おーい、大森さーん、いったいどうしたんだ?…大森立嗣監督の「おーい、応為」です。なんと自分でもびっくり、大森立嗣監督の映画は長編デビュー作の「ゲルマニウムの夜」からすべて見ています。でも、いい映画だと思った作品は多くないんですよね。新しいところで言えば「星の子」「日日是好日」くらいです。この「おーい、応為」はその系統っぽく、期待です。...
家族の崩壊と都市開発の危うさ、そして AI 的映像…今年2025年のカンヌ国際映画祭の監督週間で上映された映画です。監督は団塚唯我さん26歳、この「見はらし世代」が長編デビュー作で、文化庁主催の ndjc2021 で制作した「遠くへいきたいわ」で注目を集めたとのことです。見はらし世代 / 監督:団塚唯我ネタバレあらすじ...
18年間にわたる男の妄想追想物語…これまで劇場で見たアニメは「君の名は。」と「失くした体」の2作、他にエヴァンゲリオンをDVDで見たくらいです。この「秒速5センチメートル」も特に興味はないのですが、実写版なら見てみるか程度の気持ちで見てみました。秒速5センチメートル / 監督:奥山由之ネタバレあらすじこの映画の監...
まさしく Holy Cow を連発する若者たちの Holy Cow な青春映画…青春映画で悪ガキなのにその少年少女たちをいとおしく思える映画がときどき生まれます。この「ホーリー・カウ」もそのひとつです。タイトルの「Holy Cow」は直訳では「聖なる牛」ですが、「マジか!」といった驚きを表現するスラングだそうです。フランス映画ですので原題は「V...
語られることではなく、語られないことが見えてくる…ベルギーのレオナルド・ヴァン・デイル監督の長編デビュー作です。この映画が目についたのはプロデューサーにダルデンヌ兄弟監督の名があったからです。他に大坂なおみさんの名もあります。プロデューサーにはその前にエグゼクティブ、共同、協力、ライン、それに各部門の名がつくプロデューサーがいますが、この映画には...
映画と言葉の関係はどうあるべきか…今年2025年のベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞した「DREAMS」のダーグ・ヨハン・ハウゲルード監督の「SEX」です。もう1本の「LOVE」と合わせて最初から三部作として製作されており製作年もすべて2024年になっています。SEX / 監督:ダーグ・ヨハン・ハウゲルードネタバレあらすじ...
映画じゃなかった、NHKドラマの再編集版でした…村上春樹さんの『神の子どもたちはみな踊る』が原作の映画でこの豪華な出演者はどういうことだ? と、それにあまり宣伝されていないなあと思い見てみたら…アフター・ザ・クエイク / 監督:井上剛これ、映画じゃないです…映画じゃなかったです(涙)。NHKのドラマの再編集版(だ...
この映画をアクション映画と見てはいけない…ポール・トーマス・アンダーソン監督が「逃げる者と追う者が入り乱れる追走劇(映画.com)」だって?! 大丈夫か?ワン・バトル・アフター・アナザー / 監督:ポール・トーマス・アンダーソンネタバレあらすじポール・トーマス・アンダーソン(PTA)監督がアクションもの? と驚き...
ダフネは三途の川の渡し守、でもお金も取りませんし衣服も剥ぎません…昨年2024年の東京国際映画祭で「アジアの未来作品賞」という賞を受賞している映画ということで見てみました。トルコのエミネ・ユルドゥルム監督、この「わたしは異邦人」が長編デビュー作ということです。わたしは異邦人 / 監督:エミネ・ユルドゥルムネタバレあらすじ...
才能は環境の制約を越えられないのだろうか…「アプローズ、アプローズ!囚人たちの大舞台」のエマニュエル・クールコル監督です。昨年2024年のカンヌ・プレミアで上映されています。ファンファーレ!ふたつの音 / 監督:エマニュエル・クールコルネタバレあらすじ「白血病を宣告されたことをきっかけに、生き別れた弟の存在とその...
なぜ非現実性やフィクションと現実の融合が自分には身近なのかを探求した…「テレビの中に入りたい」とはまた子どもっぽいタイトルですし、Wikipedia にはサイコホラーなんてありますので私が見るべき映画じゃないかもと思ったのですが、いくつかジェーン・シェーンブルン監督のインタビュー記事を読んだところ、その理屈っぽさゆえに興味が湧いてきました。[to...
所詮、愛もセックスも不可解で曖昧なもの…今年2025年のベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞している映画が地味な宣伝のまま公開されています。三部作と位置づけられているらしく、他の「LOVE」「SEX」と合わせて「オスロ、3つの愛の風景」と括られたその一作「DREAMS」です。DREAMS / 監督:ダーグ・ヨハン・ハウゲルード...
主演のエディ・ポンさんはあのブラックドッグを撮影終了後に貰い受けたらしい…昨年2024年のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門で最優秀作品賞とパルムドッグ審査員賞を受賞しています。え? これで審査員賞って、パルムドッグのワンちゃんはどんなんやねん? というくらいワンちゃんがすごいです。それに、なんとジャ・ジャンクーさんが出演しています。...
NHKの大河ドラマでやればよかったかも…2018年下半期直木賞受賞作の真藤順丈著『宝島』の映画化です。宝島 / 監督:大友啓史ネタバレあらすじ3時間10分の超大作です。そりゃ、あの原作をそのままやろうと思えばそうなっちゃいますわね。https://tocotoco60.com/takarajim...
ロレーナ・パディージャ監督の父親の残像と妄想…メキシコ映画です。中南米の映画が日本で公開されることが少なくなってきていますのでうれしいですね。それに主演が「ナチュラルウーマン」でオルランドを演じていたフランシスコ・レジェスさんです。マルティネス / 監督:ロレーナ・パディージャネタバレあらすじ監督はメキシコのロレ...
私にとってロシアのジョーカーだった、とキリル・セレブレンニコフ監督は語る…ウクライナ出身の実在の人物エドワルド・リモノフを「インフル病みのペトロフ家」「チャイコフスキーの妻」のキリル・セレブレンニコフ監督が独自の視点で大胆に描いた映画、昨年2024年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されています。リモノフ / 監督:キ...
真利子哲也監督「NINIFUNI」で感じた映画の強さはどこへ…「ディストラクション・ベイビーズ」「宮本から君へ」の真利子哲也監督が全編ニューヨークロケで撮ったという映画、主演は西島俊秀さんと「薄氷の殺人」「鵞鳥湖の夜」のグイ・ルンメイさんです。Dear Stranger/ディア・ストレンジャー / 監督:真利子哲也ネタバ...
アンドレア・アーノルド監督の過去作が見たくなるマジックリアリズムの良作…昨年2024年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されたアンドレア・アーノルド監督の映画です。私は初めて見る監督ですが、現在64歳ですし、かなりキャリアのある方です。2004年には「Wasp」でアカデミー賞最優秀短編映画賞を受賞していますし、カンヌ国際映画祭では、2006年「...
サイモンセズよりも「女」であることの厄介さが強く意識されているように感じます…俳優でもあるアリアン・ラベド監督の長編デビュー作です。出演作にヨルゴス・ランティモス監督の「ロブスター」やリチャード・リンクレイター監督「ビフォア・ミッドナイト」があるようですが記憶には残っていません。この映画はなんとなく怖そうな映画ですね。九...
広瀬すずさんが高峰秀子さんや若尾文子さんになっていた…広瀬すずさんが高峰秀子さんや若尾文子になっていた! それにカズオ・イシグロさんがミステリー作家みたいになっていた!というのがこの映画の感想です。遠い山なみの光 / 監督:石川慶イギリスパートはなくてもいいのでは…1952年の長崎から始まります。...