叛乱者たち/ホルヘ・サンヒネス監督/ボリビア・ウカマウ集団革命映画祭

映像はスペクタクルで迫力もあるのに映画が説明的で残念ボリビアと聞いてもゲバラの名が浮かんでくる程度にしか何も知らないのだとあらためて感じているのですが、「ボリビア・ウカマウ集団革命映画祭」という企画が気になり見てみました。


INSURGENTES TRAILER HD

ボリビアに「映像制作集団ウカマウ」というグループがあり、その作品を太田昌国さんが主宰する「シネマテーク・インディーズ」が日本で配給し、また何本かは共同制作もしているということのようです。

詳しくは「映像制作集団ウカマウ」へどうぞ。

で、今回六作品上映されている内の一作「叛乱者たち」という最新作を見てきました。

ドキュメンタリーの範疇に入るのでしょうか、映像とナレーションでボリビアの歴史を語っている映画でした。

現在のボリビアは、2006年に誕生した先住民のエボ・モラレス大統領による政権が三期目に入るとのことであり、その先住民大統領の誕生が三世紀におよぶ先住民抵抗の系譜に連なる結果であると映画は言っています(多分)。見ている時には時制的なことがうまく整理されませんでしたが、今調べてみると、1781年の先住民によるスペイン支配者層への叛乱「ラパス包囲戦」のようですが、そのリーダー「トゥパク・カタリ」の処刑された時の「我々は百万人になって戻ってくる!」との言葉がエボ・モラレス大統領誕生に引っかけてありました。

戦闘場面などは迫力もあり、スペクタクルとしても結構ていねいに作られており、これだけの画を撮るのであれば、何もこんな説明的な映画にしなくてもと、たとえば「セデック・パレ」のようなつくりであれば、何か違ったものが感じられたのではとは思いますし、せっかくの映像が再現映像風に見えてしまっているのは残念です。

ゲストとして太田昌国さんが来ておられて、「どういった層に向けて作られた映画ですか?」との質問に、啓蒙的な意味もあるのではないかといった趣旨の答をされていましたので、そうした目的もあるのでしょうか。あるいは、ホルヘ・サンヒネス監督が「白人エリート層の出身」とありますので、そうした立ち位置が影響しているのかも知れません。

いずれにしても、他の作品も見てみないとこれだけではよく分からないですね。今週金曜日までですので、もう一本見てみようかな…。