ナタリーは監督自身の反映であり、その未来への迷いかもしれない昨年2016年のベルリン金熊監督賞受賞作です。ミア・ハンセン=ラブ監督の映画は、このブログには「EDEN」しか書いていませんが、デビュー作以外はすべて見ています。エリック・ロメールの後継者などという枕詞がつくくらい評価は高い監督です。シナリオも、「EDEN」が兄であるスヴェン・ハンセン=ラヴさんの D...
大人のリアルな愛憎劇、決してベティ・ブルーではない(笑)『ベティ・ブルー 愛と激情の日々』から30年…は、宣伝文句とはいえ余計ですね(笑)。映画の製作者にそんな意識はまるでないでしょうから、日本の宣伝関係者によほど「ベティ・ブルー」を好きな人がいるのでしょう。まあ、私も好きですし、これまで見た中からお勧めを1本をと言われたら、あるいは「ベティ・ブルー」をあげる...
キャリー・マリガンが女性参政権運動の闘士を好演まず、用語の解説(というほどのことではありませんが…)から。原題の Suffragette は、Weblio では「(特に 20 世紀初頭の英国の)参政権拡張論者、(特に女性の)婦人参政権論者」とありますが、もうひとつ Suffragist という言葉があり、こちらは「婦人参政権論者」とあります。こういうことのよう...
悟った大人の映画というべきか?オタール・イオセリアーニ監督、前作の「汽車はふたたび故郷へ」を見ているのですが、あまりはっきり記憶していません。ジョージア(旧グルジア)出身の監督で、ウィキには「旧ソ連下で公開禁止であったため、1979年にフランスに移住」とあります。亡命ではなく移住なんですね。政治的迫害を受けていたということではないのでしょうか。作品も、1961...
舞台劇のほうが見たくなります。映画はちょっとばかり映画的に成りきらず。ホームレスの話も、ジェントルマンの国では随分格式張った話になってしまいます。これがアメリカなら、もっとポップかロックな映画になるでしょうし、途上国であれば、子どもたちの話になるでしょう。との印象を持ったのですが、それもそのはず、これ、イギリスの劇作家アラン・ベネットさんの体験が元になっている舞...
監督に才能は感じるが、「9歳の時に養子に」という自他ともからの固定化が邪魔をしていないだろうか?「冬の小鳥」、もう6年前ですか…。いい映画との記憶もかなりぼやけてきています。2,3年に1本は撮ってほしい監督ですね。この映画においても、映画的な物語の運び方や俳優の使い方に才能は感じますが、果たして再びこのテーマというのはどうなんでしょう…。『冬の小鳥』で...
この映画を見ると、実は、ドキュメンタリーもドラマも、全く違いはないのだということがよく分かる告発型の映画は好みではありませんので、マイケル・ムーア監督の映画も見たことはありません。ただ、マイケル・ムーア監督=告発と考えてしまうのは過去の宣伝からの印象ですので、そうであるかどうかは見てみなければ分かりません。それにしても、最近、海外から入ってくる映画が少なくなっ...
魔法少女ユキコは、男たちの欲望を一身に受け止め、ソウルジェムは濁りきり、やがてメンヘラ魔女と化すこれだけ作り手の才能が感じられる映画はめずらしいです。もちろん、その中心はカルロス・ベルムト監督でしょう。物語は、父が娘を思うヒューマンストーリーであり、何が起きるかわからないミステリーであり、また、そのテイストは、サスペンスであり、ブラックなコメディであり、ダークな...
成海璃子さんが良かったのですが、映画は時代背景などあまり関係のないメロドラマでした。予告編で見た、70年頃の時代背景、ファッションや街やそもそもの人物感覚に微妙なズレを感じて、それでも見てみようかなと迷いに迷って(それほどでもない(笑))、結局見てきました。映画はともかく、成海璃子さんが良かったです。名前は知っていましたが、こんな大人の女性だったとは知りませんで...
もう少し音楽の強さを出してほしいとは思いますが、バランスの良いアイドル(?)映画です。「渋谷すばる」が誰かも知らず、山下敦弘監督と二階堂ふみさんの名前で見た映画(DVD視聴)です。「関ジャニ∞」のメンバーなんですね。と書いていても、「カンジャニ」と読むのか、「セキジャニ」(関サバの連想で)と読むのか、毎度迷ってしまうというアイドル(でいいのかな?)音痴ではあり...
期待するも、爆走シーンやアクションもさほどではなく、CG多用(じゃないらしい)の印象。アカデミー賞関連の記事などで、妙に「マッドマックス 怒りのデス・ロード」が騒がれており、そんなにいいのかなとDVD(BD)で見てみました。なるほど(笑)。すでに四作目ですし、こうしたシリーズ物にしては珍しく、すべて監督が同じなんですね。ジョージ・ミラー監督の出世作とのことです...
面白いです。もっともっと世界中の建築物でやってほしい企画です。WOWOWが参加している「国際共同プロジェクト」製作とのことです。6人の監督がそれぞれ自ら選んだ(ようです)建築をそれぞれの視点で映像化しています。「べルリン・フィルハーモニー」監督:ヴィム・ヴェンダース「ロシア国立図書館」監督:ミハエル・グラウガー「ハルデン刑務所」監督:マイケル・マドセン...
これぞ(懐かしき)フランス映画!という感じがします。ちょっと笑える切なさと挑戦的試みと。これは素直に面白いです!主演のヴァンサン・マケーニュさんは、ギヨーム・ブラック監督の「女っ気なし」「遭難者」「やさしい人」、それにミア・ハンセン=ラヴ監督の「EDEN エデン」にも出ていましが、IMDbを見てみましたら、2013年辺りからすごい出演数ですね。「女っ気なし」で俳...
多分、グザヴィエ・ドラン監督の映画は、生きている限り見続けることになるでしょう。大層か…(笑)。Mommy/マミー [Blu-ray]発売日: 2015/12/02メディア: Blu-ray1:1くらいに横幅がカットされたスクリーンサイズが気になりますね。カットマスクで切ってくれよ、って少しばかりイラついて見ていましたが、中盤を過ぎたあたりで、ああそういうわけ...
テーマが一本調子すぎるかな…いい映画だと思って見ればいい映画ですが、DVDでは集中力持続できずというところです。まほろ駅前多田便利軒発売日: 2015/04/14メディア: Amazon インスタント・ビデオこの商品を含むブログを見るそれに、登場人物の抱える問題が一貫して親子関係というのも、これは原作がそうなのか、大森監督の問題意識なのか、さすがにもういいですと言...
どうしちまった、クローネンバーグ? らしくないところが不思議な映画です。マップ・トゥ・ザ・スターズ(字幕版)発売日: 2015/05/07メディア: Amazon インスタント・ビデオこの商品を含むブログを見るこの映画、監督もそうですが、制作側として考えていたような作品に仕上がったのでしょうか? 私には完全なる失敗作にみえるのですが…。映画『マップ・トゥ・ザ・スタ...
いつから一人なの?とマルタが尋ねると、クラウディアは、長い間の後、二歳から…と答えます[aal B01D3TTAUA]前半はとりとめのない感じでややつらいのですが、先へ進めば進むほど良い映画と思えてきます。この作品がデビュー作となるメキシコ、クラウディア・サント=リュス監督です。https://www.youtube.com/watch...
壁に絵画を並べた前に人物、あるいは絵画的な背景の前に人物、この構図が好きなんですね「わたしはロランス」グザヴィエ・ドラン監督のデビュー作です。映画『マイ・マザー』予告編そして、この「マイ・マザー」、これを19歳で撮ったんですか! それに主演です...
これまでの山下監督の作品とどこか違うと感じていたのですが、撮影が芦澤明子さんだから?山下監督は、「苦役列車」で前田敦子に何か感じたんでしょうね。前田敦子フィーチャーのオリジナル脚本(向井康介)ということのようです。前田敦子主演『もらとりあむタマ子』予告編という私も、上のリンク先では何も書きませんでしたが、「苦役列車」を見て、素直に「前田敦子」っていいじゃ...
かなり断片的な描かれ方ですが、音楽の力なのか、見(聞き)入ってしましました不思議な映画ですね。まるであらすじを読んでいるような断片的な描かれ方しかされていないのですが、印象は悪くなく、見入ってしまいます。[aal B07T7FR6NP]多分、音楽の力でしょう。ですから、正確には聞き入ってしまうの方が正しそうです。ほとんどがオペ...