミーの物語です。サリンジャーも登場します。とても見やすく作られています。...

ルームロンダリング

2018.07.10

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シリーズ化必至か? 連載漫画的な今どきの物語。ルームロンダリング。そもそもそんな言葉はないのに、何となくその意味を知っているような気がしてきます。そんな仕事が存在するとは思えないのに、何となくあるかもしれないと思えてきます。公式サイト / 監督:片桐健滋「企画」としては成功でしょう。と、あえて括弧付きにしたのは、この映画が、「TSUTAYA CRE...

レディ・バード

2018.06.20

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才能を感じますね、「フランシス・ハ」のグレタ・ガーウィグに。つくり手に才能を感じる映画ですね。当然ながら、映画が監督ひとりの力でできているわけではありませんのでつくり手と書きましたが、多くはグレタ・ガーウィグ監督のセンスでしょう。公式サイト / 監督:グレタ・ガーウィグ「フランシス・ハ」では、主役とともに脚本にも加わっており、もともとディレクション意識...

ラジオ・コバニ

2018.05.15

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戦争に勝者などいません。どちらも敗者です。シリア内戦は、ウィキペディアによりますとすでに7年、未だ収束の道筋もみえない状態(のよう)です。日々の報道でしか知る由もないので、本当のところ何が起きているかを理解することは大変難しく、どんな報道、どんな発言、どんな映像であれ、ある種フィルターがかかっていないものはないわけで、とにかくできるだけ多くの情報に接するしかないと...

ラブレス

2018.04.12

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愛なく殺伐たる風景にみえるけれど、あるいは特異なことでもないかも…アンドレイ・ズビャギンツェフ監督、日本語的には記憶しづらい名前の監督ですが、「父、帰る」以来ずっと見ている監督です。前作「裁かれるは善人のみ」では割とごちゃごちゃいろんな事が起きていましたが、この映画はシンプルそのもの、ある夫婦の「LOVELESS」な、まったく「愛のない」物語です。ロシア語タイ...

リバーズ・エッジ

2018.02.23

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(原作知らずの斜め読みネタバレ解説)40代のノスタルジー岡崎京子さんについてもこの映画の原作についても何も知らない者のレビューです。今、公式サイトとウィキペディアを読んだ程度です。それにしても最近の日本映画は、漫画が原作とかアニメの実写とかが多くなっている印象です。元となるものが、形は違っても、すでにひとつのビジュアル様式として一定の評価を得ているわけですから、...

ローズの秘密の頁

2018.02.10

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アイルランドの時代背景が見えづらく、結局ルーニー・マーラっていいねとしか…やっぱり、ルーニー・マーラさん、いいですね。「キャロル」ですっかりその魅力にやられてしまったのですが、寡黙さが似合いますし、眼差しはやさしいけれど意志の強さを持った目ぢからがあります。この映画でもそうですが、秘めたパワーみたいなものがすごく出ていました。ただ、余計なことですが、素の写真か...

ロング,ロングバケーション

2018.02.02

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ラストは、老いてくればおそらく多くの人が望むであろう結末というべきか…イタリアのパオロ・ヴィルズィ監督がアメリカで撮ったロードムービーです。そういえば、前作の「歓びのトスカーナ」もロードムービー的な映画でした。で、この監督の映画は前々作と2本見ていますが、今、「人間の値打ち」を読み返してみましたら、無茶苦茶書いています(ペコリ)。「歓びのトスカーナ」も、主演のヴ...

ルージュの手紙

2017.12.28

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人生、「生」があれば「死」がありますチケットを購入する時、ルージュの伝言って言いそうになりました(笑)。そのあたりを狙ったのかも知れませんが、このタイトル付け、よくないですね。確かにラストに「ルージュの手紙」は出てきますが、それは映画の核心をついているものじゃないでしょう。と、私は思いますがどうなんでしょう。それにしてもカトリーヌ・ドヌーブさん、美しくも堂々...

ロスト・イン・パリ

2017.09.25

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吹き出すこと必至!邦題は「ラストタンゴ・イン・パリ」のもじりか?男女がバスケットコートのようなところで寝っ転がってぐるぐる回るシーンを記憶していいますので前作(前々作?)の「ルンバ!」を見たと思っていたのですが、内容をほとんど思い出せませんのでおそらく予告編の記憶が残っているのでしょう。フィオナ・ゴードン&ドミニク・アベル監督、道化師でもあるとのことです。もちろ...

ローサは密告された

2017.08.23

ら行,

フィリピン スラムのリアリティは異次元の映画だが、その先は…つい最近、フィリピン マニラのスラムを舞台にした「ブランカとギター弾き」を見たばかりですが、スラムのリアリティという点では、この「ローサは密告された」は異次元です。多分ドキュメンタリーを意識しているのでしょう。カメラがかなり動き回ります。それを意識して撮られています。ブリランテ・メンドーサ監督、知りま...

ラビング 愛という名前のふたり

2017.03.11

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ジョエル・エドガートンのストイックさにしびれる「ラヴィング対ヴァージニア州裁判」という史実の映画化です。アメリカには(1967年時点で)異人種間結婚を禁じる法律というものがあり、それに反して結婚したヴァージニア州の黒人女性ミルドレッド・ラヴィングさんと白人男性リチャード・ラヴィングさんが起こした裁判とのことです。このことは初めて知ったことですが、あらためて考え...

ラサへの歩き方 祈りの2400km/チャン・ヤン監督

2016.08.22

おすすめ映画, ら行,

ただひたすら無心で五体投地、地にひれ伏し他者のために祈る人々が美しいです。五体投地五体、すなわち全身を地に投げ伏して礼拝する、仏教における最も丁寧な礼拝方法だそうです。日本仏教では馴染みがない礼拝方法ですが、僧侶が膝をつき、額を床につけて両手を頭の上まで上げる姿を目にすることがありますが、あれも五体投地の変形のようです。で、この映画、その五体投地の礼拝をしな...

ラスト・タンゴ/ヘルマン・クラル監督

2016.07.18

ら行,

80歳代の伝説のダンスペア50年のお話、愛は消えても憎しみは消えず、なのかなあ…フィンランドのアキ・カウリスマキ監督が、タンゴはフィンランド発祥だと語る「白夜のタンゴ」という映画がありましたが、それくらいタンゴは世界中で親しまれているということなのでしょう。フィニッシュ・タンゴ(フィンランドのタンゴ)というようです。確かに「Finnish Tango」でググり...

恋恋風塵/ホウ・シャオシェン監督

2016.06.22

ら行,

それにしても、なぜアフン(ホン)は郵便屋さんと結婚しちゃたんでしょう?「恋恋風塵」、DVDでしか見ていませんので、デジタル・リマスター版でのリバイバル上映ということで見に行きました。デジタル・リマスター版というものが、具体的に何を指すのかよく分かりませんが、字幕はDVDと同じですね。新しいバージョンというわけではないようです。DVDを見た時に、ネットで流れてい...

リザとキツネと恋する死者たち/ウッイ・メーサーロシュ・カーロイ監督

2016.04.15

ら行,

ワンシーンごとには監督の才能を感じますが、長編としては単調で起伏が足らず、トミー谷は丸?名古屋には二番館(今はこういう言い方はしないかも?)が二館あります。キノシタホールと三越映画劇場です。そのひとつキノシタホールへ初めて行きました。きれいなホールです。映画は「リザとキツネと恋する死者たち」、映画案内サイトを見ていて、ふっと目が止まり、何やら面白そうだと感じ、...

リリーのすべて/トム・フーパー監督

2016.03.20

ら行,

映画はオーソドックス過ぎてつまらないのですが、実在のリリー・エルベさんを知っただけでも価値ありです!リリーの妻ゲルダを演じたアリシア・ヴィキャンデルさんが今年のアカデミー助演女優賞を受賞しています。「英国王のスピーチ」を見て*1、「レ・ミゼラブル」なんてスペクタルものよりもオーソドックスなつくりの映画のほうが向いていると書いたトム・フーパー監督ですが、今考えて...