ドキュメンタリーとしての問題提起も含めオススメです2016年のサンダンス映画祭のワールドシネマ ドキュメンタリー部門でグランプリを受賞しているドキュメンタリーです。アフガニスタンからイランに逃れた女性(女の子)ソニータを追っています。映画は15,6歳から18歳くらいまでを撮っていますが、ソニータ自身は11歳くらいからイランに渡ったと語っていました。監督のロクサ...
かなりシュールなフランス映画、イザベル・ユペールの娘ロリータ・シャマ主演エリーズ・ジラール監督って誰だっけとググっていましたら、「ベルヴィル・トーキョー」というなんとなく記憶のある映画が前作とのことで、記憶を辿ってみましたら「フレンチ・フィーメイル・ニューウェーブ」という企画で上映されていた映画でした。ただ、残念ながら、他の2作「グッバイ・ファーストラブ」と「ス...
きれいごと過ぎない? 彩乃(佐々木心音)がいいです。ほとんど何も知らずに、瀬々敬久監督の名前で見に行ったところ、異常におじさん比率が高く、といっても自分もそのうちのひとりに数えられそうですが、それはともかく、一体何だったんでしょう?もしや「紗倉まな」さんファン? と、今、公式サイトを見ながら思ったわけです。それが確かかどうかはわかりませんが、紗倉まなさんという...
とてもバランスの良い楽しめる映画、女性観も今に通じる映画を見る楽しみって、ジャンルもいろいろありますし、人それぞれですが、こういう映画は多くの人から好まれるんじゃないでしょうか。まず、構成がしっかりしていますし、人物配置もバランスがよく、ほどほどの感動、涙、笑いがあり、とにかく楽しめます。原作ありとなっていますね。リサ・エヴァンス著『Their Finest ...
老いたエレ・マリャの表情とシワに数十年の思いを感じるラップランドは、映画の舞台になったりしますし、割と耳にする言葉、地域なんですが、サーミ人というもともと遊牧を主とする先住民が暮らしていた地域を指す言葉なんですね。ただ、『ラップランドという呼称が本来、"辺境"の地を指す蔑称』でもあるので注意が必要とのことです。で、1930年代にスウェーデンが行っていたサーミ人の...
観念が先走っては映画にならない観念的に作り上げられた映画ですね。テーマがあって、それをどう表現するかと書き上げられた脚本、映画ということです。一概に悪いというわけではないでしょうが、難しいでしょう。特にこういう犯罪ものは観念だけでは成り立たないですよ。むしろリアリティにこだわり抜いた中から何かしら人間存在自体に関わるような、それこそ真理みたいなものがみえて...
他人事とは言っていられない日本なのに「君の名は。」でいいのか?普段どこの国の映画とさほど意識しているわけではありませんが、あらためて考えてみれば、確かに香港映画を見る機会は減りましたね。ここ1年くらいを思い返しても思い当たりません。製作本数も減っているのだろうと調べてみましたら、2015年で59本というのがあります。ウォン・カーウァイ監督の時代(というのは変?...
かなり新鮮ではあるが、何が伝わってくるかといえば微妙久々に「新鮮」さを感じた映画でした。映画の舞台はインド・ムンバイですが、歌も踊りもありませんし、ベタな人情噺もありません。ああ、歌はありましたね。ただ、いわゆるボリウッド・ダンスミュージックではなく、民族楽器を伴奏にしたプロテストソングといいますか、民衆詩人のような人がメッセージ性の強い詩を朗唱するように歌っ...
著作を読んでみたくなります 「サラ、いつわりの祈り」「サラ、神に背いた少年」「J.T.リロイ」ガス・ヴァン・サント監督の「エレファント」の脚本、そしてまた「サラ、いつわりの祈り」の原作者と言われてみれば、あの頃漠然と見知っていたかもしれないと思うほどには知っているのですが、あらためて、ああ「J.T.リロイ」とはこういうことだったのねとよくわかりました。下の写真...
私は死にますと言われた周りの人間は大変だという話?最近では、邦題にいかにもベタな「しあわせ」とか「人生」とかが入っているのに、原題はまったくニュアンスが違う映画はきっといい映画に違いないと分かるようになってきました(笑)。この映画の原題は「Truman」犬の名前です。当たりと言えば当たりの、何とも微妙ではあるのですが、まず日本では撮れないだろうと思える大人の味...
アンジェイ・ワイダ監督の遺作、心に残る映画です見終わって帰る足取りが重くなりました。これ、映画としてはもちろん褒め言葉、内容的には、何というのでしょう、むちゃくちゃ重いシーンがあるとか、ドーンと心に響く(響きますが…)とかではなく、そうですね、過去の出来事だとか、他の国のことだとかと距離を取って見られない空気を今の日本に感じるからということかもしれません...
アスガー・ファルハディ監督、「別離」がピークだったかも?昨年のカンヌで男優賞と脚本賞、今年のアカデミー賞で外国語映画賞を受賞しています。「彼女が消えた浜辺」から見ていますが、どの映画も評価が高く、何かしら賞を取っているアスガー・ファルハディ監督です。私の評価は、映画の完成度でいえば「別離」、個人的趣味でいえば「彼女が消えた浜辺」なんですが、さてこの「セールスマ...
主役のソーコ Soko がいいです。で、リリー=ローズ・デップはどうでしょう?バレエやコンテンポラリー・ダンスについては多少の知識はありますが、ロイ・フラーさんという方は知りませんでした。公式サイトに「モダン・ダンスの祖」というコピーが使われており、え? イサドラ・ダンカンじゃないの? と、やや疑問を感じたんですが、映画の中にはしっかりとイサドラ・ダンカンが出て...
最後まで見切ればストンと心に落ちます。チベットが舞台の映画では、「ラサへの歩き方 祈りの2400km」が印象深く、今でもその感動がよみがえってきますが、監督は中国人のチャン・ヤン監督、「胡同のひまわり」の監督でした。この「草原の河」は、チベット人のソンタルジャ監督、日本でチベットの監督の映画が公開されるのは初めてとのことです。ただ、いまどき何人の監督などという...
前半はややかったるいが、後半に至れば傑作!昨年2016年のベルリンで銀熊審査員グランプリを受賞しています。今では「サラエヴォ」と聞きますと、「ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争」を思い浮かべますが、この映画は第一次大戦のきっかけとなった「サラエヴォ事件」が主なテーマです。ただ、直接的テーマはそうであっても、現在に至る(バルカン半島周辺の)人々の争い、民族、国家などな...
ヘイリー・スタインフェルドの映画ですね「PARKS パークス」に続いての青春映画です。といっても、タイプも傾向も全く違う青春で、こちらはもうほんとにアメリカの青春!(知らないけど)という映画です。公式サイトの受賞歴(AWARDS)をみますとアメリカじゃ大ウケだったんだろうと想像しますが、日本の同年代たちはこういう映画をどう見るんでしょう?夕方からの上映だった...
実在したフランスの道化コンビ「フティット&ショコラ」の友情、そして人種差別「ショコラ」と聞きますと、私はジュリエット・ビノシュとジョニー・デップの映画を思い出してしまいます。映画のタイトル付けもなかなか難しいものです。とは言っても「君がいて、僕がいる」はいただけません(笑)。こちらの「ショコラ」は、公式サイトによれば、20世紀初頭フランスで活躍したラファエル・パ...
他国の話ではない、日本でもやっているでしょう。ノートのカメラは切りましょう。スノーデン氏が NSA の盗聴などの諜報活動を告発したのは2013年、もう4年前になります。「シチズンフォー スノーデンの暴露」というドキュメンタリーもありました。オリバー・ストーン監督は、この映画について「私個人の考えは作品に一切入れていない。すべてスノーデンが私に語った内容です。NS...
グリーグ、ドビュッシー、アルヴォ・ペルト、グレツキを聴きながらファッション雑誌を繰るテレンス・マリック監督、この監督くらい世間(ではなく業界?)の評価と自分の感覚にずれを感じる監督はいません。初期の「地獄の逃避行」「天国の日々」は40年くらい前の作品ですのでおいておいても、映画界復帰後の「シン・レッド・ライン」「ツリー・オブ・ライフ」など、金熊賞やパルム・ドール...
3つの時代の3組の恋人たちがひとつの物語を紡ぎ出す。「争い」「迷い」そして「許し」1990年に始まり、その後10年にわたったユーゴスラビア紛争は、これまで幾度も映画になっていますし、多分これからも様々な視点からの映画が作られていくことでしょう。スロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、コソボ、マケドニア。それぞれその下に「紛争」がつくわけですが、遠く...