山田孝之が頑張るも、「劇」のまま映画にならず 佐藤二朗さんという方を、ああ、あの映画のと、はっきり思い出せるものはありませんが、なんとなく知っている俳優さんではあります。その佐藤さん、「ちからわざ」という演劇ユニットを主宰しているそうです。この映画もそこで2009年に初演された舞台劇がもとになっているとのことで、映画では「原作・脚本・監督:佐藤二朗」となっています...
モロッコ、アトラス山間部に暮らすアマジグ族の姉妹と結婚式 「モロッコの山奥に暮らすアマズィーグ族の姉妹、ハディージャとファーティマ。アトラス山脈の壮大な自然の中、自身の夢と伝統や慣習のあいだで揺れ動く心のうちを親密な映像で紡いでいく。(公式サイト)」という映画なんですが、なんだか膜が張ったような掴みどころのない映画でした。ハウス・イン・ザ・フィールズ / ...
タイムループ系ラブコメ、ちょっともの足らず 普通の(?)ラブコメじゃないとの噂を聞きつけて、さらにビジュアルに下の画像のようなおバカ系の香りが漂っていましたので、ついついそそられて見てしまいました(笑)。結果、そこそこ面白くは見られましたが、ちょっとおバカさ足らずで期待ほど気持ちよくは突き抜けず、やっぱり普通のラブコメじゃない?という映画ではありました。パ...
誰かとどこかでパ・ド・ドゥ 若干の親愛を込めて言えば、セドリック・クラピッシュ監督は寂しがり屋の甘えん坊ってことのようです。「スパニッシュ・アパートメント」以降、前作の「おかえり、ブルゴーニュへ」まで数本は見ていますがそんな気がしてきました。ただし、それは特別なことというわけではなく誰もが同じという意味であり、特に男の場合はなぜだかそれが顕著です(笑)。パ...
映画の内容もミニマル、映画自体もミニマル タイ映画です。タイの映画は年に1本か2本程度しか見ていませんが、この映画はこれまで見てきた映画とはちょっと違います。タイっぽさがないと言いますか、その国っぽさやローカル感がありません。ハッピー・オールド・イヤー / 監督:ナワポン・タムロンラタナリット制作会社GDH559ネタバレあらすじとちょいツッコミ...
稲垣吾郎と二階堂ふみ、幻想的にはならず バルボラという言葉の響きにどことなく馴染みを感じるものがあり、あるいは手塚治さんの「ばるぼら」を読んだことがあるのかとも思いましたが違うようです。「バルバラ」でした(笑)。チェコには女性名があるそうです。で、映画ですが、んー、と唸ってしまうような出来です。ばるぼら / 監督:手塚眞かなり無茶苦茶書いていますの...
女性の抑圧よりもヨーロッパのいらだちを感じるのだが… 「パピチャ 未来へのランウェイ」との邦題から、イスラム社会にある女性抑圧をはねのけてファッションショーを実現する女性たちの話かと思って見に行きましら、半分は合っていて半分は違っていました。ファッションショーを実現する女性たちというのはその通りですが、それに対して起きることが「女性抑圧」を越えており、「文明の衝突...
世界最高の辞書OEDの誕生秘話(はマッチョな男の物語?) メル・ギブソンがサイモン・ウィンチェスター著『The Professor and the Madman: A Tale of Murder, Insanity, and the Making of the Oxford English Dictionary』の映画化権を得たのが1998年、公開までに20年を要...
昭和ノワールものを平成コメディ(ギャグ)タッチで描く 劇場公開時には三池崇史監督が「初恋」?と興味を持ったものの何となく見逃してしまいましたがやっと見られました。今やヤクザ映画(ではないけれど)もギャグなしでは成立しないということのようで、その意味では「初恋」のタイトルもギャグなのかも知れません。初恋 / 監督:三池崇史まず、テレビ画面じゃ暗くて細部...
豊田利晃監督、変われ!と叫ぶ 変われ!!破壊の日 / 監督:豊田利晃と言われて、変わらなくっちゃと思うか、変えなくっちゃと思うか、あるいは はあ? と思うか、はたまたお前こそ変われと思うか、人それぞれという映画でしょうか。クラウドファンディングで制作資金が集められた映画らしく、そのこと自体も知らず今いろいろ読んでみたところでは、東京オリンピックの開...
キム・ボラ監督の記憶の映画のように見える… 全編、幻を見ているような映画です。あるいは、思春期、この映画のウニは14歳ですが(私には)すでに遠い過去になってしまったあの頃、世界はこう見えていたのかもしれません。はちどり / 監督:キム・ボラ…とは思うのですが、映画としては非常にわかりにくいです。もう少し正確に言いますと、わかりにくいシーンが何シー...
東ドイツからの脱出劇、緊迫感のつくりがやや単調か 冷戦時代の東ドイツから脱出する映画というのは結構あるのではという印象でしたが、思い返したりググったりしてみても意外にもこの映画のようにズバリ脱出の行為自体を主題にしたものはあまりないようです。最近の映画で思い出すのは「僕たちは希望という名の列車に乗った」ですが、確かに最後は高校生たちが集団で西ドイツに亡命はしますが...
(DVD)コメディの味わいを出すべきかと… まずは、すごいタイトルだなあと目がいき、大森立嗣監督だからと見た映画です。宮川サトシさんの自伝的漫画が原作なんですね。母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。(新装版)作者:宮川 サトシ発売日: 2018/12/26メディア: 単行本(ソフトカバー) 母を亡くした時、僕は遺骨を食べ...
シャルロット・ゲンズブールが浮き、バランス悪さだけが目立つ シャルロット・ゲンズブール、憑依型俳優に目覚めたか!?というような映画で、ゲンズブールさんが悪魔に取り憑かれたような母親を演じています。ロマン・ガリーというフランスの小説家の半生を描いており、その母親がゲンズブールさんです。母との約束、250通の手紙 / 監督:エリック・バルビエ原題は「La...
階級社会ではなく格差社会の悲哀と悲劇 昨年2019年のカンヌパルムドール受賞作です。このところの映画界(特に日本?)では、「格差社会」という言葉がこの時代を写すキーワードのように語られていますが、この映画こそはまさにそのものズバリの映画です。それは、現代が「階級社会」ではなく「格差社会」だという意味においてもです。パラサイト 半地下の家族 / 監督:ポン...
ルイ・ガレル、映画で戯れる ルイ・ガレルさん、無茶苦茶楽しんで映画つくってます。公式サイトにある「フランス映画界きってのサラブレッド」という枕詞(的な)がフランスでも言われていることかどうかはわかりませんが、こういう(映画の)センスには二世、三世という環境が大きく影響しているように思います。パリの恋人たち / 監督:ルイ・ガレルどの国にも様々な価値観...
同性愛カップルの話ですが、物語もつくりも乱暴ですねぇ… 子どもが欲しい男女それぞれふた組の同性カップルが取った行動の顛末を描いた台湾映画です。日本でも報道されましたが、台湾では今年の5月17日に同性婚を合法とする法律が可決されています。台湾、同性婚認める法案を可決 アジア初 - BBCニュースバオバオ フツウの家族 / 監督:謝光誠 シエ・グアンチェン...
ネタバレ ヴァネッサ・パラディがマチューと父と結婚したって!? 映画内容は公式サイトのストーリーを読めばおおよそ想像がつくと思いますが、その想像以上のものはありません(ペコリ)。パリに見出されたピアニスト / 監督:ルドビク・バーナードそのストーリーから概要です。パリの主要ターミナル北駅。「ご自由に演奏を!」 そう書かれたピアノに向かう一人の青年、...
ホセ・ムヒカ元大統領も登場するモキュメンタリー こういうタイトル付けに象徴されるおバカ系(を思わせる)映画は結構趣味なんですが、これはちょっとシラフ(笑)で見て大笑いするのは無理ですね。ハッパGoGo 大統領極秘指令 / 監督:デニー・ブレックナー, アルフォンソ・ゲレロ, マルコス・ヘッチ企画は面白いけれども映画の作りに乗り切れないということかと思い...
豊川悦司、妻夫木聡、ニッキー・シエがかわいそう フィルム・ノワール系が狙いなんでしょうが、これはかなり厳しい出来ですね。監督は、「雨にゆれる女」の半野喜弘さん、音楽家としてのキャリアは長く、ジャ・ジャンクー監督やホウ・シャオシェン監督の音楽を手掛けている方です。映画では前作の「雨にゆれる女」が長編デビュー作で、この「パラダイス・ネクスト」が二作目です。パラ...