死者の死後の世界は生者の記憶の中にあると Death は言う… 監督はクロアチア出身でロンドンを拠点に活動しているダイナ・O・プスィッチ(ダイナ・オニウナス=プシッチ)さん、この「終わりの鳥(Tuesday)」が長編デビュー作です。1985年生まれですので40歳くらいの方です。終わりの鳥 / 監督:ダイナ・O・プスィッチ(ダイナ・...
坂元裕二さん、かなり追い込まれているようです… 脚本は坂元裕二さん、監督は土井裕泰さんというのは「花束みたいな恋をした」と同じらしく、主演は広瀬すずさん、杉咲花さん、清原果耶さんの3人という映画です。ですので、混み合っているかなあと心配しながら見に行ったのですが…。片思い世界 / 監督:土井裕泰本題はネタバレ後にやってくる...
深瀬昌久さんではなく浅野忠信さんになってしまう… 「レイブンズ Ravens」とはカラスのことです。1986年発刊の写真集『鴉』で知られる深瀬昌久さんという写真家を描いた映画です。知らない方ですので興味があることや浅野忠信さん主演ということもあるのですが、その実、この映画を見ようと思った一番の理由は瀧内公美さんはその後どうなっているのかなということです。...
序盤はほぼ完璧なミュージカル、中盤以降もその線でいけばよかったのに… 昨年2024年のカンヌ国際映画祭で4人の俳優が女優賞を受賞し、今年2025年のアカデミー賞ではそのひとりゾーイ・サルダナさんが助演女優賞を受賞したジャック・オーディアール監督の「エミリア・ペレス」です。あるいは過去の差別発言がなければ、タイトルロールであるエミリア・ペレスを演じたカルラ・...
寛容性の最大の敵はローレンス… 今年2025年のアカデミー脚色賞を受賞した「教皇選挙」です。エドワード・ベルガー監督は「西部戦線異状なし」で紹介されることが多いようですが、私が見ている作品で言えば「ぼくらの家路」の監督です。教皇選挙 / 監督:エドワード・ベルガーほぼ原作のプロット通り…脚色賞ですので原作があるわけ...
こういう映画が生まれるのもアメリカ映画の強み… これは面白い! けれども難しい。それにこの面白さは心には残らない(ゴメン…)。スイート・イースト 不思議の国のリリアン / 監督:ショーン・プライス・ウィリアムズ不思議な国、あるいは鏡の国のアリスのもじり…サウスカロライナ州の高校3年生リリアン(タリア・ライダー)がワ...
この邦題で引く人がいなければいいのですが… 「第三夫人と髪飾り」のアッシュ・メイフェア監督、その長編デビュー作からもう7年になります。評価は高かったはずですが、なかなか新作を撮る環境が整わないのでしょうか、実質的には長編二作目になります。それにしても「その花は夜に咲く」って邦題、なんと言っていいのか…(涙)。その花は夜に咲...
映画のつくりとしては完璧です… 「イタリアで600万人を動員し「バービー」「オッペンハイマー」を押しのけて2023年のイタリア国内興行収入ランキングNo.1の大ヒット(公式サイト)」というのも当然でしょう。映画のつくりとしては完璧です。ドマーニ! 愛のことづて / 監督:パオラ・コルテッレージネオレアリズモへのリスペクトと...
LGBTQ+ に焦点を当てる作品を書いているハン・ジェイ監督ということなら大人し過ぎる… なぜこの映画にポチッとしてしまったかよくわからないのですが(笑)、おそらく今週公開の映画で是非見たいと思うものがなかったことと、画像からふっと「ソウルメイト」を思い出したからだと思います。私たちは天国には行けないけど、愛することはできる /...
少なくとも31歳以上のはずのケナは何ビザでニュージーランドへ入るの?… タイトルが目を引いた映画で、メインビジュアルからしてもケナが韓国社会のなにかに耐えられなくて脱出するんだろうなあとは想像がつきます。が、さて…。ケナは韓国が嫌いで / 監督:チャン・ゴンジェワーホリは基本1年、3年は無理だと思うけど…まったくも...
子どもをダシにしてはいけない… 予想通りの映画でうんざりしました。内容にうんざり以前にこういう映画を撮る大人たちにうんざりです。以下、この映画を評価されている方は気分が悪くなるかも知れませんので退出していただいたほうがいいかも知れません。Playground 校庭 /監督:ローラ・ワンデル子どもをダシにしてはいけな...
プレゼンスとは誰か? 完全ネタバレ、だけど… スティーヴン・ソダーバーグ監督はとにかく多彩な映画を撮る監督です。カンヌでパルムドールを受賞した本人初の長編映画「セックスと嘘とビデオテープ」は作家性の強い映画ですし、アカデミー監督賞を受賞した「トラフィック」は麻薬組織を扱った社会派でありながらエンターテイメント映画ですし、「チェ」というゲバラの伝記映画も撮っ...
双子の姉妹が手に遺伝性の障害を発症後、二人で1曲を演奏する演奏法で復活… ピアニストの映画ということで「4分間のピアニスト」を思い出し、また映画.comに「「コーダ あいのうた」のフィリップ・ルスレが製作を手がけ」とあり、別に感動ものが見たいというわけではなく、あるいは同じようにアメリカでリメイクされることもあるのかななどと思い見てみました。[to...
アメリカ映画のすごさとつまらなさ… 言うまでもありませんが、ボブ・ディラン20歳からの数年を描いた映画です。1961年から1965年までです。ボブ・ディランの実像を知りませんので以下映画としてどうなのかという視点からだけのレビューです。名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN / 監督:ジェームズ・マンゴールドアメ...
スポーツにおけるイラン当局の理不尽さを描いているが映画としては単調で一本調子… タイトルが TATAMI ですし、メインヴィジュアルを見ても柔道の話だとわかります。柔道では IPPON とか WAZAARI とか MATE など競技用語が日本語ですので TATAMI もそのひとつなんでしょうか(未確認…)。TATAMI / 監督:...
驚きのエンディングゆえのパルムドール受賞か… 昨年2024年カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作です。ショーン・ベイカー監督の映画は「タンジェリン(2015)」「フロリダ・プロジェクト真夏の魔法(2017)」「レッド・ロケット(2021)」と見てきていますが、確かに物語の運びがうまい監督です。アメリカ社会の下層で生きる人々をネタ(まさしくネタです…)にするこ...
あえてダメなところを書き連ねてみると… 昨年2024年のヴェネツィア国際映画祭でブラディ・コーベット監督が最優秀監督として銀獅子賞を受賞しています。現在36歳で監督としてはこの映画が長編三作目ですが、11歳から子役として映画界にいますのでキャリアは長いですね。ブルータリスト / 監督:ブラディ・コーベットあえてダメなところ...
マッツ・ミケルセンは寡黙な男がよく似合う、それによくモテる… マッツ・ミケルセンさん主演ですから当然といえば当然ですが、宣伝でも前面に押し出されており「見てね」なんて予告編を何度見たことやら(笑)。でもまあこういう寡黙なのに筋を通そうとする役柄はよく合いますね。愛を耕すひと / 監督:ニコライ・アーセルモデルは実在のルート...
「ツィゴイネルワイゼン」時代の脚本じゃないですかね… 根岸吉太郎監督、久しく名前を見ていないなあと思いましたら東北芸術工科大学の教授や学長をやっていたんですね。現在はその運営法人の理事長であり、同系列で京都芸術大学を運営する瓜生山学園の理事でもあるようです。それで思い出しました。林海象監督の2020年の映画「BOLT」のプロデューサーに名前が入って...
え? ミシェル・フランコ監督がラブストーリー? と驚きはするが、やはりうまい… ミシェル・フランコ監督の2023年の映画、最新作じゃないんですね。最新作は今まさに開催中のベルリン国際映画祭のコンペティション部門に出品されている「Dreams」です。主演はこの映画と同じくジェシカ・チャンステインさんです。あの歌を憶えている / 監督...