すれ違いのダイアリーズ/ニティワット・タラートーン監督

タイのさわやか青春映画を見て、リフレッシュしてみてはいかが?

タイのさわやか映画です。

タイ映画と聞いて、思いつくものは何でしょうね? マッハ!? ブンミおじさん?

私は、「風の前奏曲」「レター 僕を忘れないで」、他に、アクションものを何か見た記憶はありますがタイトルは思い出せません。「ブンミおじさんの森」も見ましたが、これは過去見た中で最も眠かった映画です。ですので「光りの墓」はパスになってしまいました。

個人的な思い込みですが、やっぱりタイ映画は、こういうベタではあっても、さわやかな青春映画でしょう(笑)。

スポーツしか取り柄のない青年ソーンが、ようやく見つけた仕事は、誰もが行きたがらない山奥の湖に浮かぶ水上小学校の先生。そこは電気なし・水道なし・携帯電話もつながらない場所。生徒の子供たちとも打ち解けられず、孤独なソーンは、ある日、誰かの日記を見つける。それは前任の女性教師エーンの日記だった……。(公式サイト

何と! 個人的な思い込みじゃないかもしれません。不思議なことに、私と同年代の人たちで満員でした(笑)。若い頃の思い出がよみがえったり、甘酸っぱさやほろ苦さがくすぐられるのでしょうか。

何も悪いことは起きませんし、人の心の中に深く入り込むこともなく、登場人物みな優しく真面目ですし、子どもたちは素朴ですし、ほどほどにハッピーエンドですし、たまにはこういう映画も見ないといけません。

「風の前奏曲」を見た時に、タイの映画作りのレベルの高さに驚いた記憶がありますが、この映画もうまくつくられていると思います。

ややテレビドラマ的にまとまりすぎてるきらいはありますが、生徒わずか数人の水上学校に、すれ違いで赴任した二人の教師の悩みや孤独感を、「日記」という誰もが一度は経験しただろう究極の感傷アイテムを使ってうまく描いています。

特に二人の一年違いの時間軸を違和感なく同時進行で描いているのはうまいですね。

あまりにもさわやかに進行していきますので、これ、どうやって終わらせるのだろう?と、中盤からやや不安な気持ちがもたげてきましたが、見事にバランスのとれたほどほどのエンディングでした。

時々、老後にタイへ移住する高齢者の話題が取り上げられたりしますが、たしかにこういう素朴さが現実に存在するとしたら、その気になる人がいるのもうなづけます。

そういえば、以前からよく言われますね。タイの田舎には日本の原風景があるとか。

それにしても、登場人物みな美男美女(顔がということではなくトータルに)ですね。「韓流」と言われる(ていた?)韓国映画の俳優さんっぽい雰囲気です。男性はムキムキですし、女性はスタイルもよく美しいです。

と、出演者欄を見ていましたら、エーンのチャーマーン・ブンヤサックさんは、「地球で最後のふたり」に出ていたみたいです。映画自体全く記憶にありませんので、どんな役だったのかも分かりませんが、当時は、名前がライラ・ブンヤサックさんとなっていますね。

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  • 発売日: 2006/09/22
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