ハッピー・オールド・イヤー

2020.12.13

は行,

映画の内容もミニマル、映画自体もミニマルタイ映画です。タイの映画は年に1本か2本程度しか見ていませんが、この映画はこれまで見てきた映画とはちょっと違います。タイっぽさがないと言いますか、その国っぽさやローカル感がありません。ハッピー・オールド・イヤー / 監督:ナワポン・タムロンラタナリット制作会社GDH559ネタバレあらすじとちょいツッコミ...

ばるぼら

2020.11.23

は行,

稲垣吾郎と二階堂ふみ、幻想的にはならずバルボラという言葉の響きにどことなく馴染みを感じるものがあり、あるいは手塚治さんの「ばるぼら」を読んだことがあるのかとも思いましたが違うようです。「バルバラ」でした(笑)。チェコには女性名があるそうです。で、映画ですが、んー、と唸ってしまうような出来です。ばるぼら / 監督:手塚眞かなり無茶苦茶書いていますの...

パピチャ 未来へのランウェイ

2020.11.04

は行,

女性の抑圧よりもヨーロッパのいらだちを感じるのだが…「パピチャ 未来へのランウェイ」との邦題から、イスラム社会にある女性抑圧をはねのけてファッションショーを実現する女性たちの話かと思って見に行きましら、半分は合っていて半分は違っていました。ファッションショーを実現する女性たちというのはその通りですが、それに対して起きることが「女性抑圧」を越えており、「文明の衝突...

博士と狂人

2020.10.22

は行,

世界最高の辞書OEDの誕生秘話(はマッチョな男の物語?)メル・ギブソンがサイモン・ウィンチェスター著『The Professor and the Madman: A Tale of Murder, Insanity, and the Making of the Oxford English Dictionary』の映画化権を得たのが1998年、公開までに20年を要...

初恋

2020.09.10

は行,

昭和ノワールものを平成コメディ(ギャグ)タッチで描く劇場公開時には三池崇史監督が「初恋」?と興味を持ったものの何となく見逃してしまいましたがやっと見られました。今やヤクザ映画(ではないけれど)もギャグなしでは成立しないということのようで、その意味では「初恋」のタイトルもギャグなのかも知れません。初恋 / 監督:三池崇史まず、テレビ画面じゃ暗くて細部...

破壊の日

2020.08.09

は行,

豊田利晃監督、変われ!と叫ぶ変われ!!破壊の日 / 監督:豊田利晃と言われて、変わらなくっちゃと思うか、変えなくっちゃと思うか、あるいは はあ? と思うか、はたまたお前こそ変われと思うか、人それぞれという映画でしょうか。クラウドファンディングで制作資金が集められた映画らしく、そのこと自体も知らず今いろいろ読んでみたところでは、東京オリンピックの開...

はちどり

2020.07.31

は行,

キム・ボラ監督の記憶の映画のように見える…全編、幻を見ているような映画です。あるいは、思春期、この映画のウニは14歳ですが(私には)すでに遠い過去になってしまったあの頃、世界はこう見えていたのかもしれません。はちどり / 監督:キム・ボラ…とは思うのですが、映画としては非常にわかりにくいです。もう少し正確に言いますと、わかりにくいシーンが何シー...

バルーン 奇蹟の脱出飛行

2020.07.17

は行,

東ドイツからの脱出劇、緊迫感のつくりがやや単調か冷戦時代の東ドイツから脱出する映画というのは結構あるのではという印象でしたが、思い返したりググったりしてみても意外にもこの映画のようにズバリ脱出の行為自体を主題にしたものはあまりないようです。最近の映画で思い出すのは「僕たちは希望という名の列車に乗った」ですが、確かに最後は高校生たちが集団で西ドイツに亡命はしますが...

母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。

2020.03.05

は行,

(DVD)コメディの味わいを出すべきかと…まずは、すごいタイトルだなあと目がいき、大森立嗣監督だからと見た映画です。宮川サトシさんの自伝的漫画が原作なんですね。母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。(新装版)作者:宮川 サトシ発売日: 2018/12/26メディア: 単行本(ソフトカバー) 母を亡くした時、僕は遺骨を食べ...

母との約束、250通の手紙

2020.02.01

は行,

シャルロット・ゲンズブールが浮き、バランス悪さだけが目立つシャルロット・ゲンズブール、憑依型俳優に目覚めたか!?というような映画で、ゲンズブールさんが悪魔に取り憑かれたような母親を演じています。ロマン・ガリーというフランスの小説家の半生を描いており、その母親がゲンズブールさんです。母との約束、250通の手紙 / 監督:エリック・バルビエ原題は「La...

パラサイト 半地下の家族

2020.01.11

は行,

階級社会ではなく格差社会の悲哀と悲劇昨年2019年のカンヌパルムドール受賞作です。このところの映画界(特に日本?)では、「格差社会」という言葉がこの時代を写すキーワードのように語られていますが、この映画こそはまさにそのものズバリの映画です。それは、現代が「階級社会」ではなく「格差社会」だという意味においてもです。パラサイト 半地下の家族 / 監督:ポン...

パリの恋人たち

2019.12.31

おすすめ映画, は行,

ルイ・ガレル、映画で戯れるルイ・ガレルさん、無茶苦茶楽しんで映画つくってます。公式サイトにある「フランス映画界きってのサラブレッド」という枕詞(的な)がフランスでも言われていることかどうかはわかりませんが、こういう(映画の)センスには二世、三世という環境が大きく影響しているように思います。パリの恋人たち / 監督:ルイ・ガレルどの国にも様々な価値観...

バオバオ フツウの家族

2019.10.24

は行,

同性愛カップルの話ですが、物語もつくりも乱暴ですねぇ…子どもが欲しい男女それぞれふた組の同性カップルが取った行動の顛末を描いた台湾映画です。日本でも報道されましたが、台湾では今年の5月17日に同性婚を合法とする法律が可決されています。台湾、同性婚認める法案を可決 アジア初 - BBCニュースバオバオ フツウの家族 / 監督:謝光誠 シエ・グアンチェン...

パリに見出されたピアニスト

2019.10.01

は行,

ネタバレ ヴァネッサ・パラディがマチューと父と結婚したって!?映画内容は公式サイトのストーリーを読めばおおよそ想像がつくと思いますが、その想像以上のものはありません(ペコリ)。パリに見出されたピアニスト / 監督:ルドビク・バーナードそのストーリーから概要です。パリの主要ターミナル北駅。「ご自由に演奏を!」 そう書かれたピアノに向かう一人の青年、...

ハッパGoGo 大統領極秘指令

2019.08.30

は行,

ホセ・ムヒカ元大統領も登場するモキュメンタリーこういうタイトル付けに象徴されるおバカ系(を思わせる)映画は結構趣味なんですが、これはちょっとシラフ(笑)で見て大笑いするのは無理ですね。ハッパGoGo 大統領極秘指令 / 監督:デニー・ブレックナー, アルフォンソ・ゲレロ, マルコス・ヘッチ企画は面白いけれども映画の作りに乗り切れないということかと思い...

パラダイス・ネクスト

2019.08.06

は行,

豊川悦司、妻夫木聡、ニッキー・シエがかわいそうフィルム・ノワール系が狙いなんでしょうが、これはかなり厳しい出来ですね。監督は、「雨にゆれる女」の半野喜弘さん、音楽家としてのキャリアは長く、ジャ・ジャンクー監督やホウ・シャオシェン監督の音楽を手掛けている方です。映画では前作の「雨にゆれる女」が長編デビュー作で、この「パラダイス・ネクスト」が二作目です。パラ...

ハウス・ジャック・ビルト

2019.06.15

は行,

内なる殺人鬼妄想に苦悩するラース・フォン・トリアートリアー監督(呼びかけ)、飛行機恐怖症ということはわかりますが、一度、ヨーロッパ以外の非キリスト教圏に長期滞在してみたらどうですか? 列車で行けますし、それに、もしすでに経験されているのであれば、さらにその倍の期間行ってみてはどうですか。ハウス・ジャック・ビルト / 監督:ラース・フォン・トリアーこれ...

ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた

2019.06.11

は行,

音楽に、父は夢を見、娘は現実を見る過剰なもののない見ていて気持ちのいい映画です。クライマックスのライブシーンは泣けます。ただ、あまり深いものを求めてはいけません。ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた / 監督:ブレッド・ヘイリー娘のサムをやっている上の画像の女性、何かで見た記憶が…、と思いながら見ていたのですが、「さよなら、僕のマンハッタン」でミミ...

パリの家族たち

2019.06.10

は行,

原題は『母の日』母の話ではあっても家族の話ではない5月の「母の日」の前に公開するという選択は、あえて避けたということなんでしょうかね。そうだとしたら、その理由は何なんでしょう?この映画、原題が「母の日」であるだけでなく、内容も「母の日」をキーワードにした「母(となることも含め)という存在との関係に苦悩する女性たち」をテーマにした映画なんですが、「働く女性の幸せ探...

ハイ・ライフ

2019.06.04

は行,

キリスト教的価値観の脳内妄想映画こういう映画はキリスト教世界の価値観がないと撮れないでしょう。絶対的なるものへの憧憬、人間の誕生と再生への積極的な関与、性的欲望との葛藤、そして肉体と精神の二元論。基本は「2001年宇宙の旅」の流れの中の映画だと思います。ハイ・ライフ / 監督:クレール・ドニそれにしても、せっかくいい俳優を使っているのに何やってんだか...