実話ベースと知らずに見るとちとつらい、知って見ても… 何も知らずに、愛する人の前に幽霊が現れる、いわゆるゴースト・ラブストーリーものだろうと見に行きましたら、確かにラブストーリー要素はあったのですが、オープニング、いきなり不吉な印象のシーンで、なんだこれ!? のぞわぞわ感、なんとも落ち着かない気持ちのまましばらく過ごすことになってしまいました。これは、ざっとでも情...
1991年ソ連崩壊の年、キューバは宇宙とつながっていた! キューバ映画ってだけでも興味をそそられます。キューバが舞台であったり、キューバ絡みの映画はそこそこ見ることはありますが、キューバ映画そのものってなかなか思い浮かびません。公式サイト / 監督:エルネスト・ダラナス・セラーノ監督は1961年生まれのキューバ人エルネスト・ダラナス・セラーノさんで、こ...
そもそも監督が「銃」や「西川」に興味を持っていないのでは? 原作を読んでいませんが、映画を見ての想像で言えば、人は常に今(の自分)から抜け出したいとの欲望を持つものであり、ある時、その契機となりうる何ものか(銃)に出会えば、割と簡単にその境界を越えてしまうという物語なんだろうと思います。そうだとすれば、この映画は、そのテーマは語られてはいますが、映画として描かれて...
コメディ&シリアスさが面白い!長澤まさみと長谷川博己の演技が絶妙! DVD鑑賞です。喜劇だと気づくまでは、何!この陳腐な話!と、あやうくDVD(実際はBluray)を止めてしまいそうになりましたが、桜井(長谷川博己)が登場し、宇宙人に対する彼の受け答えの奇妙な余裕を見るにつけ、ああ、こういう映画なのかと、それ以降は随分笑わせていただき、不覚にもラスト近くではほろり...
視点を SNS 側に持っていけばよかったのではないかと思うけど… タイトルにそそられて見た映画です。原作が奥田英朗さんの小説とのことですが、名前を知っている程度で読んだことはありません。「ふたりの青春、あと3日ー」こういうヒリヒリしそうな青春ものが好きなもんですから、いくらヤクザの鉄砲玉が題材とはいえ、今どきの何かあるだろうと思ったのですが、残念…。公式サ...
青春残酷物語、ビタースイートじゃないよ。 「イタリアでスマッシュヒット! 16歳の恋と友情をビタースイートに描いた青春映画」なんてコピー、間違っちゃいないですし、確かにそうなんですが、見終わってみれば、ビターどころか、かなり後味の悪い、残酷で救いのない、といっても批判ではなく、ため息しか出ないようないい映画でした。公式サイト / 監督:イバン・コトロネーオ...
スターリン死後の権力闘争をギャグるも、毒にもならず スターリンが倒れた1953年3月1日からのソビエト連邦共産党内の権力闘争の内幕がコメディタッチで描かれています。主にベリヤとフルシチョフの争いで、当初はベリヤが権力を握りますが、(映画の)最後にはフルシチョフが勝つことになります。映画の中ではまるで時間軸がわからず、数日の出来事のように作られていますが、ウィキペデ...
(DVD)アンドロイドに話題がいきますが、ブライアリー・ロングさんの映画ですよね 「海を駆ける」ではほとんどいいことを書いていませんが、深田晃司監督の映画は結構見ていますし、評価(偉そうですが)も高いです。で、その記事にも書いた通り、DVDで見たこの「さようなら」が一番印象に残っています。ただ、公開時は、「人間とアンドロイドが舞台上で共演する画期的な演劇プロジェク...
過剰さがなくシンプル、蒔田彩珠がよく行間(画間)を埋めていた 夏休みということもあるのか、なかなか見たいと思える映画がありません。ということで日本の青春もの、原作があり、押見修造さんという方のコミックだそうです。監督は、「本作で満を持しての長編商業映画デビューを果たす気鋭」と紹介されている湯浅弘章さん。若いのかと思ってウィキペディアを見てみれば、1978年生まれと...
作られた感が強い割に中途半端に感じられるドキュメンタリー ドキュメンタリーでこういう画が撮れるってのはすごいですね。被写体がカメラを意識してしないですし、被写体が自分をさらけ出しているように見えます。つまり、これをドラマと言われれば、演技にリアリティがあると評価されるということです。公式サイト / 監督:アンナ・ザメツカワルシャワ郊外の街セロツク(とのこ...
といっても大したネタはないけれど、ほんと、これはラディカル・ホン・サンスだ。 ホン・サンス監督らしい映画だとは思いますが、さすがにこれはやり過ぎではないかという(笑)、そんな感じでした。言い方を変えれば、ラディカル・ホン・サンス映画といったところでしょうか。ホン・サンス監督の映画は、もう十数年前になりますが「女は男の未来だ」を見たのが最初で、かなり新鮮な印象を受け...
朝倉あきさんの映画ですね…。浴衣姿にドキッとします。 いい映画ですね。特に何かが起きるわけでもなく、ひとりの女性の心の揺れのようなものがゆったりと流れていきます。ただ何も起きないと言っても、いわゆる事件などのドラマチックな出来事が起きないだけで、その女性、滝本初海(朝倉あき)の心の中ではいろいろなことが起きているでしょう。映画はその起きていることを、これとは...
ジョージ・クルーニー監督の真面目さはこういう映画には向かない(気がする) 脚本にジョージ・クルーニーとコーエン兄弟がクレジットされていますのでどういうことだろうと思いましたら、もともとコーエン兄弟の脚本があり(ウィキペディアでは1986年)、まあ言ってみればお蔵入りしていたものをジョージ・クルーニーが手を加えて映画化したということらしいです。率直なところ、お蔵入り...
批評的であることはいいけれど、心優しき映画ではないですね この映画をひとことで言いますと、見ながら「ハイ、ハイ」「ハイ、ハイ」とついつい口をついて出てしまう映画です(笑)。前作「フレンチアルプスで起きたこと」を見ての、私が感じるこの監督の立ち位置と、この映画の予告編を見ての予想で、見なくてもいいんじゃないと思っていたのですが、気に入りそうな映画ばかり見ていても視野...
男の過ぎ去った青春妄想映画だが、あえてお勧めする あまりのメロドラマに、涙と笑いが同時に起きてしまいビックリ!はたしてこの映画はお勧めすべき映画なのかと迷うような(?)よくできた映画でした。とりあえずは素直におすすめ映画にピックアップしておきます(笑)。 ただし、内容は女性の人格を無視した男の妄想映画ですのでご注意。監督は、半年くらい前に「ギフテッド gift...
8割方セックスシーンのコメディのような映画 マジなのか、ふざけているのか、よくわからない映画です(笑)。ほぼ全編とは言わないまでも8割方はセックスシーン、それも内容はほぼ AVネタですし、映像的にも、XXXXやXXXなんて AVでしかやっちゃいけないことでしょう(笑)。ただ、笑えるんですよ。多分、皆、この馬鹿げた映画をマジで作っているからだと思います。(注)...
大人向けのアイロニカルな舞台劇のような映画 「ローマに消えた男」しかみていませんが、 ロベルト・アンドー監督の映画はあまりマジで見ちゃいけないことを再確認しました(笑)。つくりは大層なんですが、どこかふざけたところがあり、真剣に見ていると陰でくすくす笑われているのじゃないかという感じがする映画ということです。だって、この映画、G8財務相会議の面々が、マジで自分た...
悲劇的ではない、ギリシャ神話を基にした家族愛憎物語 「聖なる鹿殺し」なんてタイトル、無茶苦茶そそりますね。ただ、英語タイトルは「The Killing of a Sacred Deer」ですから「聖なる鹿」を殺したことを意味していると思われ、ややニュアンスが違いますし、そもそも映画を見ても鹿など出てきません。それでも興行的にはうまいタイトル付けだと思います。で、...
モードとエベレット、4メートル四方の幸せ 「シェイプ・オブ・ウォーター」は作品賞や監督賞を受賞しましたが、サリー・ホーキンスさんの主演女優賞は残念でしたね。でも、レビューにも書きましたが、サリー・ホーキンスさんあっての映画ですから、当然ながら、それも含まれた評価と考えるべきでしょう。で、たまたまなんでしょうが、サリー・ホーキンスさん主演の映画がもう一本上映中でした...
偏見や差別をはねのけることができるのは、やはり「愛」 この映画、アカデミー賞の13部門でノミネートされているそうですが、主演女優賞のサリー・ホーキンスさんは是非とも受賞してほしいですね。おそらく、彼女でなければ映画そのものがこの出来にはならなかったでしょう。もうひとり目立つのが悪役をやっているマイケル・シャノンさん、残念ながらノミネートされていませんが、こちらも賞...