私にとってロシアのジョーカーだった、とキリル・セレブレンニコフ監督は語る… ウクライナ出身の実在の人物エドワルド・リモノフを「インフル病みのペトロフ家」「チャイコフスキーの妻」のキリル・セレブレンニコフ監督が独自の視点で大胆に描いた映画、昨年2024年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されています。リモノフ / 監督:キ...
真利子哲也監督「NINIFUNI」で感じた映画の強さはどこへ… 「ディストラクション・ベイビーズ」「宮本から君へ」の真利子哲也監督が全編ニューヨークロケで撮ったという映画、主演は西島俊秀さんと「薄氷の殺人」「鵞鳥湖の夜」のグイ・ルンメイさんです。Dear Stranger/ディア・ストレンジャー / 監督:真利子哲也ネタバ...
アンドレア・アーノルド監督の過去作が見たくなるマジックリアリズムの良作… 昨年2024年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されたアンドレア・アーノルド監督の映画です。私は初めて見る監督ですが、現在64歳ですし、かなりキャリアのある方です。2004年には「Wasp」でアカデミー賞最優秀短編映画賞を受賞していますし、カンヌ国際映画祭では、2006年「...
サイモンセズよりも「女」であることの厄介さが強く意識されているように感じます… 俳優でもあるアリアン・ラベド監督の長編デビュー作です。出演作にヨルゴス・ランティモス監督の「ロブスター」やリチャード・リンクレイター監督「ビフォア・ミッドナイト」があるようですが記憶には残っていません。この映画はなんとなく怖そうな映画ですね。九...
広瀬すずさんが高峰秀子さんや若尾文子さんになっていた… 広瀬すずさんが高峰秀子さんや若尾文子になっていた! それにカズオ・イシグロさんがミステリー作家みたいになっていた!というのがこの映画の感想です。遠い山なみの光 / 監督:石川慶イギリスパートはなくてもいいのでは…1952年の長崎から始まります。...
マシュー・ランキン監督談「テーマは人に優しくすること」って映画が優しくないじゃん(笑)… これはまたシュールで難解な映画でした。この映画は一体何だったんだと日本の公式サイトを見てみましたら、マシュー・ランキン監督が「この映画の主要なテーマの一つは“人に優しくすること” 」と語っているとあり、思わず、ウソ! 優しくないじゃんと声が出そうになりました(笑)。...
映画は九龍城とともにはかなく消えていく… 池田千尋監督の名前を目にし、前々作の「記憶の技法」ではかなり辛辣なことを書いてしまった後悔もあり、見てみようかと公式サイトを覗いてみたところ、いや、これは見ちゃいけないと直感的に感じたんですが、出演者が吉岡里帆さんと水上恒司さんでしたのでまあ大丈夫だろうと見てみました。九龍ジェネリックロマ...
奇妙なしょうもない大人たちとそれに惑わされることなく生きる子どもたちのとぼけた系ファンタジー… 横浜聡子監督の前作「いとみち」は完璧な青春映画でしたが、この「海辺へ行く道」は14歳の中学生を主人公にした物語、さてどうでしょうか。海辺へ行く道 / 監督:横浜聡子ジェネレーション Kplus 部門特別表彰とは…この映画...
クリステン・スチュワートにはアメリカンローカルの空気は合わないように思う… クリステン・スチュワートさん目当てです。私には「スペンサー ダイアナの決意」以来ですが、その後にデヴィッド・クローネンバーグ監督の「クライムズ・オブ・ザ・フューチャー」に出ているようです。ボディホラー SF みたいな映画でしたので見ていないです。この「愛はステロイド」は、レ...
あえて厳しいことを言えば… 監督の清水友翔さんのプロフィール「17歳で高校を中退後ロサンゼルスに渡米。Santa Monica Collegeの映画学科を卒業し…(公式サイト)」をみて、ちょっと違った感覚が感じられるかなと思い見た映画です。僕の中に咲く花火 / 監督:清水友翔短編であれば映画になっていたかも…確かに...
大西礼芳さんじゃなければどうなっていたことやら… 映画.com の紹介文に「生と死の関係を深く温かく…」なんてコピーがありましたのでスルーしそうになった(なぜ?…)のですが「嵐電」と「夜明け…」の文字が目に入りポチッとした映画です。また逢いましょう / 監督:西田宣善大西礼芳さん、「嵐電」で見ているのに…なんですが...
超ファンタジーアイドル映画だったようです… 何となく台湾映画でも見てみるかと何も知らずに見たんですが、見終えてもどういう傾向の映画かわからず、今ググってみましたらスター俳優の映画だった? ようです。いわゆるアイドル映画です。違うのかな?鯨が消えた入り江 / 監督:エンジェル・テン超ファンタジーアイドル映画かな…テレ...
パオロ・ソレンティーノ監督の I love Napoli … パオロ・ソレンティーノ監督、見ているのはもう10年前になる「グレート・ビューティー 追憶のローマ」だけです。そのレビューにはなんじゃこりゃみたいなことを書いていますが、見直したほうがいいかも知れません。この「パルテノペ ナポリの宝石」、良し悪し両面で目を見張るような映画でした(笑)。[t...
男の妄想映画だが、それもわかってやっているようでもあり、映画づくりのセンスはいい… これもお盆休みに見た映画です。おもしろいと言いますか、興味深い映画です。物語としてはひとりの男の妄想映画ですので特別どうこうはありませんが、すべてのカットが構図ファーストで撮られており、そのセンスがとてもいいです。海街奇譚 / 監督:チャン・チー...
「冬の小鳥」のキム・セロンさんが24歳になっていることも亡くなっていることを知らなかった… チョン・ジュリ監督の「あしたの少女」を見た際にこの「私の少女」を見てみよう思ったことを思い出しました。かれこれ2年前になります。私の少女 / 監督:チョン・ジュリキム・セロンさんが亡くなっている…びっくりしました。ド...
北アイルランドのZ世代はアイルランド語を弾丸にして自由のために戦う… 映画では久しく耳にしなかった IRA という名称が登場します。過去の激しい武力闘争を少しでも知っていますと隔世の感があります。そうした時代の変遷を「Kneecap」という実在の北アイルランドのヒップホップグループの実体験を織り交ぜて描いている音楽映画です。主演の3人はその「Kneecap...
ブラジル軍事独裁政権下、夫を失うも力強く生き抜いたエウニセ・パイヴァの物語… ウォルター・サレス監督、12年ぶりの長編劇映画です。名前も忘れてしまうところでした。でもお休みしていたわけではないようで、ジャ・ジャンクー監督のドキュメンタリーを撮ったり、BRICSサミット向けのオムニバス映画に参加したり、TV や MV の仕事をしたりということだったようです。...
年齢の違和感をふっ飛ばすイーレ・ヴィアネッロさんの俳優力… 「イタリア文学界の巨匠チェーザレ・パヴェーゼの同名小説」が原作とのことです。その「美しい夏(La bella estate)」は、1950年にストレーガ賞というイタリア文学界最高の賞を受賞しています。ただ、作家本人はその直後に自殺しているみたいです。美しい夏 / 監督:ラ...
もうちょっとひねったほうがよかったかも… タイトルそのものの映画でバルセロナからアメリカへの入国の際に追加審査を受けることになった夫婦の話です。制作費65億ドル、150円換算で9750万円ですので日本の感覚でもかなり低予算の映画です。入国審査 / 監督:アレハンドロ・ロハス、フアン・セバスチャン・バスケスロハス監督とバスケ...
邦題とか、キービジュアルとか、字幕とか、もう少し考えたほうがいいよね、いい映画だけに… 昨年2024年のカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞したインド映画です。チラシにもなっている上のキービジュアル、よくないですね。いい映画なのにかなり損をしています。私たちが光と想うすべて / 監督:パヤル・カパーリヤーキービジュアルといい...