た行

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デッド・ドント・ダイ

2020.06.07

た行,

ゴドー待ちのバリエーションとしてみれば面白いジム・ジャームッシュ監督のゾンビ映画です。ホラー度ゼロ、パニックシーンなしの一風変わった映画で、コメディかと言われれば確かに笑えるところはありますのでそれをオフビートととらえればジャームッシュ監督らしいとも言えるのですが、なんとも奇妙な映画ではあります。デッド・ドント・ダイ / 監督:ジム・ジャームッシュ...

ドクター・スリープ

2020.05.08

た行,

(DVD)スティーブン・キング絶賛!人間臭いところにかな?スティーブン・キングさんがどんなにキューブリック版「シャイニング」を気に入らなく批判しようとも、やはりキューブリック版は映画として傑作だったことを証明するような続編「ドクター・スリープ」です。ドクター・スリープ / 監督:マイク・フラナガンつじつまを合わせなくてはというプレッシャーが強すぎるの...

デッドエンドの思い出

2020.04.23

た行,

(DVD)吉本ばなな色はうすいけれどもチェ・スヨンはちょっと気になるデッドエンドの思い出 (文春文庫)作者:よしもと ばなな発売日: 2006/07/07メディア: 文庫 原作は短編集の一作のようで、あとがきには、この「デッドエンドの思い出」が自分の作品の中でいちばん好きと書かれているらしいです。久しぶりに吉本ばななさん読んでみようかな...

ちいさな独裁者

2020.04.18

た行,

(DVD)半世紀前の実話ものなのにツッコミ不足で立ち位置見えず不思議な映画だなあと思ってみていたんですが、実話ベースだったんですね!?一年前に公開された映画をDVD鑑賞です。予告編を見た印象では一兵卒が将校になりすましてのし上がっていき、最後にはそれがバレて云々という寓話的な物語かと思っていたのですが、寓話性はほとんどなく、リアルなのかファンタジーなのかよくわか...

ダンサー そして私たちは踊った

2020.03.24

た行,

スウェーデン価値観で描くジョージアかな?全編ジョージア国立舞踊団の物語なのにアカデミー賞外国語映画部門のスウェーデン代表になったという映画です。言葉もジョージア語です。レヴァン・アキン監督がジョージア系のスウェーデン人だからなんですが、アキン監督の精神的母国ジョージアへの強い思いとスウェーデン社会で育った価値観からの強いメッセージが詰まった映画です。ダン...

テリー・ギリアムのドン・キホーテ

2020.02.02

た行,

30年をかけた偉大なる駄作なんともとりとめのない映画です。ひとことで言えば批評性に欠けているということなんですが、映画であれ小説であれ、古典を題材にするということは、その古典を現代的意味においてどう読むかということが求められると思います。特に『ドン・キホーテ』は、時代により、人により、表現形態により、様々に取り上げられてきた古典ですので批評性という視点を避けるこ...

テルアビブ・オン・ファイア

2019.12.06

た行,

痛々しい。サラームがパレスチナの今だとしたら…パレスチナが舞台の映画は、製作国や監督など、その映画がどのような背景のもとで作られたかをみないと、映画のもつ意味を理解するのは難しいです。この「テルアビブ・オン・ファイア」のサメフ・ゾアビ監督は、(多分)イスラエル国籍のパレスチナ人で、テルアビブで生まれ育っていますがテルアビブ大学卒業後はアメリカに移りコロンビア大学...

第三夫人と髪飾り

2019.10.27

た行, , 褒めてる映画

静謐なつくりに漂う悲哀、滲み出る情始まってしばらくは、トラン・アン・ユン監督? と思うくらい雰囲気が似ていました。ひとことで言えば静謐ということですが、ゆったりと流れる時間、少ない台詞、感情的なシーンを排しているにもかかわらずにじみ出る「情」、そういう映画です。第三夫人と髪飾り / 監督:アッシュ・メイフェアアッシュ・メイフェア監...

台風家族

2019.09.12

た行,

新井浩文事件を乗り越えて公開なるも、これかい?新井浩文さんの件でかなり苦労して公開にこぎつけたようです。下の画像も撮り直したものでしょうし、様々なところで名前が目立たなくしてあります。で、この「台風家族」を見ることになったのは、その新井さんの件ではなく、市井昌秀監督の名前を見ていて、ん? 以前なにか見たことあるぞと気になり、このサイト内を検索してみましたらありま...

タロウのバカ

2019.09.06

た行,

菅田将暉、太賀、YOSHIの怒りは今に通じるかこれを今作りますか!? って感じの映画です。「怒り」と「暴力」しかありません。タロウのバカ / 監督:大森立嗣ああ、逆に今なのかな?ある意味、怒る相手が見えなくなっている今、怒り続けるしかない、怒る自分が消えてなくなるまで、怒り続けるしかないということかも知れません。大森立嗣監督、過去の作品一覧を...

ドッグマン

2019.08.26

た行,

「ゴモラ」のマッテオ・ガローネ監督、カンヌ主演男優賞、パルム・ドッグ賞なかなか掴みづらい映画でした。「ゴモラ」のマッテオ・ガローネ監督の最新作ですが、その後の「リアリティー」は劇場公開されず、「五日物語 3つの王国と3人の女」は毛色の違うファンタジーで、これを劇場公開するのなら「リアリティー」もしてよというような出来でしたので、ちょっとばかり期待の「ドッグマン」...

鉄道運転士の花束

2019.08.22

た行,

セルビアの鉄道運転士は死者のために花を育てるこの映画はどんな映画? と聞かれたら、全体的なトーンとしては「アンダーグラウンド」っぽく、物語のベースは「人情もの」で、主演のキャラクターの矜持の有り様が「健さん」的と、そんなふうに答えるのがいいかと思います。鉄道運転士の花束 / 監督:ミロシュ・ラドヴィッチいや、イリヤの鉄道運転士としての矜持の持ち方は健...

田園の守り人たち

2019.07.27

た行,

絵画を見るようなフランス農村風景が美しい思っていた以上にいい映画でした。グザヴィエ・ボーヴォワ監督本人も語っているように、まったく戦場を描かない戦争映画という感じです。第一次世界大戦時のフランス、農業を営む一家の物語です。ふたりの息子と娘の夫、成人男性は皆戦場です。母と娘、そしてその一家に雇われた女、その三人の女性たちの物語です。田園の守り人たち / 監...

旅のおわり世界のはじまり

2019.06.17

た行,

前田敦子さんのドキュメンタリーとしてみればよくできた映画前田敦子さんを追ったドキュメンタリーのような映画です。それが結構見られる映画になっているわけですから、黒沢清監督が、前田敦子さん自身に映画一本持たせられるだけのものがあると考えた結果の映画だとは思います。旅のおわり世界のはじまり / 監督:黒沢清ですので、もし、そもそもの企画の意図が、日本とウ...

誰もがそれを知っている

2019.06.06

た行,

ペネロペ・クルス&ハビエル・バルデムは果たしてこれを望んだのか?これまで「誰もそれを知らなかった」ことを撮ってきたアスガー・ファルハディ監督が、「誰もがそれを知っている」ことを、はたしてこれまで通りの重層的な人間模様として描けるかに挑戦した映画です。誰もがそれを知っている / 監督:アスガー・ファルハディ…かどうかはわかりませんが、残念ながら、人間模...

小さな恋のうた

2019.05.31

た行, , 褒めてる映画

鉄板の青春音楽映画だが、山田杏奈、佐野勇斗、森永悠希の演技が魅力青春 × 音楽(バンド)映画はやっぱり最強ですね(笑)。それにこの映画、ベタなところのおさめ方が結構うまくいっており、最後まで嫌味なく見られます。こういう映画って、ある程度ベタじゃないと成立しませんし、かといって行き過ぎると引かれてしまいますし、結構バランスは難しいと思います。小さな恋のうた...

ドント・ウォーリー

2019.05.07

た行,

ガス・ヴァン・サント監督らしいスピリチュアルな映画ジョン・キャラハンさん、下の引用画像にもカウボーイのイラストがありますが、自動車事故で胸から下が麻痺し車いす生活を送る(っていた)風刺漫画家です。2010年に59歳で亡くなっています。その半生、自動車事故にあってから立ち直り、風刺漫画家として世に出るまでを描いています。21歳で事故にあい、32歳の時にポートランド...

魂のゆくえ

2019.04.18

た行,

とんでもないラブストーリーだった!スクリーンは4:3のスタンダードサイズ、ほとんどすべての画がフィクス、それもかなりのこだわりの構図でこれ以外の切り取りは許さないくらいの意志が感じられます。タイトル(原題:First Reformed)にもなっているファースト・リフォームド協会のトラー牧師(イーサン・ホーク)の内省的な映画ですので、その表現手法としてはぴったりで...

多十郎殉愛記

2019.04.12

た行,

高良くん、力入りすぎ、多部未華子さん、着物が似合ってます。「〝巨匠〟中島貞夫監督 20年ぶりの最新作 59年の映画人生を次世代に受け継いだ、日本映画史に残る新しい「ちゃんばら映画」が誕生!」なんて宣伝コピーですのでかなり期待して見に行ったんですけど…。多十郎殉愛記 / 監督:中島貞夫といっても、実は中島貞夫監督の映画、見たことないかもしれません。見て...

チャンブラにて

2019.03.31

た行,

ロマの少年ピオくん、この映画出演を劣悪環境脱出の契機にして欲しいずーと気になっていたんですが、見るのが最終日(先週金曜日)になってしまいました。それにしても地味なタイトルです。昨年のイタリア映画祭2018で上映されています。 配給:武蔵野エンタテインメントとなっていますから、新宿武蔵野館が買い付けたということなんでしょう。チャンブラにて / 監督:ジョナス...