塩田明彦監督、才能と知識の無駄使い… 塩田明彦監督は「麻希のいる世界」を見て、内容はともかくとしてうまいなあと思い、DVDで「害虫」を見てみたところ、結局、少女が大人の男たちの性的視線に晒され続ける映画かと残念に思ったという経緯の監督です。さて、「春画先生」…。春画先生 / 監督:塩田明彦展開はほぼ AV ストーリ...
この映画が描く一面だけではなくリー・ミラーの全人生を知りたくなる… リー・ミラーというアメリカ人の写真家の半生を描いた映画です。「シビル・ウォー アメリカ最後の日」でキルステン・ダンストさんが演じた従軍カメラマンのモデルとなった人らしいです。たしかに役名はリー・スミスとなっています。この映画のキービジュアルになっている上の画像の浴室はヒトラーの浴室...
誰もが誰かを求めている、神父でさえも… アラン・ギロディ監督特集上映の3作のうち、先日見た「ノーバディーズ・ヒーロー」がことのほか面白かったので「ミゼリコルディア」も見てみました。こちらのほうが直近の作品で昨年2024年のカンヌ国際映画祭プレミア部門で上映され、また、カイエ・デュ・シネマ誌ではその年のベストテン第1位に選ばれているそうです。[toc...
行き詰まるジャ・ジャンクー監督… 前作「帰れない二人」が2018年製作ですから6年ぶりのジャ・ジャンクー監督になります。んー、もう新作は撮れません宣言みたいな映画ですね。新世紀ロマンティクス / 監督:ジャ・ジャンクー満ち足りてノスタルジー…どうしちゃったんですかね、ジャ・ジャンクー監督。前作「帰れない二人...
偏見差別よりもラブストーリー、エンディングはちょっと… 「ヒゲを生やした女性」と表現されていますが要は多毛症の女性ということで、クレマンティーヌ・デレさんというフランスに実在した方をモデルとした映画です。そのクレマンティーヌ・デレさんのウィキペディアをみますと写真なども残っていますし、ヒゲに誇りを持っていたという記述もあり、かなり力強く生きた方のよ...
この面白さがわかれば、もう大人… 「現代フランスを代表する鬼才」とか「ゴダールが今年(2001年)最高の映画と評した」と紹介されているアラン・ギロディ監督の3作が公開されています。え? 誰それ? ホントかなあとやや懐疑的ながらも見てみましたら、これ、面白い! です。ノーバディーズ・ヒーロー / 監督:アラン・ギロディ...
真相は、原作者あるいは脚本家や監督に女性蔑視観が潜んでいるということでしょう… アイドル映画だろうとスルーしていたのですが、ふと監督の豊島圭介さんの過去作に「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」があるのを知り、また内容に記憶はないのですが「森山中教習所」を見たような記憶があり、迷いに迷って(笑)ポチっとしてみました。#真相を...
雪は降る あなたは来ない 雪は降る 思い心に 虚しい夢 白い涙 鳥は遊ぶ 夜はふける… 「SAINT LAURENT サンローラン」のベルトラン・ボネロ監督です。この映画は当初その映画でサンローランを演じていたギャスパー・ウリエルさんとレア・セドゥさんで撮る企画だったようですが、ウリエルさん、2022年の1月に事故で亡くなってしまいました。映画の最後に追悼...
これではピンク映画のレクイエムにはならんでしょう… 監督としては「火口のふたり」以来でしょうか、荒井晴彦監督の「花腐し」です。松浦寿輝さんの同名小説に「ピンク映画へのレクイエムという荒井監督ならではのモチーフを取り込んで大胆に脚色(映画.com)」した映画とのことです。花腐し / 監督:荒井晴彦「女優」は男の妄想の言い訳…...
オランダから母娘のロードムービー、母はボニーとクライドを気取るも、娘は… 2023年のベルリン国際映画祭ジェネレーションKplus に出品されたオランダ映画です。Kplus は主人公が4歳以上の映画を対象としたコンペティションです。今年は横浜聡子監督の「海辺へ行く道」がスペシャルメンション(国際審査員特別賞)を受賞しています。この枠は子ども向けの映...
MAAKIII さんフィーチャーの映画ですかね… タイトルもヴィジュアルも学生の卒業制作を思わせる地味さですが、唐田えりかさんの名前を目にし、また、映画.comの「難解な舞台劇を上演するために集められた4人の女優を主人公に、稽古から舞台本番までの4日間をドキュメンタリータッチで描いた」との紹介に興味をそそられた映画です。Page3...
髙石あかりさんにつきます… 「ベイビーわるきゅーれ」の流れの映画です。シリーズのアクション監督だった園村健介さんが監督、監督だった阪元裕吾さんが脚本、そして主演は髙石あかり(高石あかり)さんです。ゴーストキラー / 監督:園村健介髙石あかりさんにつきる…私は「ベイビーわるきゅーれ2ベイビー」しか見ていないのですが、...
プロパガンダの真実は室内劇では描けない… ナチスものはもう見ないと決めていたのに魔が差したようにポチッとしてしまいました。ゲッベルス ヒトラーをプロデュースした男 / 監督:ヨアヒム・A・ラングドイツかオーストリアのテレビでどうぞ…やはりやめておくべきでした。映画としてみるべきものがありません。ヨーゼフ・ゲ...
アカデミー作品賞でもよかったかも、ノミネートされていないけど… 刑務所での更生プログラムとして演劇に挑戦するという映画は以前見たことがあり、その映画では囚人たちが脱走していました。実際にあった話らしいです。その映画の話は後に書きますが、この「シンシン SING SING」も実話にもとづいているそうです。多分、この映画は脱走はしていないでしょう(笑)。...
戦争に行けば人は狂う、しかし社会は狂わなかった多くの人たちでつくられる… 塚本晋也監督「ほかげ」です。DVDで見るような映画ではありませんが見逃していますのでやむを得ません。それにしても約40年間、自主制作スタイルを貫いて20作(ウィキペディア)つくり続けてきているわけですから本当にすごいことです。ほかげ / 監督:塚本晋也...
死者の死後の世界は生者の記憶の中にあると Death は言う… 監督はクロアチア出身でロンドンを拠点に活動しているダイナ・O・プスィッチ(ダイナ・オニウナス=プシッチ)さん、この「終わりの鳥(Tuesday)」が長編デビュー作です。1985年生まれですので40歳くらいの方です。終わりの鳥 / 監督:ダイナ・O・プスィッチ(ダイナ・...
坂元裕二さん、かなり追い込まれているようです… 脚本は坂元裕二さん、監督は土井裕泰さんというのは「花束みたいな恋をした」と同じらしく、主演は広瀬すずさん、杉咲花さん、清原果耶さんの3人という映画です。ですので、混み合っているかなあと心配しながら見に行ったのですが…。片思い世界 / 監督:土井裕泰本題はネタバレ後にやってくる...
深瀬昌久さんではなく浅野忠信さんになってしまう… 「レイブンズ Ravens」とはカラスのことです。1986年発刊の写真集『鴉』で知られる深瀬昌久さんという写真家を描いた映画です。知らない方ですので興味があることや浅野忠信さん主演ということもあるのですが、その実、この映画を見ようと思った一番の理由は瀧内公美さんはその後どうなっているのかなということです。...
序盤はほぼ完璧なミュージカル、中盤以降もその線でいけばよかったのに… 昨年2024年のカンヌ国際映画祭で4人の俳優が女優賞を受賞し、今年2025年のアカデミー賞ではそのひとりゾーイ・サルダナさんが助演女優賞を受賞したジャック・オーディアール監督の「エミリア・ペレス」です。あるいは過去の差別発言がなければ、タイトルロールであるエミリア・ペレスを演じたカルラ・...
寛容性の最大の敵はローレンス… 今年2025年のアカデミー脚色賞を受賞した「教皇選挙」です。エドワード・ベルガー監督は「西部戦線異状なし」で紹介されることが多いようですが、私が見ている作品で言えば「ぼくらの家路」の監督です。教皇選挙 / 監督:エドワード・ベルガーほぼ原作のプロット通り…脚色賞ですので原作があるわけ...