CODAはChildren of Deaf Adults、また主題とは違うもの 聴覚障害を持つ両親と兄の手話通訳者として家族を支える高校生ルビーが、自分の進路に悩み、そして羽ばたくという青春映画です。2014年の「エール!」というフランス映画のリメイクとのことです。見ていませんので予告編で触りを見てみましたら、つくりはほぼ同じような印象です。...
ドキュメンタリーは真実報道ではなく非俳優によるドラマです 前作の「トトとふたりの姉」は、これ、ほんとにドキュメンタリー?! というようなすごい映画でしたけれども、この「コレクティブ」も、ちょっと違う意味ですごい映画でした。東欧ルーマニアの映画なんですが、あれこれちょっと入れ替えれば今の日本にも当てはまりそうでかなり怖い話ではあります。というよりもどの国にもという方...
サイコパス映画でした。今や、ヤクザ映画は成り立たず? この映画を見るために一作目の「孤狼の血」を見て、さらに柚月裕子さんの原作『孤狼の血』まで読んでいます(笑)。んー、これはヤクザ映画ではなくサイコパス映画ですね。原作には続編があり三部作となっているのですが、映画はそれとは関係がないようでオリジナルストーリーとあります。ただひとつだけ、原作の『孤狼の血』のラ...
ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2020グランプリ作品 女性がプールで上向きに浮かんでいる画やその女性がプールの底でしゃがんでいるトレーラー内のカットに目が止まり見てみました。監督は佐藤智也さんという方で、この映画は「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2020」のグランプリ作品です。湖底の空 / 監督:佐藤智也日本、韓国、中国合作ネタバレあら...
実録ヤクザ路線の時代劇化を目指すも… 痛いし、汚い映画です(ペコリ)。暴力シーンや女性の扱いにもうんざりしましたが、でもまあ、そういう映画ですし、松坂桃李さんがよかったのでいいんじゃないでしょうか。「凪待ち」を見て白石和彌監督の評価が上がりましたので見てみた映画です。孤狼の血 / 監督:白石和彌"血沸き肉躍る、男たち渇望の映画"ってか実録ヤクザ映...
ジョシュ・オコナーの存在感に尽きる 映画関連サイトでよく目にする「ゴッズ・オウン・カントリー」、いまだ見ておらず、ずっと気になってはいたのですが、先日「アンモナイトの目覚め」を見た機にやっと見られました。フランシス・リー監督、2019年の映画です。ゴッズ・オウン・カントリー / 監督:フランシス・リージョシュ・オコナーにつきるネタバレあらすじとち...
エッフェル塔と結婚した実在の女性がモデルの映画 監督のゾーイ・ウィットックさんが、エッフェル塔と恋に落ちて結婚したアメリカ人女性がいるとの新聞記事を読んだことがこの映画製作の始まりだそうです。恋する遊園地 / 監督:ゾーイ・ウィットックエッフェル塔と結婚したエリカ・エッフェル対物性愛ファンタジーでもなくコメディでもなくホラーでもない ネタバ...
ホロコースト サバイバーの医師と少女、そして男と女 昨年2020年のアカデミー賞国際長編映画賞のショートリストに選出されたハンガリー映画です。結局ノミネートされなかったということで残念ですが、逆に言えばアカデミー好みじゃないいい映画ということでしょう(笑)。この世界に残されて / 監督:バルナバーシュ・トートアカデミー賞国際長編映画賞のショートリスト...
居場所を求めて2000km、少年と馬の放浪の旅 劇場公開時に見ようかどうしようかと迷った映画です。宣伝チラシの印象から少年と馬の交流を描いたほのぼの系のヒューマンドラマだと思い込んでしまったことと前作の「さざなみ(2015)」が映画としてさほどよく思えなかったことからです。ところがDVDで見てみましたら、ほのぼの感は一切なく少年チャーリーの激烈な人生そのものでし...
フランス版地獄の黙示録なのだが… この映画は、ギヨーム・ニクルー監督のユニークな発想でつくられたものなのか、あるいは単に映画づくりが下手なだけなのか(ペコリ)よくわからないところがあります。日付を追って時間経過を示しながら物語として変化させられない構成、ぶっきらぼうな編集、戦場シーンに不釣り合いな音楽、そしてファーストシーンとラストシーンの意図不明な関連性、どれも...
不都合な過去、負の記憶に目をつむってはいけない ドイツ映画の法廷ドラマで「ドイツ史上最大の司法スキャンダル」とか「ドイツ国民誰もが知りたくなかった真実」という言葉で語られるとすれば、その真実が何かはおおよそ見当がつきます。コリーニ事件 / 監督:マルコ・クロイツパイントナーやはり予想通り、殺人事件の背後にはナチスによる戦争犯罪があったわけですが、ただ映...
主役はモダニズム建築? ジンとケイシー? 「モダニズム建築の街コロンバス」を背景に、二人の男女がそれぞれの人生におけるひとつの決断をくだすまでの姿が描かれていく映画です。コロンバス / 監督:コゴナダそもそも「モダニズム建築の街コロンバス」という街を知りませんでしたのでいろいろググってみたんですが、まずアメリカにはコロンバスという街が5ヶ所もあるんです...
日本映画には珍しい(?)センスの良さが光る こういう映画を撮れる監督が日本にもいるというのはうれしいですね。こういうというのは、現実社会に積極的に関わろうとし、それをきっちりドラマと仕上げることができ、そしてなにをおいてもセンスがいいという映画です。もちろん他にいないというわけではありませんが、日本映画でこういう外に開かれた映画は少ないとは思います。社会全体が内...
西部劇がヒューマンドラマに変わる時 ジャック・オーディアール(オディアール)監督が西部劇? という感触を持っていたのですが、見てみれば、確かに、なるほどとも思える一風変わった西部劇でした。ゴールデン・リバー / 監督:ジャック・オーディアールオーディアール監督は、ハリウッドで撮るのも、英語で撮るのも初めてとのことですが、経緯は、この映画の主演でもあるジ...
キーラ・ナイトレイの演技とやさしい演出でよき人コレットに シドニー=ガブリエル・コレットさんの半生を描いた映画です。ウィキペディアによりますと、1873年生まれ、1893年(20歳くらい)に結婚し、1906年(33歳くらい)に離婚とありますので、その間の13年間くらいが描かれていることになります。コレット / 監督:ウォッシュ・ウェストモアランド公式サイ...
100%騙されて、ああ今日も騙されたとしあわせな気持ちで帰路につく メラニー・ロラン監督の「ガルヴェストン」を見る予定が急遽変更、「コンフィデンスマンJP」を見ることになりました。理由はいたって簡単、ちょっとした時間の行き違いです(笑)。朝のテレビで長澤まさみさんを見たことも理由のひとつです。番宣も有効との事例ですね。以下、しょうもないことしか書いていません。...
聖人を思わせるラズロの澄んだ瞳があっての映画 この映画、しばらく前に見たのですが、なんとなく書くポイントが定まらずそのままになっていました。前作の「夏をゆく人々」に比べれば、この「幸福なラザロ」はかなり明快なんですが、それでも、なんと言うのでしょう、これは決して批判的に言うのではなく、映画がぼんやりしている感じがします。幸福なラザロ / 監督:アリーチェ・ロ...
これ、疑似父娘(ごっこ)じゃなくてマジ父娘でしょう これ、映画になっていますかね?映画とは何かなどと大仰に構えて語るつもりもありませんが、これ、事前に何も知らず、まっさらな状態で見たら何やってんだか全くわかりませんよね。公式サイト / 監督:熊澤尚人城宮(千原ジュニア)は、ニートで引きこもりなのに、BB弾を打ち込む子供たちに、ああやって毎回怒鳴っているん...
その結末なしのサスペンスは原作者の実体験かも… オチなしのサスペンス映画でした(笑)。言い方を変えれば、私の妄想を聞いてくれてありがとう、みたいなことですかね。公式サイト / 監督:ロマン・ポランスキーある人気作家がいて、書けないスランプに陥って悶々としているところへ、ひとりの女性が現れ、かなり強引に近づいてきます。女性は、ELLEと名乗り、ゴーストライ...
おお、見応え充分のシリアス系…と、終わってみればラブコメ系!? ハンガリーの映画です。昨年2017年のベルリンで金熊を受賞しています。全く知らない監督ですので公式サイトの紹介を見てみましたら、1989年にデビュー作の「私の20世紀」という映画でカンヌのカメラドールを受賞し、その後数本をヴェネチアやロカルノに出品していますが、この映画は1999年以来18年ぶりの長編...