最新映画一覧

かそけきサンカヨウ

2021.10.24

か行,

人間関係にツッコミが足りず、かなり古くさい今泉力哉監督の映画は「知らない、ふたり」以降それなりに見ていますが、そろそろもういいかなと、これは単に個人的趣味の話ではあるのですが、そう思っていたところ志田彩良さんの名前が目に入り、ん?だれっけ?とググりましたら、「ひかりのたび」でした。結構印象に残っている俳優さんですので、もう1本ということで見た映画です。か...

草の響き

2021.10.22

か行,

原作ではなく佐藤泰志本人を描こうとしているようだ佐藤泰志さんの小説からの映画化は、「海炭市叙景」「そこのみにて光り輝く」「オーバー・フェンス」「きみの鳥はうたえる」に続いて5作目です。最初の「海炭市叙景」が映画化されたのは2011年、もう10年前です。映画化を機にその原作を読み、すっかりはまって、出版されているものはすべて読みました。ですので例にもれず(笑)...

DUNE/デューン 砂の惑星

2021.10.19

英数字, 英字

デューンは呪われている「デューン」は呪われていますね。1970年代に企画されたホドロフスキー案は10時間の大作となりプロデューサーがびびって頓挫、そのあたりの経緯は「ホドロフスキーのDUNE」に詳しいのですが、その後、1984年にデイヴィッド・リンチ監督が映画化するも、本人が失敗作と認める出来で、逆にそれがリンチ監督ファンの間ではカルト的な人気が出た(かな?)...

ONODA 一万夜を越えて

2021.10.17

英数字, 英字

友情と不条理のONODA、フランス向けの映画小野田寛郎さんがフィリピンのルバング島から日本に帰還したのは戦後29年の1974年、もう47、8年前のことです。半世紀前にもなりますのでリアルタイムでそのことを記憶しているとなりますと少なくとも60歳は越えている方々かと思います。確かに、客層のほとんどはそのように見えました。少なくと20代、30代にみえる方は見かけま...

最後の決闘裁判

2021.10.15

さ行,

14世紀フランスのレイプ事件、すべては男のため1386年のフランスで実際にあった騎士の決闘にまつわる映画です。また地味な話だなあと思いながらも、マット・デイモン、アダム・ドライバー、ジョディ・カマー(よく知らない)、ベン・アフレック、それに監督がリドリー・スコットということならば見てみなくっちゃということです。時代背景は中世ヨーロッパでも、実に現代的な話でし...

アイダよ、何処へ?

2021.10.12

あ行,

アイダの苦しみを共有できるのなら世界は…日本での公開は3作目になるヤスミラ・ジュバニッチ監督、2006年の「サラエボの花」はベルリン映画祭で金熊賞を受賞しています。1990年代始めのボスニア・ヘルツェゴビナ紛争下で起きた悲劇的な過去を乗り越えようとする母娘を描いていました。この映画「アイダよ、何処へ?」も同じくボスニア・ヘルツェゴビナ紛争下の話ですが、まさしくそ...

スターダスト

2021.10.11

さ行,

ジギー・スターダスト誕生に迫れているか…?音楽映画は鉄板というのはほぼ間違いなく、迷いなく見に行けます。と思い、見に行ったのですが、音楽映画ではありませんでした。もう3年前になりますが、フレディ・マーキュリーの伝記もの「ボヘミアン・ラプソディ」のような映画を期待していきますとややがっかりするかもしれません。ただ、様々な世界(ジャンル)でア...

コレクティブ 国家の嘘

2021.10.06

か行,

ドキュメンタリーは真実報道ではなく非俳優によるドラマです前作の「トトとふたりの姉」は、これ、ほんとにドキュメンタリー?! というようなすごい映画でしたけれども、この「コレクティブ」も、ちょっと違う意味ですごい映画でした。東欧ルーマニアの映画なんですが、あれこれちょっと入れ替えれば今の日本にも当てはまりそうでかなり怖い話ではあります。というよりもどの国にもという方...

護られなかった者たちへ

2021.10.03

ま行,

残念、佐藤健、阿部寛の共演生かされずこのところ続けざまに日本映画の社会派ドラマ(と言われる映画)を見ていますので、それが自ら望んだものであるとはいえ、やや食傷気味のところへ、さらにこの「護られなかった者たちへ」です(笑)。ただ、佐藤健さんと阿部寛さんの共演ということで俳優力で見せる映画だろうと期待は大なのですが、さて…護られなかった者たちへ / 監督:瀬...

ディナー・イン・アメリカ

2021.09.30

た行,

パンクカップルはラブコメで世界を変える面白い映画でした。アメリカはこういう映画はうまいですね。社会規範への抵抗とラブストーリーを結びつけ、それでいて暗くならずにポップ(この映画ではパンク)でカラッとしています。犯罪性は抑えられてラブコメ要素がかなり強いのですが、「俺たちに明日はない」「地獄の逃避行」「トゥルー・ロマンス」の系譜でしょうか…。いや、そこまではいって...

クーリエ:最高機密の運び屋

2021.09.27

か行,

キューバ危機は「信頼」で回避された?というスパイ映画ドミニク・クック監督の二作目です。一作目の映画「追想」は、原題が「チェジルビーチで」となっているように、チェジルビーチでの男女の別れのシーンのカメラワークの美しさが印象に残っている映画です。ただ、自分のレビューを読み返してみますと、映画自体にはあまりいい印象を持たなかったようです。しかし、この二作目「クーリエ...

空白

2021.09.25

か行,

父娘のつながりに救いを求めてはダメでしょう????田恵輔(吉田恵輔)監督の「よし」は「????」なのか、「吉」なのか、どっちなんでしょう?公式サイトでも混在しています。これ、どっちでもいいわけじゃなく、検索に引っかからなくなるんですよね。 「????」と「吉」 | 三省堂 ことばのコラム空白 / 監督:????田恵輔 今作は古田新太さん… ...

君は永遠にそいつらより若い

2021.09.22

か行, , 褒めてる映画

吉野竜平監督の構成力と佐久間由衣、奈緒の俳優力が光る原作の津村記久子著『君は永遠にそいつらより若い』を読んでいなければ見なかったかも知れない映画、見てよかったです。俳優よし、構成よしの映画らしい映画でした。君は永遠にそいつらより若い / 監督:吉野竜平吉野竜平監督の構成力が素晴らしい人物にバックボーンが感じられるネタバレあらすじホリガイさ...

由宇子の天秤

2021.09.18

や行,

語るべきは、また描くべきは、人であって物語ではない「火口のふたり」を見て、気になる俳優さんだなあと感じた瀧内公美さん、その主演の映画です。監督は春本雄二郎さん、監督・脚本・編集・プロデューサーということですので、自分の撮りたいものを撮ったということだと思います。2018年に独立映画製作団体「映画工房春組」を立ち上げてのその第一作ということになるのでしょうか。...

スザンヌ、16歳

2021.09.16

さ行,

女16歳、男35歳の恋愛を16歳の側から描くスザンヌ・ランドン監督、現在21歳、撮影時は19歳くらい、この映画のシナリオ(のベース、多分)を書いたのは15歳、そして自ら、監督、脚本、主演という映画です。両親は、ともに俳優のサンドリーヌ・キベルランさんとヴァンサン・ランドンさんです。スザンヌ、16歳 / 監督:スザンヌ・ランドン16歳女子から見た...

浜の朝日の嘘つきどもと

2021.09.12

は行,

高畑充希さんら俳優が映画を救うタナダユキ監督の映画では初めてよかったと思った作品かもしれません(ペコリ)。「赤い文化住宅の初子」以来、数本は見ているのですが、どちらかと言いますとステレオタイプな人物でドラマをつくる印象が強く、過剰な演出を感じるからだと思います。でも、この映画は、そうした過剰さは多少感じられるにしても、俳優によって打ち消されていますし、そもそも...

テーラー 人生の仕立て屋

2021.09.09

た行,

紳士服の世界をウェディングがエレガントに覆うギリシャで育ち、アテネとロンドンで映画製作を学んだというソニア・リザ・ケンターマン監督の初の長編映画です。1982年生まれですから現在39歳です。ちょっと変わった、といいますか、ユニークな感性を感じます。テーラー 人生の仕立て屋 / 監督:ソニア・リザ・ケンターマンメンズスーツからウェディングドレスへ...

アナザーラウンド

2021.09.07

あ行,

娘の死のせいか、色濃く漂う破滅欲求「What is youth? A dream. What is love? The dream’s content.」キェルケゴールの言葉から始まります。直訳では「若者とは何ですか?夢。愛とは何ですか?夢の内容」となりますが、映画を見た印象からすれば、「若さとは何だ? 夢さ。愛とは何だ? 夢を見ていただけさ」といったニュアンス...

くじらびと

2021.09.05

か行,

手漕ぎ船と一本の銛で鯨に挑む数日前に劇場で見た予告編、銛一本で巨大なクジラに向かって海に飛び込んでいく人の姿に驚き、早速見に行った映画です。くじらびと / 監督:石川梵手漕ぎ船と銛一本3つの視点と美しい映像血に染まる海ラマレラの人々の本当の姿か手漕ぎ船と銛一本そのトレーラーは多分下のものだったと思います。15秒くらいのところです。...

沈黙のレジスタンス

2021.09.02

た行,

マルセル・マルソー、レジスタンに身を投じるパントマイムといえばマルセル・マルソーさんと、すぐにその名前が出てくる方ですが、パントマイム・アーティストとして世に出るのは第二次世界大戦後のことです。この映画は、その戦争中にナチス・ドイツに対するレジスタンスとして活動していた時代を描いています。第二次世界大戦が始まったが1939年、マルソーさんは1923年生まれですか...