オッペンハイマー

2024.03.30

あ行,

あのシャッフル編集では人物像が浮かび上がってきません…今年2024年のアカデミー賞で作品賞、監督賞、主演男優賞(キリアン・マーフィ)、助演男優賞(ロバート・ダウニー・Jr.)、編集賞、撮影賞、作曲賞の7部門受賞の映画です。オッペンハイマー / 監督:クリストファー・ノーランセキュリティ・クリアランスクリストファー...

丘の上の本屋さん

2023.03.06

あ行,

『世界人権宣言』を読むきっかけにはなるかも…クラウディオ・ロッシ・マッシミ監督、初めて目にする監督ですのでプロフィールをちらっと見ましたら1950年生まれとあり、現在72、3歳ということになります。なのに、過去に日本で公開された映画がないようです。ということから興味がわき、イタリア映画でタイトルが「丘の上の本屋さん」であれば、きっとイタリア映画得...

MEN 同じ顔の男たち

2022.12.09

あ行, , 英数字, 英字

男性が根源的に持つ暴力性と甘え、冗談じゃねぇと拒否される「エクス・マキナ」を見たと思っていたけれども見ていなかったアレックス・ガーランド監督の最新作です。主演のジェシー・バックリーさんはたくさん見ています。「彼女たちの革命前夜」「ワイルド・ローズ」これはよかったです。主演ではありませんが「ジュディ 虹の彼方に」や「クーリエ:最高機密の運び屋」でも印象に残...

オフィサー・アンド・スパイ

2022.06.03

あ行,

フランスの反ユダヤ主義冤罪事件ドレフュス事件を描くロマン・ポランスキー監督、現在88歳、この「オフィサー・アンド・スパイ」は2019年製作ですから、撮っている時は84、5歳ということになります。2019年のヴェネツィア映画祭で銀獅子の審査員グランプリを受賞しています。1894年にフランスで起きた「ドレフュス事件」という冤罪事件を描いており、わざわ...

オペレーション・ミンスミート

2022.02.24

あ行,

ナチを欺いた嘘のような本当の話、なのだが…第二次世界大戦中、イギリス諜報部がイタリア侵攻作戦を撹乱するために死体に偽の機密文書を持たせて地中海に流し、それをナチスドイツに回収させ信じさせようとしたという、嘘とも本当ともつかないような本当にあった話の映画です。オペレーション・ミンスミート ーナチを欺いた死体- / 監督:ジョン・マ...

弟とアンドロイドと僕

2022.01.08

あ行,

父親との確執と自己承認欲求かな…宣伝コピーだとしても、阪本順治監督の言葉として「これを撮らなければ自分は先に進めない」とまで語る映画ですのでかなり強い個人的な思いがあるのでしょう。それゆえでしょう、他人にはとてもわかりにくい映画です。家族間のわだかまり映画か?ネタバレあらすじ主題は父親への自己承認欲求か?弟とア...

オールド・ドッグ

2021.04.29

あ行, , おすすめ映画

映画から10年の今、老犬はいまだ死なず…を願う今年の2月に見た「羊飼いと風船」のペマ・ツェテン監督、2011年の作品です。その年の東京フィルメックスでグランプリを受賞しています。オールド・ドッグ / 監督:ペマ・ツェテンラストシーンで一気にたちのぼる物語性馬、バイク、走り抜けるトラック息子夫婦の不妊 テレビ放送、チベット人の警官、教師ネ...

オリ・マキの人生で最も幸せな日

2020.03.27

あ行,

幸せは静かにやってくる2016年のカンヌある視点部門でグランプリを受賞したフィンランド映画です。その年は深田晃司監督の「淵に立つ」も出品され審査員賞を受賞しています。オリ・マキの人生で最も幸せな日 / 監督:ユホ・クオスマネンモノクロです。16mmフィルムで撮られているそうです。モノクロですと照明がより重要になってくると思いますが、それがよかったのか...

オルジャスの白い馬

2020.02.04

あ行,

カザフスタンの美しき風景に西部劇を持ち込むと…この映画、竹葉リサ監督とカザフスタンのエルラン・ヌルムハンベトフ監督の共同監督となっています。俳優としては、森山未來さんがカザフスタンの俳優たちの中にひとり加わっています。映画監督というのは、こういう映画を撮りたいという思いがあってこそできる仕事ですので、共同監督というのは難しそうです。役割分担を身を...

おしえて!ドクター・ルース

2019.09.04

あ行,

90歳の現役セックスセラピスト ドクター・ルースの人生「アメリカで最も有名なセックス・セラピストであり、司会者、作家として活躍」(公式サイト)するルース・ウェストハイマーさんを伝記的に追ったドキュメンタリーです。ルースさんの人生そのものが映画です。おしえて!ドクター・ルース / 監督:ライアン・ホワイト現在91歳、アメリカでドクター・ルースと呼ばれ...

おかえり、ブルゴーニュへ

2018.11.19

あ行,

ブルゴーニュのドメーヌの一年と美味しいワインの造り方この映画の英語タイトルは「Back to Burgundy(*1)」で、日本語タイトルとは主体は違いますが、ブルゴーニュへ帰るという点ではほぼ同じ、そして、原題であるフランス語タイトル「Ce qui nous lie」は下の画像にもあります「私たちをつなぐ(結ぶ)場所」といった意味らしく、これらタイトルと下の画像...

億男

2018.10.19

あ行,

世の中にはお金で満たされる人間とお金だけでは満たされない人間の二種類がいるという話えらくクラシカルで情緒的な話やねというのが、見終えての最初の感想。つまり、金の切れ目が縁の切れ目じゃないですが、お金で友情や愛情など人の情は変わるかみたいな、古くて古い(笑)お話です。公式サイト / 大友啓史冒頭いきなり中央に(ポールダンスの)ポールのあるクラブらしき場所...

音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!

2018.10.12

あ行,

面白いです(笑)。面白かったです。ただ、「もっと音楽きかせろタコ!」とは思いましたが(笑)。公式サイト / 監督:三木聡正直、苦手なジャンルなんだけどなあと、やや引きつつ見に行ったのですが、冒頭の10分くらいで心配も吹っ飛びました。ただ逆に、大丈夫か!? このハイテンションで最後まで持つか? との心配が生まれましたけど(笑)。これ、三木聡監督のオリ...

オーケストラ・クラス

2018.08.23

あ行,

ありがちな物語なのに、音楽を大切にし、シンプルでいい映画音楽が人、特に子どもを育てるといったテーマの映画は、過去にもいろいろあったと思いますが、この映画もそのひとつで、プロのバイオリニストが子どもたちにバイオリンを教えるというものです。ただ、この映画の場合、むしろ育つ(変わる)のは教える側のバイオリニストの方です。公式サイト / 監督:ラ...

男と女、モントーク岬で

2018.05.31

あ行, , おすすめ映画

男の感傷物語にみえて、実は女性(たち)の物語かも…。男性監督作品であれ女性監督作品であれ、およそ恋愛映画の大半は男の妄想物語ときまっています(異論は認めません(笑))が、それでも中には、その妄想にしとやかな品位をもって女の存在感を示す映画もあるわけで、この「男と女、モントーク岬で」はその一本だと思います。フォルカー・シュレンドルフ監督が恋愛もの? と、(多分)3...

泳ぎすぎた夜

2018.05.24

あ行,

たからくんは、演技(非日常)と非演技(日常)のボーダーライン上にいるようだ予告編の冒頭に引用されている谷川俊太郎さんのコメント人間ももともとはけものと同じ生きものだった。言葉がないと、意味の仮面がはがれて、いのちのナマの姿が見えてくる。が、この映画のある一面をとらえていると思います。それは、逆にいえば、この映画が、大人になることとは世界を言葉によって意味...

女は二度決断する

2018.04.15

あ行,

単なる復讐物語にしかみえない。ファティ・アキン監督の映画は、 「愛より強く」以来、「トラブゾン狂騒曲」というドキュメンタリーをのぞいてすべて見ていますが、本人がトルコ移民二世のドイツ人ということからでしょう、トルコ系としてのアイデンティティに関わる物語がほとんどで、描かれる社会もトルコ系の俳優を使ったトルコ系コミュニティが中心でした。それが前々作の「消えた声が、...

女の一生

2017.12.22

あ行,

なかなか一筋縄ではいかないけれど、見終われば何かが見えるかもフランス文学の古典は結構読みましたが、モーパッサンの「女の一生」を読んだかどうかは忘れてしまっています。読んでいれば、映画が思い出させてくれるでしょう。ステファヌ・ブリゼ監督の映画は、「母の身終い」と「ティエリー・トグルドーの憂鬱」を見ているだけですが、それらの印象から思うに、こうした古典を映画化する...

オン・ザ・ミルキー・ロード

2017.10.01

あ行,

ぶつ切れで映画にならずエミール・クストリッツァ監督の新作です。「アンダーグラウンド」は、その濃さ(笑)や斬新さにおいてかなりインパクトがありましたが、なぜかそれ以外の映画は見ていないような記憶で、自分自身ちょっと不思議な感じです。エミール・クストリッツァ監督は、ミュージシャンとしても、俳優としても活躍しているとのこと、この映画では主役で出演しています。さらに相...

オリーブの樹は呼んでいる

2017.07.20

あ行,

寓話的趣きのあるシンプルで過剰さのないいい映画でした監督のイシアル・ボジャインさん、この映画で初めて知りましたが、スペインではかなり名の通った方のようです。脚本のポール・ラバーティさんは、ケン・ローチ監督の映画で名前を見る程度には知っている方ですが、あらためて IMDbを見てみましたら、1996年の「カルラの歌」以降「私は、ダニエル・ブレイク」まで、ほぼ全てとい...