ら行

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レ・ミゼラブル

2020.02.29

ら行, , 褒めてる映画

見なくてはわからないリアリティとダイナミズム革命のダイナミズムとはこういうものかも知れない。というのが、この映画を見てまず最初に思ったことです。戦争は突発的にでも起きますし、ある一人の意志で起こすこともできますが、革命はそういうわけにはいきません。ある集団、階層、階級に共通した「怒り」がベースになければ革命は起きません。最初から最後まで「怒り」が渦巻いた映画...

ロニートとエスティ 彼女たちの選択

2020.02.08

ら行,

苦しみながら選択することこそが人間に与えられた自由だということ「ナチュラルウーマン」「グロリアの青春」のセバスティアン・レリオ監督です。新作? と思いましたら、製作年は「ナチュラルウーマン」と同じ2017年になっています。公式サイトによりますと、主演のレイチェル・ワイズさんの企画から立ち上がった映画で、レリオ監督はオファーをうけたということのようです。だからとい...

ロマンスドール

2020.02.06

ら行,

第一級のジョークか、はたまた脳内男性の成せる業かタナダユキ監督だからだと思いますが女性客が多い印象でした。女性はこういう映画を見て共感するんでしょうか?いや、この問題の立て方自体が間違っていますね。そもそもこの映画、男目線の映画ですので、園子に共感することはないにしても、男ってこんな馬鹿なのと呆れかえることはあるやもしれません。ロマンスドール / 監督:...

ラストレター

2020.01.18

ら行,

岩井俊二監督らしい叙情的感傷映画…でいいのか?構成力はさすがです。見る前にどんな話かと公式サイトのあらすじを読んでみましたら、読み方もよくわからない役名が並び、過去と現在を同じ俳優の二役で配役したりとなんだかややこしい話だなあと思ったのですが、実際に見てみれば、現在と過去の行き来も自然ですし、二役にもまったく違和感がありません。それと俳優、特に松たか子さんでも...

ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋

2020.01.03

ら行,

下ネタ好きにはオススメ、シャーリーズ・セロンファンにもオススメ下ネタも臆することなくやれば下品さも薄まるかどうかという映画です(笑)。正直薄まっちゃいませんが、まあ、シャーリーズ・セロンだから許しましょ、というところでしょうか。ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋 / 監督:ジョナサン・レヴィンアメリカ合衆国国務長官シャーロット・フィールド(シ...

ライフ・イットセルフ 未来に続く物語

2019.11.28

ら行,

感動するか、あまりの作り込みに引くか、あなたはどちら?こういう映画は苦手だなあ…(笑)。なにがって、全編、ストーリーを説明されているような映画ですし、それに、なんだか壇上から教訓話を聞かされているような窮屈さを感じません?ライフ・イットセルフ 未来に続く物語 / 監督:ダン・フォーゲルマンそれもそのはずでした。この映画、二世代にわたる二つのルー...

ラフィキ ふたりの夢

2019.11.18

ら行,

ケニア、自由にあるがままに生きたいと願う少女たちケニア映画です。アフリカを「舞台」にした映画ではないアフリカ映画って見たことがあるのだろうかと思い返してみても記憶がありません。この映画の製作は南アフリカの Big World Cinema というプロダクションで、アフリカ映画がたくさんラインナップされており面白そうなものがあります。監督のワヌリ・カヒウさんは1...

楽園

2019.10.19

ら行,

事件は描いても人を描かず。吉田修一「犯罪小説集」を映画化吉田修一さんの小説が映画化されたものはほとんど見ていますが、なかなか小説を越えるものが出ないです。吉田修一さんはどちらかといいますとストーリーテラーですので、物語を追っていくだけの映画では、ただ映像化しただけで終わってしまうからではないかと思います。この「楽園」の原作は『犯罪小説集』という5編の短編を収録し...

ラスト・ムービースター

2019.09.27

ら行,

バート・レイノルズファン御用達、男の癒やし映画バート・レイノルズさん、もちろん名前は知っていますし、顔を見れば、ああこの俳優さんかとわかりますが、おそらく映画は見たとしてもすべてDVDだと思いますのであまり記憶はありません。昨年2018年9月6日に82歳で亡くなられているんですね。この映画は、ちょうど1年後の今年9月6日を劇場公開日にしているようです。...

レディ・マエストロ

2019.09.26

ら行,

女性指揮者アントニア・ブリコの半生を描く原題の「De dirigen」はオランダ語で「指揮者」とのこと、英語タイトルもそのまま「The Conductor」、なのに邦題は「レディ・マエストロ」、逆説的に言えば、この邦題が最もこの映画のテーマを表現しているということになります。レディ・マエストロ / 監督:マリア・ペーテルスエンドロールに、2017年...

ロケットマン

2019.08.24

ら行,

エルトン・ジョンがミュージカルになる! が、ドラマは凡庸。音楽ものはやっぱりドルビー・アトモスで見たほうがいいですね。特にこの映画は音楽以外に見るべきところがありませんので(ペコリ)。これ、批判というわけではありません。音楽が良くってそれで映画が持てば、それはそれでいいのだと思います。ロケットマン / 監督:デクスター・フレッチャーエルトン・ジョン...

嵐電

2019.06.14

ら行,

過去と現在、現実と幻、見えるものと見えないものが出会う場所。嵐山と四条大宮を結ぶ京福電気鉄道嵐山本線のことを「嵐電(らんでん)」と呼ぶそうです。路面電車ですね。その嵐電を舞台にした三組のラブストーリーを描いた映画です。 嵐電 / 監督:鈴木卓爾監督は鈴木卓爾さん、「楽隊のうさぎ」で知った監督です。今読み返してみましたら、「この映画には、すぐれたドラマ...

リヴァプール、最後の恋

2019.04.05

ら行,

男女逆にイメージしてこの映画の印象と比べてみれば何かが見えるグロリア・グレアムさん、アカデミー助演女優賞を受賞したのが1952年、29歳の時の「悪人と美女」、亡くなられたのが1981年ですから57歳です。そのグロリアさんの亡くなられる直前の物語です。リヴァプール、最後の恋 / 監督:ポール・マクギガン原作があり、著者がピーター・ターナーさんとなってい...

レット・ザ・サンシャイン・イン

2019.02.20

ら行,

中年の恋愛を不倫系悲恋ではなく描けるのはフランスだけ「カイエ・ドゥ・シネマが選ぶフランス映画の現在(名古屋シネマテーク)」という企画上映の一本で、ジュリエット・ビノシュさんが主演の映画です。レット・ザ・サンシャイン・イン / 監督:クレール・ドゥニ「レット・ザ・サンシャイン・イン」と言えば「ヘアー」の「Aquarious〜Let The Sunshin...

ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー

2019.01.20

ら行,

今年2019年がサリンジャー生誕100年、よく出来た伝記映画です今年2019年がJ.D.サリンジャーの生誕100年になります。映画は、サリンジャー20歳くらいから、『ライ麦畑でつかまえて』が完成し出版された1951年、32歳ごろまでを描いた伝記映画です。その後、クレアという女性と二度目の結婚をし、一男一女をもうけ、50歳くらいで離婚するところまでがおまけ程度につ...

ライ麦畑で出会ったら

2018.11.01

ら行,

内なるサリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』を見つめる映画かな?1969年という時代背景もあるかもしれませんが、アメリカン・ニューシネマの香りがする青春映画です。タイトルにもある通り、青春のバイブルとも呼ばれる J・D・サリンジャー作『ライ麦畑でつかまえて』によって救われる16歳の少年ジェイミーの物語です。サリンジャーも登場します。とても見やすく作られています。...

ルームロンダリング

2018.07.10

ら行,

シリーズ化必至か? 連載漫画的な今どきの物語。ルームロンダリング。そもそもそんな言葉はないのに、何となくその意味を知っているような気がしてきます。そんな仕事が存在するとは思えないのに、何となくあるかもしれないと思えてきます。公式サイト / 監督:片桐健滋「企画」としては成功でしょう。と、あえて括弧付きにしたのは、この映画が、「TSUTAYA CRE...

レディ・バード

2018.06.20

ら行,

才能を感じますね、「フランシス・ハ」のグレタ・ガーウィグに。つくり手に才能を感じる映画ですね。当然ながら、映画が監督ひとりの力でできているわけではありませんのでつくり手と書きましたが、多くはグレタ・ガーウィグ監督のセンスでしょう。公式サイト / 監督:グレタ・ガーウィグ「フランシス・ハ」では、主役とともに脚本にも加わっており、もともとディレクション意識...

ラジオ・コバニ

2018.05.15

ら行,

戦争に勝者などいません。どちらも敗者です。シリア内戦は、ウィキペディアによりますとすでに7年、未だ収束の道筋もみえない状態(のよう)です。日々の報道でしか知る由もないので、本当のところ何が起きているかを理解することは大変難しく、どんな報道、どんな発言、どんな映像であれ、ある種フィルターがかかっていないものはないわけで、とにかくできるだけ多くの情報に接するしかないと...

ラブレス

2018.04.12

ら行,

愛なく殺伐たる風景にみえるけれど、あるいは特異なことでもないかも…アンドレイ・ズビャギンツェフ監督、日本語的には記憶しづらい名前の監督ですが、「父、帰る」以来ずっと見ている監督です。前作「裁かれるは善人のみ」では割とごちゃごちゃいろんな事が起きていましたが、この映画はシンプルそのもの、ある夫婦の「LOVELESS」な、まったく「愛のない」物語です。ロシア語タイ...