在日コリアン一家、父と娘のアイデンティティのゆらぎ 在日コリアン一家のアイデンティティのゆらぎが丁寧に描かれています。言葉にするにはセンシティブなことも多いこのテーマですのでかなり抑えめにつくられている印象です。トロフィー / 監督:孫明雅ネタバレあらすじ朝鮮学校の中級(中学)に通うソヒ(恒那)と朝鮮初級学校の校長...
男の未練を愛というのなら、それは愛の残滓… 「ゴッドランド」のフリーヌル・パルマソン監督、アイスランドの映画です。始まってしばらくは断片的なシーンが続き、なんだろう、これは? と観ていますとだんだん面白くなってきます。有害な男性性を描いているのかなと観ていたんですが、おそらくそれは結果ですね。きれっぱしの愛 / 監督:フリーヌル・...
原作の京極夏彦著『死ねばいいのに』を読めばいい 亜佐美を殺したのは誰だ?のミステリーでもなく、お前(映子)は何者!のサスペンスでもなく、ほぼ一対一の会話で構成されているのに会話劇でもなく(理由は後述…)、弁護士がやたら頑張っているのにリーガルドラマでもなく、この映画は一体何なのだ(笑)。死ねばいいのに / 監督:金井純一ネ...
サバイバル設定を取り除けば青年版「スタンド・バイ・ミー」みたいなもの ひとりしか生き残れないデスレースなのにむちゃくちゃ熱い友情物語でした。ロングウォーク / 監督:フランシス・ローレンスネタバレあらすじマジ、死のウォーキングだったこのプロットがすごいですね。ルール:時速4.8キロをキープすること...
2015年のシリア、泥沼化した内戦の戦禍を逃れて脱出する医師の物語を軸にした5つの物語の連作劇 2015年のシリア、泥沼化した内戦の戦禍を逃れて国外へ脱出しようとする医師の物語を軸に他の4つの物語が交錯する映画です。ですので群像劇というよりも連作劇のつくりです。ドキュメンタリー風の撮影手法が使われていますが、観る者の感情を揺さぶろうとの意志が強く感じられる...
𠮷田恵輔監督、相変わらずうまいんですが人物に余白がないかな 𠮷田恵輔(吉田恵輔)監督、相変わらずうまいですね。「ヒメアノ~ル」からすべて観てきていますが、どの映画のレビューでも1度や2度は必ずうまいなあと書いていると思います。でもあまり好きなれないんですよね(ゴメン…)。理由は最後に書きますが、描いていることに対する監督本人の立ち位置ですかね。[t...
言葉を大切にしている原作に敬意のない映画制作者たち んー、これはそもそもの企画が間違っているんじゃないですかね。まあ想像ですが、日本でも台湾でも売りたいという企画なんでしょうが、要はキャスティングに無理があるということです。シンシン アンド ザ マウス SINSIN AND THE MOUSE / 監督:真壁幸紀ネタバレあ...
「よだかの片想い」でセンスがいいと感じた安川有果監督の「Dressing UP」を観てみた 当サイトの「よく読まれている映画」に「よだかの片想い」が上がっているのを目にし(しばらく前です…)、そう言えば安川有果監督をセンスがいいと評したことを思い出して「Dressing UP」を観てみました。ドレッシング・アップ Dressing...
とらえどころのない映画と感じるも、アナス・トマス・イェンセン監督の想定内であるようだ なんともとらえどころのない映画ですが、面白いですね。笑えるところもありますがコメディというわけでもなく、風刺的なのに何を風刺しているのかよくわかりませんし、暴力描写(そのものはない…)はかなりのものですし、そうですね、ひとことで言えばシュールな映画です。...
天野千尋監督、ついにメジャーデビューか?! 「ミセス・ノイズィ」の天野千尋監督です。2017年に中部国際空港で主婦たちが金密輸事件で逮捕された事件があったらしく、それを題材にした映画のようです。マジカル・シークレット・ツアー / 監督:天野千尋ネタバレあらすじこの事件ですね。韓国から中部空港に金塊計30キ...
言葉の沼にハマり映画の力を信じられなくなった濱口竜介監督 今年2026年のカンヌ国際映画祭でヴィルジニー・エフィラさんと岡本多緒さんが女優賞を受賞した映画です。まだひと月ほど前のことです。濱口竜介監督としては3年ぶりの最新作です。急に具合が悪くなる / 監督:濱口竜介ネタバレあらすじ率直な感想を言えば、濱口監督は映...
雄太(柄本佑)が主人公なのにそのメモリーズじゃない物語というのは… 坂⻄未郁(さかにしみいく)監督の長編デビュー作です。1992年生まれとありますので34歳くらいの方です。京都造形芸術⼤学卒業後は石井裕也監督の助監督とか、他の監督の映画ですがメイキングのカメラマンなどをやってきているとあります。メモリィズ / 監督:坂⻄未郁...
女性が持つ、あるいは女性しか持つことができない心の奥底に渦巻く表現し難い何ものか 「ビューティフル・デイ」のリン・ラムジー監督、その前の「少年は残酷な弓を射る」や「モーヴァン」も観ていますが書かなかったみたいです。その二作の映画はもうほとんど思い出せませんのでそれだけ強い印象はなかったということだと思います。かなり寡作な監督で、撮る環境が整わないのか、この...
男女平等、平和主義のシェーカー・コミュニティを音楽とダンスで描いて面白い 予告編で観た女性たちが森の中を踊りながら進むシーンを記憶していて面白そうと思い観てみたらシェーカー教徒の話でした。そのシェーカーという教団にも身体を震わせて祈るからそう呼ばれる程度の知識しかありませんでしたので逆に結構面白く観ました。アン・リー/はじまりの物...
「アダムの原罪」なんて邦題、AI に「アダムに続く言葉を教えて」とでも聞いたんですかね 病院内の看護師を追った映画では「ナースコール」というスイスの映画がありました。まだ3か月前ですね。この2本、カメラが看護師を追い続けるという点では似ていますが映画の重要ポイントはちょっと違います。「ナースコール」は看護師の過重労働がテーマですが、こちらは看護師が持つべき...
モロッコや西サハラに来てまでレイヴして欲しいなどと誰も頼んでいないけど… 希望も絶望もない虚無的な映画ですね。その意味では今の先進国(ヨーロッパ限定かな…)が置かれている、いやそうじゃなくて自ら入り込んでしまった、先へも進めない、後退りもできない八方塞がりの状態のまま放心している姿じゃないかと思う映画です。そんなつもりはないか(笑)。...
50年前の時代設定じゃ、コメディになってしまう… MEGUMIさんプロデュース、木村太一監督で、その木村太一監督のお母さんの半生を題材にした映画とのことです。シングルマザーが力強く生きる姿といった紹介文がありますが、観てみればあまりそうした感じは残りません。FUJIKO / 監督:木村太一ネタバレあらすじもちろん主...
イタリアン・カンフーアクション・アモーレ映画。 「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」「フリークスアウト」と観てきているガブリエーレ・マイネッティ監督の長編三作目ですので観ないわけにはいきません(笑)。シャオ・メイ ローマ大決戦 / 監督:ガブリエーレ・マイネッティネタバレあらすじ一作目の「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」は日...
是枝監督には「海街diary」や「海よりもまだ深く」といったシンプルな家族ものがあうと思うけど… 是枝裕和監督のオリジナル脚本による「箱の中の羊」です。オリジナル脚本なのに原案にまで是枝監督の名がクレジットされているということは、新作の企画会議に是枝監督から基本プロットの提案があり、企画会議で物語が練られ、それを是枝監督が脚本にしたということなんでしょうか...
オクサナ・シャチコというアーティスト、アクティビスト、アナーキストを知るいい機会になった これはかなり上級者向けの映画ですね(笑)。オクサナ・シャチコとはどういう人物かを教えてくれるわけではありませんし、ちょっと事前情報を入れておこうと経歴を読んでおいたところで、そもそも映画が何をやろうとしているのかうまく伝わってきません。オクサナ・シャチコを個人的に知っ...