な行

泣く子はいねぇが

2020.11.25

な行,

仲野太賀と吉岡里帆、の良さを出せない脚本「是枝裕和が惚れ込んだ新たな才能!」という宣伝コピーがついています。確かに企画に是枝裕和さんの名前もありましたし、分福が企画協力となっていたと思います。で、その才能が佐藤快磨監督ということです…泣く子はいねぇが / 監督:佐藤快磨…が、私にはまったくリズムがあわなかったです。なぜそこで次のシーンへ行く? な...

凪待ち

2020.05.01

な行,

(DVD)香取慎吾と脚本加藤正人と白石和彌監督がぴったりあった映画これは劇場で見るべきでした。映画自体がよくできているということもありますが、全体的に画が暗いので家のモニターでは伝わってくるものが半減します。それに、香取慎吾さん、いいですね。映画では始めて見ました。凪待ち / 監督:白石和彌ギャンブル依存症の男が立ち直るまで、まあそう単純でもないん...

人間失格 太宰治と3人の女たち

2020.04.29

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(DVD)ビジュアルだけではドラマは生まれないついつい蜷川実花ワールド! と言いたくなってしまいますが、ちょっと変わってきている感じがします。というより、俳優、特に宮沢りえさんと二階堂ふみさんによるものかも知れません。集中させられるシーンがいくつかあります。人間失格 太宰治と3人の女たち / 監督:蜷川実花「さくらん」と「ヘルタースケルター」しか見...

人間の時間

2020.04.10

な行,

食欲、性欲、そして世界は続くの輪廻観キム・ギドク監督の「人間の時間」です。結構多作の監督ですが、前回見たのは3年前の「The NET 網に囚われた男」です。それにこの映画もちょうど2年前の2018年2月にベルリンでプレミア上映された映画です。IMDbにもこの映画以降これといったものがリストアップされていません。さすがにネタ切れ気味なのか、あるいは女性俳優への暴行...

ナイチンゲール

2020.04.07

な行,

歴史ものに、悪いやつもいるし、いいやつもいるってのはダメ!19世紀のタスマニアを舞台にした、アイルランド人の女性の復讐物語が軸になった映画で、そこにイギリス対アイルランド、そして先住民アボリジニの虐殺をからめた、しかしながら映画の出来としてはあまり良くはなく美しくもありません。ただ、2018年のヴェネツィアで審査員特別賞を受賞しています。ナイチンゲール ...

盗まれたカラヴァッジョ

2020.02.16

な行,

イタリア人のイタリア人によるイタリア人のための映画「カラヴァッジョ展」が大阪で開催中です。昨年2019年の8月から札幌、名古屋と巡回しているようです。また、これとは別の企画なんでしょうか、今年の10月には国立新美術館で「カラヴァッジョ《キリストの埋葬》展(仮称)」も開催されます。そのカラヴァッジョの作品「キリスト降誕」は、シチリア、パレルモのサン・ロレンツォ礼拝...

残されたもの 北の極地

2020.01.07

な行,

マッツ・ミケルセンを生かせず単調に終わるこれはそもそもの企画が無理なんじゃないでしょうか。登場人物は実質的にひとりです。北極圏のどこかに小型飛行機で不時着した男が救助を求めるが救助のヘリも強風で墜落、やむなく生存者の女性パイロットを連れて自力での生還を試みるという物語で、その女性は負傷して最後まで意識は朦朧で会話はできず、ただただ最後まで男のハアハアという息切れ...

人魚の眠る家

2020.01.06

な行,

(DVD)篠原涼子ってスゴイね。面白かったです。DVD鑑賞ながら結構集中して見られました。人の「生」と「死」の境界線という個々の局面では永久に結論のでないテーマがドラマというフィクションの世界にうまく落とし込まれています。まあこれは原作のものでしょうが、映画としては特に篠原涼子さんの演技が素晴らしく、現実感の薄いセットやライティングの中のリアリティある薫子(篠原...

泣き虫しょったんの奇跡

2019.12.29

な行,

(DVD)サラリーマンから将棋のプロへ将棋の世界のことなどまったくわかりませんが、こういう映画を見ますと藤井聡太くんは超超天才なんだということがわかります。プロの棋士になるためには、奨励会に入り26歳までに三段リーグ戦で上位ふたりに入らなくてはいけないらしいのですが、この映画の主人公で自伝小説の原作者瀬川晶司さんは、年2回あるリーグ戦に8回のチャンスがあったのに...

失くした体

2019.11.26

な行,

音楽とエスプリの効いた会話でみせるアニメーションふと見た予告編に惹きつけられたアニメーション、本編81分も惹きつけられっぱなしでした。今年2019年のカンヌ国際映画祭批評家週間でグランプリを受賞したらしく、また、この部門でアニメーションがグランプリを受賞したのは初めてとのことです。失くした体 / 監督:ジェレミー・クラパン切断された手が自分の体を求...

ニューヨーク 最高の訳あり物件

2019.07.03

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マルガレーテ・フォン・トロッタ監督、ラブコメに挑戦か?何度も見せられた予告編だけで充分だなあと思っていたのですが、ふと監督名を見ましたら、「ハンナ・アーレント」「生きうつしのプリマ」のマルガレーテ・フォン・トロッタ監督ではありませんか!え、こんな映画撮るの? と半信半疑だったのですが、そういえばこの元妻の方の俳優さん、何かで見た…、ああ、「生きうつしのプリマ」の...

長いお別れ

2019.06.02

な行,

家族ファンタジーもいいけれど、さすがにここまでくると…さすがにこの価値観(家族観)にはついていけないなあという映画です。映画のつくりとしては俳優で持っている感はありますが、さすがにそれも30分くらいまでで、こうしたエンターテイメント系としてはメリハリがなく厳しいです。  長いお別れ / 監督:中野量太「湯を沸かすほどの熱い愛」の中野量太監督の商業映...

ナポリの隣人

2019.03.04

な行,

人はわかりあえないし、所詮身勝手なもの…2011年の「最初の人間」以来のジャンニ・アメリオ監督です。寡作の印象の監督ですが、IMDbを見ますとそうでもなさそうで、TVやらドキュメンタリーやらと結構いろいろ撮っているようです。ナポリの隣人 / 監督:ジャンニ・アメリオ最後まで焦点の定まらない映画でした。終わってみれば、ああ、父娘の話だったのねとわか...

ナチス第三の男

2019.02.12

な行,

ハイドリヒ暗殺計画が題材の二部構成ダイジェスト版映画2014年の本屋大賞「翻訳小説部門」第1位『HHhH プラハ、1942年』(ローラン・ビネ:著、高橋啓:訳)が原作の歴史もの映画で、原作タイトルの「HHhH」とは、「Himmlers Hirn heiβt Heydrich(ヒムラーの頭脳、すなわちハイドリヒ)」を表す。(図書新聞)とのことです。ナ...

寝ても覚めても

2018.09.06

おすすめ映画, な行,

柴崎友香と濱口竜介によって作られた新しい女性像、朝子。今年のカンヌでは「万引き家族」がパルムドールを受賞しましたが、この「寝ても覚めても」もコンペティション部門に出品されています。こうした映画祭への出品がどのように選定されるのかはわかりませんが、「ある視点」に出していれば何か受賞したかもしれませんね。作り物臭い(ペコリ)「万引き家族」に比べれば、実在感という点で...

ナチュラルウーマン

2018.02.27

おすすめ映画, な行,

ロッカーの中にあったもの、それはマリーナがマリーナであるためのものむちゃくちゃ力強い映画です。最近やたら耳にする、特にオリンピックシーズンでしたので毎日のようにテレビから流れてくる「勇気をもらう」という言葉を(嫌いだけど)あえて使えば、これほど「勇気をもらえる」映画、そして人物はいないでしょう。映画の中では何も語られませんので詳しい性自認はわかりませんが、公式...

苦い銭

2018.02.26

な行,

日々作られる爆買いイメージに隠された(もうひとつの)中国を知るドキュメンタリーなんですが、2016年ヴェネチアのオリゾンティ部門脚本賞(Best Screenplay)を受賞したという映画です。一般的な感覚からしますとドキュメンタリーに脚本ってあるの?と思いますが、ドキュメンタリーだって、どう構成しどう見せるかという視点は当然あるわけですから、見た目がいわゆるシ...

ノクターナル・アニマルズ

2017.11.17

な行,

スーザンの今、過去、そして小説の物語が交錯して…(いない)トム・フォードさん、映画も撮っていたんですね。「シングルマン」が第一作だったとのことですが、タイトルに記憶がある程度で見ていません。この「ノクターナル・アニマルズ」は、昨年のヴェネチアで審査員グランプリを受賞しているようです。審査員グランプリって何かと思いましたが、ウィキペディアによりますと金獅子に次ぐ賞...

ネルーダ 大いなる愛の逃亡者

2017.11.13

な行,

理解するより感じる映画、監督の才能は感じるが難しい1971年にノーベル文学賞を受賞したパブロ・ネルーダさん? 知らないなあと思ったのですが、「イル・ポスティーノ」で映画化されたあの詩人でした。で、この映画は、その「ネルーダが逃亡した謎の1年である1948年にスポットを当て」ており、各地をさまよい逃亡するネルーダとそれを追う警官ペルショノーを軸に、詩人パブロ・ネル...

ノ―・エスケープ 自由への国境

2017.05.09

な行,

こういう映画を面白く見せるには才能を要すホナス・キュアロン監督は、アルフォンソ・キュアロン監督の息子さんで「ゼロ・グラビティ」の脚本にも名を連ねています。二世がそこそこ活躍するというのはどの世界でもあることですが、やはり環境が人間の成長に大きな影響を及ぼすということでしょう。ただ、本人に才能が伴えば一流、伴わなければ親の七光りということになってしまいます。さ...