小川紗良監督への期待と小川未祐さんへの驚き小川紗良監督、現在25歳、ウィキペディアで経歴を見る限り、どういう経緯でこの映画を撮ることになったんだろうと不思議でしたが、インタビュー記事を読みますと、自主制作の延長線のような感じで広がっていったようです。主演の小川未祐さんともう一度一緒に映画をつくりたいから始まり、最初は短編をイメージしていたけれども構想がふくらん...
俳優たちの本音のぶつかりあいがなく緊張感がない昨年(2020年)末の「生きちゃった」から今年に入ってついひと月前の「茜色に焼かれる」、そしてこの「アジアの天使」と続けざまに石井裕也監督の映画を見ています。たまたま公開が重なったということなんでしょうが、映画の内容や出来からすると、何を撮り急いでいるんだろう、焦りでもあるのかしらと思ってしまいます。アジアの...
すべてにおいて過不足なく完璧!横浜聡子監督、2016年の「俳優 亀岡拓次」以来です。長編ではその前が2008年の「ウルトラミラクルラブストーリー」ですから、なかなか撮りたいものの環境が整わないということなのか、もっと撮って欲しい監督のひとりです。で、「いとみち」、完璧でした。あらゆる点において過不足なく完璧でした。いとみち / 監督:横浜聡子駒井...
感傷的な内容をさらりと描いて好印象、ロベール・ゲディギャン監督ロベール・ゲディギャン監督が「フランスのケン・ローチ」と言われているとの宣伝コピーがありましたので、疑り深い私は(笑)海外のサイトを調べてみました。すみません、確かにそうしたニュアンスで語られている批評がたくさんありました。海辺の家族たち / 監督:ロベール・ゲディギャンずいぶん演劇的...
子育ては母親の仕事か?あたかもそう言っているかのような…椰月美智子さんという作家の同名の原作があります。知らない作家さんですが、児童文学でたくさん賞をとっているようです。ただ、この「明日の食卓」は母親の話ですので大人向けの作品です。下の画像にあるように菅野美穂さん、高畑充希さん、尾野真千子さんの三人が同じ「石橋ゆう」という名の10歳の息子を持つ母親を演じています...
石井裕也監督、覚醒す!と思いきや…石井裕也監督、覚醒す!これまでの石井監督の印象は、映画としてうまくまとめる能力は高いけれども、今の時代や社会にあまり直接的なコミットメントをしない印象でしたが、この映画はちょっと違っていました。たまたまの1本なのか、なにかが変わっていく初めの1本なのか?茜色に焼かれる / 監督:石井裕也世の中は理不尽なことばか...
ベトナム人技能実習生のある現実、なのだが…映画の宣伝コピーに「技能実習生として来日したベトナム人……」とあれば、ほとんどの人は、技能実習生が不法な労働時間や賃金未払いなど過酷な環境で働かされる実態に迫った映画だろうと予想します(しないかな?)。でも、ちょっと違っていました。おそらく藤元明緒監督にしてもそうした予想はわかってのことだと思われますので、それをどう捉え...
映画から10年の今、老犬はいまだ死なず…を願う今年の2月に見た「羊飼いと風船」のペマ・ツェテン監督、2011年の作品です。その年の東京フィルメックスでグランプリを受賞しています。オールド・ドッグ / 監督:ペマ・ツェテンラストシーンで一気にたちのぼる物語性馬、バイク、走り抜けるトラック息子夫婦の不妊 テレビ放送、チベット人の警官、教師ネ...
実在の人物をセクシュアリティ(だけ)で描くことの功罪ケイト・ウィンスレットさんが演じている「化石採集者で古生物学者(ウィキペディア)」のメアリー・アニングさんは実在の人物です。ということをこの映画で知りました。男女差別ゆえに歴史に埋もれている女性が再発見されることはいいことだと思います。が、こういう取り上げ方はどうなんだろうとは思います。アンモナイトの目...
わかりやすさを拒否することの意味三澤拓哉監督ってどんな人かとウィキペディアを見ていましたら1987年生まれとあり、ん? そういえば2、3日前に見た「14歳の栞」のプロデューサーや監督も同年代だったなあと、まったく関係はないのですが妙に気になったわけです。理由は、かたや時代の先端をいく(目指す?)映像クリエイターたち、かたや時代に反旗を翻す(かのような)映画制作者...
女性たちは軽やかに階層社会を超える「あのこは貴族」とのタイトルから漫画原作のラブコメだろうとスルーしていたのですが、ちらちらと目にする細切れ情報からどうも違うようだと思い直し見てみましたら、ふたりの俳優に現代的な存在感のあるいい映画でした。あのこは貴族 / 監督:岨手由貴子女性たちは軽やかに階層社会を超える想像力を刺激するネタバレあらすじとちょ...
アイドルオタクの真髄を見たかったのに…松坂桃李主演、今泉力哉監督の青春物語とありましたので見てみるかと、ただハロプロというものも知りませんでしたので(笑)ちょっとだけ調べて、ああ、モー娘。ねなどと軽い気持ちで見に行きましたら…こんな話だったのね。あの頃。 / 監督:今泉力哉アイドルオタクの話でした。あまり弾けない...
幻ではないアイヌを知り、アイヌを知るきっかけにするこのところ俳優で持っている映画ばかり見ている気がしています(笑)。この映画ではカントを演じている下倉幹人くん、その澄んだ眼には差別や同化といった対立視点ではない今生きているアイヌの苦悩が反映されています。もちろん幹人くんは俳優ではありませんし、その他ほとんどの出演者がアイヌコミュニティの人々の映画です。ただ...
ホロコーストは収容所だけの出来事ではない昨年のヴェネツィア映画祭で「少年の置かれた過酷な状況が賛否を呼び、途中退場者が続出。しかし、同時に10分間のスタンディングオベーションを受け」(公式サイト)たと宣伝されている映画です。意味合いとしては、少年が悲惨な目に会い正視に耐えない映画ではあるが評価は高いという意味なんだろうと思います。異端の鳥 / 監督:ヴァ...
圧倒的な太賀、何はなくとも映画は俳優すごい映画ですね。むちゃくちゃ集中させられます。ただ、映画館にいる間は、です。生きちゃった / 監督:石井裕也それでいいんですが、映画館から出て、あらためて思い返してみますと何の映画だったっけ? という感じがするんです。非難ということではありません。逆です。とにかく俳優、特に仲野太賀さんの圧倒的な熱量と石井裕...
ネタバレレビュー:ダミアン・マニヴェル監督、映画づくりの岐路に立つダミアン・マニヴェル監督は、現在踊っているかどうかはわかりませんが、もともとコンテンポラリー・ダンサーですのでダンス(に関わる)映画を撮ることは極めて自然なことだと思います。ただ、「映画」という意味ではこれまでとはちょっと様子が違ったようです。イサドラの子どもたち / 監督:ダミアン・マニ...
河瀬直美監督の原作ものを見る(原作:辻村深月)河瀬直美監督の映画で原作ものを見るのは初めてです。そのせいか物語の芯はしっかりしていますし、物語としてはきっちり収まっています。ただ内容が内容なだけにこれだけリアルさを求めてつくられていますと(私は)かなり引きます。朝が来る / 監督:河瀬直美ネタバレあらすじ河瀬直美監督らしさ?俳優は皆うまい映...
ガエルくんがワナワナワナパブロ・ラライン監督ですね。前作の「ネルーダ 大いなる愛の逃亡者」は難しい映画でした。この「エマ、愛の罠」は内容は難しくないのですが、映画のつくりに特徴があって、そちらはなかなか意図が分かりづらい映画です。エマ、愛の罠 / 監督:パブロ・ララインまずあらすじです。ダンサーのエマと振付家の夫ガストンがいます。子どもが出来なく...
ホロドモール、ウクライナ、ジョージ・オーウェル、動物農場「ソハの地下水道」のアグニェシュカ・ホランド監督の10年ぶりの新作です。と思いましたら、2017年に「ポコット 動物たちの復讐」という映画が「ポーランド映画祭2018」で上映されているようです。それにIMDbによればその間にもTVドラマをたくさん撮っています。赤い闇 スターリンの冷たい大地で / 監...
閉じた価値観の平成ラブストーリー中島みゆきさんの「糸」に着想を得て制作された映画ということです。縦の糸はあなた横の糸は私逢うべき糸に出逢えることを人は仕合わせと呼びますこの歌詞からしてもおよそ内容は想像できますし、そのとおりの映画でした。ただ、覚悟して見に行った割には意外にもさほど苦にならず(ペコリ)見られました。糸 / 監督:瀬々敬久覚...