酪農家が納屋でキャバレーを始めたという嘘のような本当の話、らしい…
酪農家が資金繰りに行き詰まり、一念発起で納屋をキャバレーにして大成功! という嘘のような本当の話を映画にしました! というフランス映画です。
農場の差し押さえの原因は牛のゲップ?
エンドロールに、モデルとなった現実のカントリーキャバレーのスチルが何枚か流れていました。今でも営業しているらしいです。現実は映画通りではないとは思いますがホントかいなと思うような話です。
でもこれは映画ですので、予想通りのことが予想通りに起きて予想通りに終わります(笑)。
この手の映画で思い浮かぶのは「フル・モンティ」ですが、まあ映画としては比べるべくもありません(ゴメン…)。良くも悪くもベタさを避けようとしているのが一番まずいでしょう。そもそもプロット自体がベタなんですから、徹底してやらないとつまらないです。あるいは、コメディにしないとダメでしょう。
フランスは農業国であり酪農の比率もかなり高い国だと思いますが、なぜこの元ネタの農家は酪農が立ち行かなくなったのでしょう。
関係があるとは思いませんが、ふと思い出したのがEU圏では小規模な酪農を縮小していく流れにあるという話です。メタンガスの排出を抑えるためにです。
この映画を見たときに調べたところによりますと、牛のゲップが地球温暖化のひとつの原因になっているという話です。ググればいっぱい出てきますので興味があれば調べてみてください。
あらすじのような本編…
で、映画です。いい方に取れば小気味いいということですが、物事の運びに何の肉付けもないあらすじのような映画です。
ダヴィッド(アルバン・イワノフ)が車で出発しようとしています。祖父がやって来て「言うことを聞くな! 戦え!」みたいなことを言い、続いて母親がやって来て「言うことを聞いて」と懇願します。
ダヴィッドが判事(と字幕にあったような…)を前にしています。判事が農地の処分手続きにはいると言います。ダヴィッドが猶予が欲しいと言いますと、判事はじゃあ2ヶ月と答えます。
早っ!
ダヴィッドはパブで飲み(イギリスみたい…)、町で目についたキャバレーに入ります。ボニー(サブリナ・ウアザニ)のポールダンス風ロープダンスに釘付けになります。翌日、ダヴィッドはキャバレーにボニーを訪ねます。ボニーがオーナーと喧嘩をしてやめてやる!と啖呵を切っています。ダヴィッドはボニーに農場の納屋でキャバレーをやりたいと告げます。
早っ!
多少の紆余曲折はありますが、ボニーも同意し、オーディションで、ダンサー、手品師、催眠術師、ダリダ風の女装の歌手を選び、ボニーの演出でリハーサルが始まります。
いくらあらすじのようと言っても110分の映画ですので、このリハーサル中にあれこれ、なんやかやとあるにはありますが、まあそれも予想通り程度であり、そして結局、いよいよ明日がオープンということになります。ところが、その夜、納屋が火事で焼け落ちます。祖父が火をつけたのです。
翌日、消防士が放火だね、心当たりは?と言いますと、ダヴィッドは首を横に振ります。消防士は幸運を(だったような…)と言って帰っていきます。
オイ、オイ!
ダヴィッドが牛舎で首を吊ろうとしています。元妻がやって来て勇気づけますとダヴィッドは再びやる気を取り戻します。
そして、もう終わりやねと去ろうとしていた皆も戻り、野外キャバレーをオープンします。ボニーのダンス、ジャグリング、手品、そしてダリダ風の歌でダヴィッドも客も皆踊っています。祖父も拍手をしています。
と、ベタな物語を上品にまとめた映画でした。