さ行

*一覧表示は投稿順

サラブレッド

2019.10.03

さ行,

冷血さは静かに伝搬する少なくとも完成された映画ではありませんが、それでも傑作を生み出す可能性があるのか、あるいはそもそも力不足なのか、判断に悩むコリー・フィンリー監督、その初(長編)監督作品です。サラブレッド / 監督:コリー・フィンリーコリー・フィンリー監督は、この「サラブレッド」が公開された2017年で28歳ですので、現在30歳くらいだと思いま...

聖なる泉の少女

2019.09.11

さ行,

ジョージアの神話的、かつ寓話的な美しい映画とにかく美しく、神話的で、それでいてといいますか、それだからこそですが、現代文明批判といいますか、環境破壊への批判的メッセージが感じられる映画です。ジョージアのザザ・ハルヴァシ監督の2017年の作品、その年の東京国際で上映されたようです。聖なる泉の少女 / 監督:ザザ・ハルヴァシこの映画の主演、ナーメを演じ...

世界の涯ての鼓動

2019.08.03

さ行,

ヴィム・ヴェンダース監督の最新作はラブサスペンスか?ヴィム・ヴェンダース監督、73歳、まだまだ精力的です。1,2年に1本の割合で撮っている印象です。前作の「アランフェスの麗しき日々」では言葉の洪水でついていくのが大変でしたが、この「世界の崖ての鼓動」は、しばらく前から流れていた予告編を見て、ん? ヴィム・ヴェンダース監督? と、何となくベタな恋愛ものの印象でちょ...

存在のない子供たち

2019.07.21

さ行,

「僕を産んだ罪」で両親を訴える子どもの絶望ゼインという、実名と同じ役名の12,3歳の少年を演じているゼイン・アル=ラフィーアくん、下の画像の少年ですが、彼の演技があっての映画です。俳優ではなく、シリア難民で、現在は家族とともにノルウェイで暮らしているそうです。存在のない子供たち / 監督:ナディーン・ラバキーこの映画で描かれる貧困や児童婚はあってはな...

さらば愛しきアウトロー

2019.07.15

さ行,

ロバート・レッドフォード、82歳、最後の出演作ロバート・レッドフォードさん、82歳、俳優として最後の映画になるようです。さらば愛しきアウトロー / 監督:デヴィッド・ロウリー「明日に向って撃て!」からちょうど50年、下積みの時代が10年ほどあるようですのでおよそ60年、ハリウッドの第一線で俳優として活躍し、さらに監督、製作という立場でも一定の評価を受け...

新聞記者

2019.06.28

さ行,

新聞記者というより内閣情報調査室の官僚たちという映画政治ネタを映画にするのは難しいですね。圧力があるからということではなく、リアリティを求めれば地味だと言われたり、エンターテイメントに走ればわかっていないと言われたり、まあ、映画の題材には向いていない、特に日本ではということだと思います。新聞記者 / 監督:藤井道人この映画も、これだけ現実を模して、...

さよなら、退屈なレオニー

2019.06.23

さ行, , 褒めてる映画

実はレオは”さよなら”しておらず、退屈と失望の真っ只中「グザヴィエ・ドランにつづく新鋭×東京ジェムストーン賞受賞の未来を担う女優」の宣伝コピーにつられたとしても、裏切られることも後悔することもありません。新鋭とはセバスチャン・ピロット監督、未来を担う女優とはカレル・トレンブレイさんです。さよなら、退屈なレオニー / 監督:セバスチャン・ピロットただ...

主戦場

2019.05.09

さ行,

ミキ・デザキ監督のビデオ論文のような映画こうした映画にネタバレというものがあるとは思いませんが、以下、この映画の結論について書いていますので、気になる方はご注意ください。主戦場 / 監督:ミキ・テザキこれは映画というよりもビデオ論文みたいなものです。だからダメという意味ではなく、ミキ・デザキ監督の論文を読んだ(映像作品で見た)という感覚の映画という...

ザ・プレイス 運命の交差点

2019.04.10

さ行,

預言者現るこれは舞台劇にすべき内容ですね。映画では観念的すぎて持たないです。15分もすれば先がみえて飽きてきます。ザ・プレイス 運命の交差点 / 監督:パオロ・ジェノヴェーゼパオロ・ジェノヴェーゼ監督、前作は「大人の事情」で、こちらもどちらかといいますと舞台劇向きの内容でしたが、それもまだ動きがありましたので持っていましたが、この「ザ・プレイス」は...

空の瞳とカタツムリ

2019.03.29

さ行,

いつになったら女性は脳内男性から開放されるのだろうなんとなくタイトルに惹かれ、上映劇場の紹介に「荒井晴彦が企画、荒井美早が脚本化」とありましたので見てみました。空の瞳とカタツムリ / 監督:斎藤久志公式サイトによりますと、荒井美早さんは1986年生まれですから現在33歳、映画の内容からしてへぇーと思ったのですが、さらにびっくりしたのは監督の斎藤久志さ...

サンセット

2019.03.20

さ行,

上から目線の映画はつくり手が望むほど人には伝わらない「サウルの息子」のネメス・ラースロー監督の長編2作目です。もし、この映画を見ようかやめようかと迷ってこのサイトにこられた方がいましたら、是非見てください、そしてどう感じられたか教えてくださいと答えます。そういう映画です(笑)。サンセット / 監督:ネメシュ・ラースロータイトルの「サンセット」、映画を...

女王陛下のお気に入り

2019.02.16

さ行,

女性三人の愛憎劇とみるのが妥当かな…これ、基本的な話は史実なんですね。ウィキペディアを読みますと1705年から1710年くらいの話で、日本では元禄、徳川五代将軍綱吉の時代です。アン女王がサラと幼馴染であることや、17回も妊娠し、流産、死産、早世でひとりも成人しなかったことも事実のようですし、アビゲイルもサラの従妹として実在の人物です。女王陛下のお気に入り...

洗骨

2019.02.14

さ行,

ラスト、洗骨&〇〇シーンの静かな盛り上げ方がうまいですチベットの鳥葬という埋葬方法を知ったときは、驚きはしてもその文字からおおよそ想像はできたのですが、この洗骨というのは、骨を洗うことはわかっても具体的にいつどうやって洗うのかは想像できません。洗骨 / 監督:照屋年之映画を見るとわかります。ちょっと驚きます。でも次第に厳粛な気持ちになってきます。映画...

ジュリアン

2019.01.27

さ行,

これは、DV加害者、DV被害者の心理を描こうとした映画ではない2017年ヴェネチア映画祭の銀獅子最優秀監督賞を受賞しています。グザヴィエ・ルグラン監督は現在39歳のフランス人、この映画が初の長編とのことです。ジュリアン / 監督:グザビエ・ルグランなかなかテーマや監督の立ち位置がわかりにく映画です。もちろんDVを原因とする離婚調停中の男女、そしてそ...

シシリアン・ゴースト・ストーリー

2019.01.22

さ行,

実話ベースと知らずに見るとちとつらい、知って見ても…何も知らずに、愛する人の前に幽霊が現れる、いわゆるゴースト・ラブストーリーものだろうと見に行きましたら、確かにラブストーリー要素はあったのですが、オープニング、いきなり不吉な印象のシーンで、なんだこれ!? のぞわぞわ感、なんとも落ち着かない気持ちのまましばらく過ごすことになってしまいました。これは、ざっとでも情...

セルジオ&セルゲイ 宇宙からハロー!

2018.12.04

さ行,

1991年ソ連崩壊の年、キューバは宇宙とつながっていた!キューバ映画ってだけでも興味をそそられます。キューバが舞台であったり、キューバ絡みの映画はそこそこ見ることはありますが、キューバ映画そのものってなかなか思い浮かびません。公式サイト / 監督:エルネスト・ダラナス・セラーノ監督は1961年生まれのキューバ人エルネスト・ダラナス・セラーノさんで、こ...

2018.11.21

さ行,

そもそも監督が「銃」や「西川」に興味を持っていないのでは?原作を読んでいませんが、映画を見ての想像で言えば、人は常に今(の自分)から抜け出したいとの欲望を持つものであり、ある時、その契機となりうる何ものか(銃)に出会えば、割と簡単にその境界を越えてしまうという物語なんだろうと思います。そうだとすれば、この映画は、そのテーマは語られてはいますが、映画として描かれて...

散歩する侵略者(DVD)

2018.11.12

さ行,

コメディ&シリアスさが面白い!長澤まさみと長谷川博己の演技が絶妙!DVD鑑賞です。喜劇だと気づくまでは、何!この陳腐な話!と、あやうくDVD(実際はBluray)を止めてしまいそうになりましたが、桜井(長谷川博己)が登場し、宇宙人に対する彼の受け答えの奇妙な余裕を見るにつけ、ああ、こういう映画なのかと、それ以降は随分笑わせていただき、不覚にもラスト近くではほろり...

純平、考え直せ

2018.09.24

さ行,

視点を SNS 側に持っていけばよかったのではないかと思うけど…タイトルにそそられて見た映画です。原作が奥田英朗さんの小説とのことですが、名前を知っている程度で読んだことはありません。「ふたりの青春、あと3日ー」こういうヒリヒリしそうな青春ものが好きなもんですから、いくらヤクザの鉄砲玉が題材とはいえ、今どきの何かあるだろうと思ったのですが、残念…。公式サ...

最初で最後のキス

2018.08.27

さ行, , 褒めてる映画

青春残酷物語、ビタースイートじゃないよ。「イタリアでスマッシュヒット! 16歳の恋と友情をビタースイートに描いた青春映画」なんてコピー、間違っちゃいないですし、確かにそうなんですが、見終わってみれば、ビターどころか、かなり後味の悪い、残酷で救いのない、といっても批判ではなく、ため息しか出ないようないい映画でした。公式サイト / 監督:イバン・コトロネーオ...