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放浪の画家ピロスマニ/ギオルギ・シェンゲラヤ監督

毎食ワインとパンとサラダのような、考えてみれば結構シュールな、美しき構図の映画でした。

2016/04/20

最近は、リバイバル上映やデジタルリマスター版の上映が結構多くなっていますね。あまり客の入らない映画の買い付けが難しくなっているのか、観客の二分化が進んでいるのか、何が起きているんでしょう?

この「放浪の画家ピロスマニ」も、ギオルギ・シェンゲラヤ監督1969年の作品です。

映画.comに「日本では78年に「ピロスマニ」のタイトルでロシア語吹き替え版が劇場公開された。2015年、邦題「放浪の画家ピロスマニ」として、デジタルリマスター&グルジア語オリジナル版で37年ぶりに劇場公開。」とあります。

映画『放浪の画家ピロスマニ』は、グルジア(ジョージア)の独学の天才画家ニコ・ピロスマニ(1862-1918)の半生を描いた作品である。ピロスマニは貧しい絵描きと女優の哀しい恋を歌った「百万本のバラ」のモデルとしても知られている。名匠ギオルギ・シェンゲラヤ監督は、名も知れず清冽に生きたピロスマニの魂を、憧れにも似た情熱で描くとともに、グルジアの風土や民族の心を見事に映像化した。(UPLINK)

いやー、面白かったです。

面白いというより、全編ニコ・ピロスマニさんの画のような構図と、デジタル化されているせいで強調されているのかもしれませんが、美術館で画を見ているような色合いのシーンで構成されていました。

物語は、

幼くして両親を亡くしたピロスマニは、長年世話になった一家の娘に恋文を送ったために騒ぎとなり、その家族のもとを離れることになる。
しばらく鉄道員として全国を旅した後、友人ディミトリと乳製品の店をひらいたが、ディミトリとも関係が悪化、ピロスマニは店の商品を貧しい人々に分け与えると、店を閉めた。
まもなくピロスマニのチフリスの街を転々とする日々が始まる。 (名演小劇場)

といったピロスマニさんの半生が、その物語を一切説明することなく、スチルを淡々と見るように構成されているだけなのですが、そのカット(編集)具合がなんとも言えずシュールで、またすでに書いたように構図が実に絵画的で、それだけでも十分持ちます。

説明的といえば、ワンシーンだけ、放浪を重ねた後、上のストーリーの「長年世話になった一家」に立ち寄るシーンを幼き頃のシーンに重ねてあったのが、逆に妙に印象的でした。

映画の内容からははずれますが、居酒屋のような、レストランのような場所が何ヶ所かいくども登場するのですが、必ずワインとパンとサラダのようなものが出てくるのが、何だかとても嬉しくて、というのは、最近は、私も毎食それでも充分という生活になっており(笑)、ジョージア(グルジア)へ行きたい! と言っても、この映画の時代は、20世紀初頭ですから100年ほど前の話ですので、そんなわけにもいかないなあなどと考えながらのとても楽しい映画鑑賞でした。

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