記事一覧

モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン

2023.11.21

ま行,

バーニング劇場版のチョン・ジョンソ、月夜に踊らず…アナ・リリ・アミリプール監督の名にも、そのデビュー作「ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女」のタイトルにも、特に引っかかりを感じることもなく、なんとなく面白そうだということと「バーニング劇場版」のチョン・ジョンソさんが出てるということで見に行ったのですが、なんと、びっくり! 今サイト内を検索しましたら「ザ...

サタデー・フィクション

2023.11.19

さ行,

モノクロ映像、動き回るカメラ、細かく切り刻まれた編集、さて…2017年の「ブラインド・マッサージ」以降見ていないなあと思っていたロウ・イエ監督ですが、今年はじめに「シャドウプレイ完全版」という映画が公開されていることを知りませんでした。見逃しましたね。ただその映画も2018年製作、そしてこの「サタデー・フィクション」も2019年製作となっています...

蟻の王

2023.11.16

あ行,

同性愛の悲恋物語ではなく、知性対反知性を描いているのではないか…「最初の人間」「ナポリの隣人」のジャンニ・アメリオ監督、2022年の映画です。1960年半ばにイタリアであった同性愛に関する裁判を描いた映画です。同性愛が許されない時代の悲恋物語のようにもみえますが、映画の本当のテーマはそこではないかもしれません。蟻の王 /...

理想郷

2023.11.13

ら行,

男の意地の後始末をするのは、あるいは、させられるのは女の意地…スペインのロドリゴ・ソロゴイェン監督です。前作の「おもかげ」を見たとばかり思っていましたので目についた映画ですが、見ていませんでした。きっとチラシの画像が印象に残っていたんでしょう。ですので、ロドリゴ・ソロゴイェン監督、初めてです。理想郷 / 監督:ロドリゴ・ソロゴイ...

正欲

2023.11.11

さ行,

あってはいけない感情はない、そりゃそうだけど小児性愛どうするの…朝井リョウ著『正欲』の映画化です。監督は「あゝ、荒野」「前科者」の岸善幸監督です。今年2023年の東京国際映画祭で最優秀監督賞と観客賞を受賞したようです。正欲 / 監督:岸善幸シナリオがよくないのではないか…この映画をみても原作が見えてこないですね。...

栗の森のものがたり

2023.11.09

か行,

スロベニアの美しき栗の森とそこで生きる人間の挫折、悔恨、あるいは希望…スロベニア映画です。あまり馴染みがない国で地図上の位置もぼんやりですのであらためて確認してみました。1992年まではユーゴスラビア社会主義連邦を構成していた共和国で、西はイタリア、北はオーストリアに隣接する国です。ユーゴスラビアといいますとどうして1990年代の内戦が頭に浮かん...

私がやりました

2023.11.08

わん他,

現代的ジェンダー観で描く1930年代風スクリューボール・コメディ…フランソワ・オゾン監督の多作さと多彩さには驚くばかりです。1年1本ペースですし、内容もシリアスもの、告発もの、そしてこの映画のようなコメディと幅広く、とにかくすごい監督です。今年日本で公開された映画はこれで3本目です。2021年製作の「すべてうまくいきますように」、2022年製作の...

ラ・ボエーム ニューヨーク愛の歌

2023.11.07

ら行,

オペラの映画化で一番やってはいけないパターンこの映画の配給会社は映画の内容を偽って売ろうとしているんじゃないかと思っちゃいますね。不当表示に引っかかりませんかね。ラ・ボエーム ニューヨーク愛の歌 / 監督:レイン・レトマーオペラの映画化で一番やってはいけないパターンまあ怒りはともかく、これはミュージカルではありま...

ザ・キラー

2023.11.05

さ行,

仕事は失敗しても、筋違いともいえる復讐は完璧にこなす殺し屋の物語…Netflix というのは監督に自由に撮らせてくれるのでしょうか、完璧主義者と言われるデヴィッド・フィンチャー監督は Netflix 以外では撮らなくなっています。2020年の「Mank マンク」以降4年間の独占契約を結んでいるそうですし、それ以前も2014年の劇場公開作「ゴーン・ガール」...

SISU/シス 不死身の男

2023.11.03

さ行, , 英数字, 英字

不死身ではなく、死ぬことを拒否した…に大ウケフィンランドのアクション映画です。普段アクションものに興味を持つことは少ないのですが、フィンランド映画であることと、そしてもうひとつ、予告編のある台詞がツボにはまってしまったからです(笑)。SISU/シス 不死身の男 / 監督:ヤルマリ・ヘランダー死ぬことを拒否する…そ...

ABYSS アビス

2023.11.01

あ行, , 英数字, 英字

ABYSSとは海への一泊旅行のことかと思ってしまうのだが…「逆光」ではかなりいい印象を持った須藤蓮監督と脚本渡辺あやさんによる二作目です。ABYSSとは「深いふち,底の知れない深い穴,混沌(Weblio)」という意味とのこと、果たしてその深さは描かれているのでしょうか。ABYSS アビス / 監督:須藤蓮ABYSSとは、...

悪い子バビー

2023.10.31

は行,

神はいない。そう考えるのが人間の義務であり、その時初めて自分が何者であるかに責任が持てる。1993年に製作され、その年のヴェネツィア国際映画祭で審査員特別賞を受賞したオーストラリア映画です。映画.com によれば、当時日本では劇場公開はされなかったものの「アブノーマル」というタイトルで VHS が発売されたそうです。日本では今回が劇場初公開です。...

愛にイナズマ

2023.10.27

あ行,

松岡茉優さんと窪田正孝さんのバーのシーンは必見!愛にイナズマが走ります。先日「月」を見たばかりの石井裕也監督ですが、こちらはオリジナル脚本のコメディらしく、きっとぴったりはまった面白い映画になるでしょう。それに、主演は松岡茉優さんと窪田正孝さん、どちらもうまい俳優さんですので間違いないと思われます。愛にイナズマ / 監督:石井裕...

私はモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰?

2023.10.27

わん他,

イザベル・ユペールさん、出ています!私はモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰? / 監督:ジャン=ポール・サロメイザベル・ユペールさん、出ています!映画…この映画を宣伝するコピーがあるとすれば「イザベル・ユペールさん、出ています!」しかないないでしょう(笑)。邦題になっているモーリーン・カーニーさんがどんな人かも語っていませんし...

ヨーロッパ新世紀

2023.10.25

おすすめ映画, や行,

差別、偏見、欺瞞が渦巻く17分、「福田村事件」にはない現実感「4ヶ月、3週と2日」「汚れなき祈り」「エリザのために」のクリスティアン・ムンジウ監督、2022年の最新作です。ムンジウ監督はこの映画の前にはジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ(ダルデンヌ兄弟)監督やミシェル・フランコ監督とともに「母の聖戦」のプロデューサーに名を連ねています。...

メドゥーサ デラックス

2023.10.23

ま行,

この映画、トレーラーがよくできています(笑)。メドゥーサ デラックス / 監督:トーマス・ハーディマンカメラはメドゥーサの蛇のように…年に一度のヘアコンテストでひとりのヘアスタイリストが頭皮を剥がれて殺されたという設定で、一体犯人は誰だとカメラが会場内をワンカット(ワンショット)で、それこそメドゥーサの蛇のように狭い廊下...

シック・オブ・マイセルフ

2023.10.19

さ行,

注目されたい病のシグネはどんな夢を見ているのでしょう…ノルウェーの映画です。これが長編2作目のクリストファー・ボルグリ監督です。2022年のカンヌ国際映画祭ある視点部門で上映されています。次回作が A24 の製作で決まっているとありましたので IMDb を見てみましたら、もう今年の9月頃から各映画祭で上映され、一般公開も決まっているようです。タイトルは「...

キリエのうた

2023.10.17

か行,

音楽映画なのに、物語に音楽が絡んでこないもどかしさ…岩井俊二監督の映画を見るのは、初期の「Love Letter」「PiCNiC」「スワロウテイル」以降、2020年の「ラストレター」までその間がすっぽり抜けています。そのせいもあるのか「ラストレター」では「Love Letter」とつながってしまい「構成力はさすがです。が、今だにこんなに叙情的、かつ感傷的...

2023.10.14

た行,

あなたは現実を見てみぬふりをしているだけだと、言えば言うほどさとくんに近づいていく…このところ見る映画の邦画比率が無茶苦茶高くなっています。それだけ見たいと思う海外の映画が入ってこなくなっているということだと思います。カンヌ、ベルリン、ヴェネツィアあたりの映画祭の受賞作じゃないと客が入らないということなのかも知れません。いや、受賞作であってもさほど入って...

アンダーカレント

2023.10.12

あ行,

映画「アンダーカレント」は 心の undercurrent に迫れているか…それなりに何本か見ている今泉力哉監督ですが、「街の上で」あたりでもういいかなと思いそれ以降あまり気にかけていなかったところ、主演が真木よう子さん、井浦新さんという大人の映画のようでしたのでもう1本ということになりました。以下、読み返してみましたら書きすぎ...