家族関係が過剰すぎてよく見えない家族の物語かな? 今年2018年のカンヌ、パルムドール受賞作です。1997年の「うなぎ」以来の21年ぶりだそうです。公開一週間で「興行収入は約12億円、14日時点の観客動員は約100万人を記録」(映画.com)ということらしく、このまま伸びていくかどうかはわかりませんが、受賞による宣伝効果というのはすごいですね。公式サイト /...
ギャンブル映画にみせたフロイト心理学的父娘関係の映画か? 映画のつくられ方って、もちろんドラマやドキュメンタリーといった違いもありますので様々だとは思いますが、(広い意味での)シナリオがあって撮影をして編集をして完成という基本をはずしたものはないでしょう。中には全てひとりでやってしまう人もいるようですが、シナリオの良し悪しは映画の出来に大きく影響するものだと思います...
マルクス生誕200年の2018年はボーダレスによる細分化で階級なき社会 タイトルを見て、マルクスとエンゲルスを映画化?! って、なんとなく不思議な感じがしたのですが、今年2018年がマルクス生誕200年ということからの映画化だったんですね。漠然と19世紀の人との意識はあったのですが、正確には1818年5月5日生まれとのことです。この映画のクライマックスともなってい...
台湾発ミステリー・サスペンス、ストーリーは面白いが… 台湾のサスペンス・スリラーです。監督のチェン・ウェイハオさんによれば、「台湾映画の主流は、感動的な人間模様や、若者の姿を描いた作品です。それらに比べるとスリラー映画や犯罪映画は数が多くありません。」とのこと、確かに台湾映画と聞きますと、すぐに「海角七号 - 君想う、国境の南 -」など青春ものを思い出しますし、犯...
は、読まずに見たほうがいいとは思いますが… これ、作りもテーマも無茶苦茶ハリウッド臭いんですけど、そうじゃなく、ヨーロッパ・コープの製作なんですね。と言いながら、私、最近は何か語れるほどハリウッド映画を見ていません(笑)。それに、今ではハリウッド臭いといえる特徴的なものもなくなっているのかもしれません。監督は「恋に落ちたシェークスピア」「プルーフ・オブ・マイ・ラ...
イタリア的叙情感あふれる劇画的ヒーローもの イタリアでは日本のアニメが結構テレビ放映されているという話を聞いたことがありますが、この映画は、子どもの頃から日本のアニメのファンだったガブリエーレ・マイネッティ監督が、永井豪原作「鋼鉄ジーグ」をモチーフ(でいいのかな?)に撮ったダークヒーローものということです。アニメについてはタイトルを耳にしたことがあるとかないとかく...
ムーンライトよりは作品賞に値するのではと思いますが、それでも物足りない… 「マンチェスター・バイ・ザ・シー」って、「海辺のマンチェスター」といった意味合いのラブストーリーか失恋ものかと思っていましたら、なんと(アメリカの)町の名でした。ボストンから北東に車で1時間15分(映画で言っていた)の海沿いの町、もともとは漁村だったようですが、今は避暑地のようでもあります...
すべての意味で踏み込みが足りなく中途半端 言うまでもなく、 今年2017年のアカデミー賞作品賞受賞作です。公式サイトによりますと、戯曲「In Moonlight Black Boys Look Blue(月の光の下で、美しいブルーに輝く)」が原案となっているらしく、タイトルはそこから取られているんですね。また、製作はブラッド・ピットのプランBエンターテインメント...
ナタリーは監督自身の反映であり、その未来への迷いかもしれない 昨年2016年のベルリン金熊監督賞受賞作です。ミア・ハンセン=ラブ監督の映画は、このブログには「EDEN」しか書いていませんが、デビュー作以外はすべて見ています。エリック・ロメールの後継者などという枕詞がつくくらい評価は高い監督です。シナリオも、「EDEN」が兄であるスヴェン・ハンセン=ラヴさんの D...
大人のリアルな愛憎劇、決してベティ・ブルーではない(笑) 『ベティ・ブルー 愛と激情の日々』から30年…は、宣伝文句とはいえ余計ですね(笑)。映画の製作者にそんな意識はまるでないでしょうから、日本の宣伝関係者によほど「ベティ・ブルー」を好きな人がいるのでしょう。まあ、私も好きですし、これまで見た中からお勧めを1本をと言われたら、あるいは「ベティ・ブルー」をあげる...
キャリー・マリガンが女性参政権運動の闘士を好演 まず、用語の解説(というほどのことではありませんが…)から。原題の Suffragette は、Weblio では「(特に 20 世紀初頭の英国の)参政権拡張論者、(特に女性の)婦人参政権論者」とありますが、もうひとつ Suffragist という言葉があり、こちらは「婦人参政権論者」とあります。こういうことのよう...
悟った大人の映画というべきか? オタール・イオセリアーニ監督、前作の「汽車はふたたび故郷へ」を見ているのですが、あまりはっきり記憶していません。ジョージア(旧グルジア)出身の監督で、ウィキには「旧ソ連下で公開禁止であったため、1979年にフランスに移住」とあります。亡命ではなく移住なんですね。政治的迫害を受けていたということではないのでしょうか。作品も、1961...
舞台劇のほうが見たくなります。映画はちょっとばかり映画的に成りきらず。 ホームレスの話も、ジェントルマンの国では随分格式張った話になってしまいます。これがアメリカなら、もっとポップかロックな映画になるでしょうし、途上国であれば、子どもたちの話になるでしょう。との印象を持ったのですが、それもそのはず、これ、イギリスの劇作家アラン・ベネットさんの体験が元になっている舞...
監督に才能は感じるが、「9歳の時に養子に」という自他ともからの固定化が邪魔をしていないだろうか? 「冬の小鳥」、もう6年前ですか…。いい映画との記憶もかなりぼやけてきています。2,3年に1本は撮ってほしい監督ですね。この映画においても、映画的な物語の運び方や俳優の使い方に才能は感じますが、果たして再びこのテーマというのはどうなんでしょう…。『冬の小鳥』で...
この映画を見ると、実は、ドキュメンタリーもドラマも、全く違いはないのだということがよく分かる 告発型の映画は好みではありませんので、マイケル・ムーア監督の映画も見たことはありません。ただ、マイケル・ムーア監督=告発と考えてしまうのは過去の宣伝からの印象ですので、そうであるかどうかは見てみなければ分かりません。それにしても、最近、海外から入ってくる映画が少なくなっ...
魔法少女ユキコは、男たちの欲望を一身に受け止め、ソウルジェムは濁りきり、やがてメンヘラ魔女と化す これだけ作り手の才能が感じられる映画はめずらしいです。もちろん、その中心はカルロス・ベルムト監督でしょう。物語は、父が娘を思うヒューマンストーリーであり、何が起きるかわからないミステリーであり、また、そのテイストは、サスペンスであり、ブラックなコメディであり、ダークな...
成海璃子さんが良かったのですが、映画は時代背景などあまり関係のないメロドラマでした。 予告編で見た、70年頃の時代背景、ファッションや街やそもそもの人物感覚に微妙なズレを感じて、それでも見てみようかなと迷いに迷って(それほどでもない(笑))、結局見てきました。映画はともかく、成海璃子さんが良かったです。名前は知っていましたが、こんな大人の女性だったとは知りませんで...
もう少し音楽の強さを出してほしいとは思いますが、バランスの良いアイドル(?)映画です。 「渋谷すばる」が誰かも知らず、山下敦弘監督と二階堂ふみさんの名前で見た映画(DVD視聴)です。「関ジャニ∞」のメンバーなんですね。と書いていても、「カンジャニ」と読むのか、「セキジャニ」(関サバの連想で)と読むのか、毎度迷ってしまうというアイドル(でいいのかな?)音痴ではあり...
期待するも、爆走シーンやアクションもさほどではなく、CG多用(じゃないらしい)の印象。 アカデミー賞関連の記事などで、妙に「マッドマックス 怒りのデス・ロード」が騒がれており、そんなにいいのかなとDVD(BD)で見てみました。なるほど(笑)。すでに四作目ですし、こうしたシリーズ物にしては珍しく、すべて監督が同じなんですね。ジョージ・ミラー監督の出世作とのことです...
面白いです。もっともっと世界中の建築物でやってほしい企画です。 WOWOWが参加している「国際共同プロジェクト」製作とのことです。6人の監督がそれぞれ自ら選んだ(ようです)建築をそれぞれの視点で映像化しています。「べルリン・フィルハーモニー」監督:ヴィム・ヴェンダース「ロシア国立図書館」監督:ミハエル・グラウガー「ハルデン刑務所」監督:マイケル・マドセン...