万雷の拍手をどうみるか、感動?疑問?気持ち悪い? 2020年のカンヌ映画祭のオフィシャルセレクションとして上映された映画です。この年は新型コロナウイルス蔓延のために映画祭が中止となり、全56作品がオフィシャルセレクションとして「カンヌレーベル」のくくりで各地の映画祭で上映されています。この映画はコメディ部門の一作としてアングレーム映画祭で上映されています。...
絶滅収容所を生き延びた実在のポーランド人ボクサーの3年間 アウシュヴィッツへ最初に大量輸送された囚人のひとりでありながら戦後まで生き延びたポーランド人ボクサー、タデウシュ・ピエトシコフスキさんの物語です。1991年に74歳で亡くなっています。アウシュヴィッツのチャンピオン / 監督:マチェイ・バルチェフスキタデウシュ・“テ...
ホン・サンス監督だと思ってみないとその良さは感じられないかも… ホン・サンス監督は本当に多作の監督です。この「イントロダクション」が2020年の製作で、同時公開されている「あなたの顔の前に」が2021年製作となっています。ただどちらも66分と85分と短いですし、「あなたの顔の前で」は見ていませんのでおそらくですが、どちらもダイアログでつないだシンプルなつく...
社会風刺も時にブーメランになる 昨年2021年のベルリン映画祭の金熊受賞作です。この時、銀熊の審査員グランプリを受賞しているのが濱口竜介監督の「偶然と想像」です。1年前のことなのにコロナ(COVID-19)がどんな状況だったのかすっかり忘れてしまっています。日本は比較的落ち着いていましたが、ヨーロッパは大変な時期だったようでこの年のベルリンはオンラ...
フランスの反ユダヤ主義冤罪事件ドレフュス事件を描く ロマン・ポランスキー監督、現在88歳、この「オフィサー・アンド・スパイ」は2019年製作ですから、撮っている時は84、5歳ということになります。2019年のヴェネツィア映画祭で銀獅子の審査員グランプリを受賞しています。1894年にフランスで起きた「ドレフュス事件」という冤罪事件を描いており、わざわ...
妊娠や母性は選択肢であるべき アフガニスタン人(の表記は正確ではないが)によってアフガニスタン国内で2019年に製作された映画です。製作年が重要なのは、アフガニスタンは2021年8月15日にブッシュが始めた20年の戦争を経て再びタリバン政権に戻っているからです。監督のサハラ・カリミさんはタリバンが政権を掌握した直後にカブールを脱出しウクライナに逃れ...
わけがわからなくても見ておくべき映画(だと思うけど…) この監督、天才だわ、と思った映画です。「LETO レト」を見ていますので、この映画の紹介文にそのタイトルを見て何の事前情報も入れずに見に行きましたら、ひっくり返りました(笑)。約2時間半の映画ですが、1時間ほどは、いやもっとかなあ、とにかくまったくついていけず、何をやっているのかさっぱりでした...
レオス・カラックス監督とスパークスによるロックオペラ 忘れた頃にやってくるレオス・カラックス監督です。「ポンヌフの恋人」までの三作は好きな映画ですので茶化しているわけではなく、そのアレックス三部作で監督としては燃え尽きたのかなと思っていましたら、8年後に「ポーラX」、次が13年後の「ホーリー・モーターズ」、そしてこの「アネット」が9年後の2021年です。...
レオは認知症の後期、ひとりで置いておける状態ではないと思うが… サリー・ポッター監督が、若年性認知症を患った弟さんを介護した(公式サイト)ことから着想したという映画です。認知症の父親レオを演じているのはハビエル・バルデムさん、そしてその娘モリーをエル・ファニングさんが演じています。選ばなかったみち / 監督:サリー・ポッター...
ナチを欺いた嘘のような本当の話、なのだが… 第二次世界大戦中、イギリス諜報部がイタリア侵攻作戦を撹乱するために死体に偽の機密文書を持たせて地中海に流し、それをナチスドイツに回収させ信じさせようとしたという、嘘とも本当ともつかないような本当にあった話の映画です。オペレーション・ミンスミート ーナチを欺いた死体- / 監督:ジョン・マ...
人はひとりでは生きられない、思い出にも生きられない 人間とロボットやアンドロイドとの恋愛を描いた映画ってたくさんありそうですが、なかなか思い浮かびません。ググってみましたら「her/世界でひとつの彼女」「エクス・マキナ」、どちらも見ていませんので浮かばないはずです。考えてみれば「ブレードランナー」も、あまり直接的なシーンはありませんが「ブレードランナー20...
これは映画でさえないかも知れない… ミレニアル世代アーティスト「アマリア・ウルマン」さんの映画です。アマリア・ウルマン映画ではないかも知れないこれを映画としてみれば…で、結局なんなのかエル プラネタ / 監督:アマリア・ウルマンアマリア・ウルマンアマリア・ウルマンさん、上の画像の女性ですが、初めて名前を...
父親との確執と自己承認欲求かな… 宣伝コピーだとしても、阪本順治監督の言葉として「これを撮らなければ自分は先に進めない」とまで語る映画ですのでかなり強い個人的な思いがあるのでしょう。それゆえでしょう、他人にはとてもわかりにくい映画です。家族間のわだかまり映画か?ネタバレあらすじ主題は父親への自己承認欲求か?弟とア...
脚本,監督,主演のヴァレリー・ルメルシエのパフォーマンスがすごい 何を見ようかと映画.comの上映欄を見ていましたら、音楽映画なのに(音楽映画にハズレはないという意味)あまり良い評価もなく、期待せず見に行ったのですが、これ、面白いです。全編音楽がふんだんに使われていますが、音楽映画というよりも、脚本、監督、主演のヴァレリー・ルメルシエさんの何がした...
特別を求めない平凡さを描け 2021年最後の映画になりました。一年の最後に見るにはちょっと…という映画です。平凡を映画にすること平凡を平凡な映画にすることロスジェネ、はざま、ゆとり世代特別を求めない平凡さを描け2022年は圧倒的な映画を期待する明け方の若者たち / 監督:松本花奈平凡を映画にすること...
ネタはロスジェネ世代の男の恋愛妄想か? 見始めは(DVDです)、謎解き学園ものみたいな物語かなあと思った映画です。そんなジャンルはないとは思いますが…。階段島という島に閉じ込められた高校生たちの話です。ただ、島の人口は2,000人とか言っていましたので、マジな物語であれば大人たちも物語に参加してこなくてはいけないのですが、登場人物は高校生だけです。...
閉じた円環、つくりもの過ぎて多くは伝わってこない 2019年の東京国際映画祭で最優秀女優賞と観客賞を受賞しています。最優秀女優賞って誰が? と思いましたら、マリオン役のナディア・テレスキウィッツさんでした。主だった女性の俳優は3人ですが、特別目立っていたわけではありませんのでいろいろなにかあるのでしょう。サスペンスのジャンルかと思いますが、英題の「Only T...
アイダの苦しみを共有できるのなら世界は… 日本での公開は3作目になるヤスミラ・ジュバニッチ監督、2006年の「サラエボの花」はベルリン映画祭で金熊賞を受賞しています。1990年代始めのボスニア・ヘルツェゴビナ紛争下で起きた悲劇的な過去を乗り越えようとする母娘を描いていました。この映画「アイダよ、何処へ?」も同じくボスニア・ヘルツェゴビナ紛争下の話ですが、まさしくそ...
娘の死のせいか、色濃く漂う破滅欲求 「What is youth? A dream. What is love? The dream’s content.」キェルケゴールの言葉から始まります。直訳では「若者とは何ですか?夢。愛とは何ですか?夢の内容」となりますが、映画を見た印象からすれば、「若さとは何だ? 夢さ。愛とは何だ? 夢を見ていただけさ」といったニュアンス...
ラテン系ヒップホップのMV的ミュージカル映画 2008年にトニー賞の作品賞、楽曲賞、振付賞、編曲賞を受賞しているブロードウェイ・ミュージカルの映画化です。たまにはミュージカルでもと軽い気持ちで見に行きますと疲れるかもしれません(笑)。イン・ザ・ハイツ / 監督:ジョン・M・チュウ楽しめるのは音楽のみネタバレあらすじニューヨークの大停電ウスナ...