聖なるイチジクの種は他の木を糧に育ちその後その木を絞め殺す… 昨年2024年のカンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞し、今年3月2日に開催されるアカデミー賞では国際長編映画賞にノミネートされています。ただし、イランからではなくドイツ代表としてです。監督はイランのモハマド・ラスロフ監督、2020年に前作(かな…)の「悪は存在せず」がベルリン国際映画祭で金熊賞を...
ピアニストはゴドーになり得たか… 七里圭監督の名前がふっと目に入りましたのでポチッとしてみました。久しぶりです。ピアニストを待ちながら / 監督:七里圭ゴドーを現代に置き換えた?…「ピアニストを待ちながら」ですから当然「ゴドーを待ちながら」が意識されているわけですが、こういうのはなんて表現するんでしょうね。映画の批...
陽気さと裏腹の切なさに心動かされる人のための映画… なんと、こんないい映画がジョージアと日本でしか上映されていない!?(IMDbによる…)蝶の渡り / 監督:ナナ・ジョルジャゼ陽気さと裏腹の切なさ…ジョージアのナナ・ジョルジャゼ監督、初めて見ました。俳優としては、ラナ・ゴゴベリゼ監督の2019年の映画「金の糸」に出...
感傷的にならないよう過剰さを避けてつくられたいい映画… マレーシアと台湾の合作となっていますが、映画の舞台はクアラルンプールですし、監督もマレーシアのジン・オング監督です。現在50歳くらい、自分の制作会社を持っており、IMDb によればプロデューサーとして3作品、そしてこの映画が初監督作品です。社会の底辺に生きる人々を描いた映画ですが、感傷的になら...
パウラ・ベーアさんを見ようといってみたものの、映画がねえ… ナチスものの映画はもういいかなと思いつつも、パウラ・ベーアさん主演ですので見てみました。監督は「ぼくは君たちを憎まないことにした」のキリアン・リートホーフ監督です。映画は、んー…です。ステラ ヒトラーにユダヤ人同胞を売った女 / 監督:キリアン・リートホーフ...
家族といっても父と兄弟、男たちだけの家族だった… 実話をベースにした音楽映画です。1979年に「Dreamin’ Wild」というアルバムを出したもののまったく売れずにいたものが30年後に発掘されて一躍脚光を浴びることになったドニー&ジョー・エマーソンというアメリカの兄弟バンドの話です。ドリーミン・ワイルド 名もなき家族のうた /...
生者と死者の上にピンクの雪が舞い積もる… 昨年2024年のヴェネツィア国際映画祭の金獅子賞受賞作です。新作を発表すればなにがしか賞をとっている印象の強いアルモドバル監督ですが、三大映画祭と言われるカンヌ、ベルリン、ヴェネツィアで初の最高賞受賞です。ザ・ルーム・ネクスト・ドア / 監督:ペドロ・アルモドバルアルモドバル監督ら...
心に本当の痛みを抱えた厄介なやつ… ジェシー・アイゼンバーグさん、2022年の「僕らの世界が交わるまで(When You Finish Saving the World)」に続く監督作2作目です。その前作のレビューには「いずれ大作を撮ることになる予感がします」なんて書いており、この「リアル・ペイン」は大作というわけではありませんが、やはり映画センスの良さが...
その思いをドキュメンタリーで撮ったほうがいいと思うけど… 語ることができない映画ですので何も書いていません。港に灯がともる / 監督:安達もじりドキュメンタリーで撮ったほうがいい…今年2025年は阪神淡路大震災から30年になります。それを機に製作された映画ということのようです。阪神淡路大震災、在日コリアンの...
パウル・ネゴエスク監督のインタビューを読めば、思ったより悪くない… ルーマニア映画です。最近は東欧の映画も劇場公開されるものが少なくなっていますので貴重です。映画.comによれば「ルーマニアのアカデミー賞にあたるGOPO賞で作品賞・監督賞・主演男優賞など6冠に輝いた」そうです。雄鶏の鳴く前に / 監督:パウル・ネゴエスク一...
原作者はソニーでプレイステーションの開発を主導した人だった… 映画.comでは「「ザ・ディープ」「エベレスト」などでアイスランドを代表する監督として知られるバルタザール・コルマウクル」監督と紹介されています。いずれの映画も見ていませんし、知らない監督ですので余計に見たくなります。それに Kōki, さんが出演していることもそう思う要因のひとつにはなります。...
トランプよりも、ロイ・コーンのキャラクターにびっくり! これから4年間、毎日のようにテレビや新聞でその名を目にすることになるドナルド・トランプ大統領、その若き頃の伝記的映画です。20代半ばから40歳くらいまでが描かれています。監督は「ボーダー 二つの世界」「聖地には蜘蛛が巣を張る」のアリ・アッバシ監督です。アプレンティス:ドナルド...
人を殺さないとドラマをつくれない?と思ってしまいますが… 「四月の雪」を見たかも知れないという程度のホ・ジノ監督、そしてソル・ギョングさんもチャン・ドンゴンさんも名前はよく目にするのに映画としての記憶がない俳優さん、という映画ですので新鮮な気持ちで見ました。満ち足りた家族 / 監督:ホ・ジノ人を殺さないとドラマにならない?...
敵は老い、などという話をシリアスに映像化しても… 筒井康隆さんの1998年の小説『敵』を吉田大八監督が映画化、昨年2024年の東京国際映画祭で東京グランプリ、最優秀監督賞、最優秀男優賞を受賞しています。男優賞の受賞は長塚京三さんです。敵 / 監督:吉田大八映像化しなくてもいい…一人暮らしの高齢の元大学教授が老いから...
韓国、アメリカ、アイデンティティのゆらぎ… これもよくタイトルを目にした映画です。公開時に見なかったのはアメリカ映画のラブストーリーはつまらないからなんですが(ゴメン…)、見てみましたら結構面白かったです。パスト ライブス/再会 / 監督:セリーヌ・ソン韓国人はノーベル賞をとれない…ただ、面白かったのはほぼ終盤のノ...
ナチスに略奪された絵が見つかった、絵は誰の手に?とのミステリーにはならず… 実話にインスパイアされた物語とありましたので少し調べてみましたらガーディアンが2006年4月22日付で記事にしていました。絵が発見された直後ですね。「Found: Schiele masterpiece that was looted by Nazis then lost ...
『エマニエル』のフェミニズム的転回だとは思うが、その前に映画的展開が… 「あのこと」、この邦題は勘弁してほしいのですが私がどうこうできるものでもないので仕方なく「あのこと」のオードレイ・ディヴァン監督が、あの「エマニエル夫人」をリメイクしたそうな。エマニュエル / 監督:オードレイ・ディヴァンファーストシーンとラストシーン...
たまにはこういう映画も悪くない… ちょうど1年くらい前の2023年12月8日に公開された映画です。タイトルをよく見かけましたし、結構長く上映されていたように思いますのでDVDを借りてみました。知らなかったんですが、監督は「光を追いかけて」の成田洋一監督でした。あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。 / 監督:成田洋一シンプ...
40年前は男のロマンティシズムでも、2025年の今からみればDV… 「バグダッド・カフェ 4Kレストア」に続いてのリバイバル上映「パリ、テキサス 4K レストア版」です。なんと! 当時見ていると思っていたのに見ていませんでした。多分「アメリカ、家族のいる風景」や「ランド・オブ・プレンティ」とごちゃごちゃになっていたんだと思います。...
I am calling you. Can't you hear me? I am callin you. 昨年2024年あたりからリバイバル上映が特に多くなっているように感じます。洋画の新作に客が入らなくなったからなのか、名作と言われる映画の 4K修復作業が進んでいるからなのか、まあその両方なんでしょう。バグダッド・カフェ / ...