記事一覧

羊飼いと風船

2021.02.05

おすすめ映画, は行,

映画のつくりやカメラワークが洗練されている映画らしい映画です。プロの技みたいなものも感じます。ペマ・ツェテン監督、初めて見ました。フィルメックスでは過去の作品も何本か上映され、この「羊飼いと風船」を含め3度の最優秀作品賞を受賞しているようです。また、今年の3月には岩波ホールで「チベット映画特集」があり、ペマ・ツェテン監督の作品も「オールド・ドッグ」と「タルロ」...

日本独立

2021.02.03

な行,

改憲誘導を意図すれど俳優は踊らず宮沢りえさんと浅野忠信さん主演の映画でしたので見に行ったんですが、映画のつくりはともかく、内容(主張?)にやや胡散臭さが感じられ、これは一体どういう映画なんだろう?と調べてみましたら…日本独立 / 監督:伊藤俊也改憲誘導映画か?ネタバレあらすじとちょいツッコミ日本国憲法成立の過程戦艦大和ノ最期 映画の質は低...

ヤクザと家族 The Family

2021.01.31

や行,

なぜ今ヤクザの世界に擬似家族をみようとするのか?!なんだか映画.comやFilmarksなどのレビューサイトでは評価が高くなりそうな映画だなあと思いながら見ていたのですが、今、映画.comを開いてみましたらやっぱりかなり高いです(笑)。ヤクザと家族 The Family / 監督:藤井道人「情」に中身がないネタバレあらすじとちょいツッコミ1999...

KCIA 南山の部長たち

2021.01.28

英数字, 英字

イ・ビョンホン主演の実録ものだが、乾いたノワールものに韓国の大統領朴正煕(パク・チョンヒ)暗殺事件までの40日間を描いた実録ものです。ただ、公式サイトには暗殺したKCIA部長の名前がキム・ギュピョンとありますし字幕もそうなっていました。実際にはその部長の名前は金載圭(キム・ジェギュ)ですので、これはフィクションだよっていう意味なんでしょうか。大統領の方も「パク大統...

ルクス・エテルナ 永遠の光

2021.01.26

ら行,

ギャスパー・ノエ監督、画を点滅させるも心は点滅せずサンローランのアートプロジェクト「SELF」の一環として制作された映画とのことです。監督本人がインタビューで、サンローランのクリエイティブディレクターのアンソニー・ヴァカレロさんから「何か一緒に作品を作りませんか?」と提案されたと語っています。ルクス・エテルナ 永遠の光 / 監督:ギャスパー・ノエ ...

さんかく窓の外側は夜

2021.01.22

さ行,

バディもの、BLものとしてつくるべきだと思うよ日本のミステリーはどんなもんか? と思って見た映画。でもないのですが、見る映画もないし日本の映画はないかなと映画.comを見てみましたら最初に出てきましたので選びました(笑)。さんかく窓の外側は夜 / 監督:森ガキ侑大原作とトーンが違うんじゃない?ネタバレあらすじとちょいツッコミ音楽で煽る演出...

Mank マンク

2021.01.21

英数字, 英字

市民ケーンの脚本家マンクをゲイリー・オールドマンが演じるオーソン・ウェルズ監督の「市民ケーン」(1941年)の内容やその裏事情を知っていないとわかりにくい映画です。昨年の12月4日からNetflixで配信されているようです。映画を配信で見る比率が高くなっているとのニュースを見かけるようになりました。私は集中できなく無理ですが、ただこういう映画は配信のほうが調べな...

恋する遊園地

2021.01.19

か行,

エッフェル塔と結婚した実在の女性がモデルの映画監督のゾーイ・ウィットックさんが、エッフェル塔と恋に落ちて結婚したアメリカ人女性がいるとの新聞記事を読んだことがこの映画製作の始まりだそうです。恋する遊園地 / 監督:ゾーイ・ウィットックエッフェル塔と結婚したエリカ・エッフェル対物性愛ファンタジーでもなくコメディでもなくホラーでもない ネタバ...

聖なる犯罪者

2021.01.16

さ行,

信仰、赦し、正しさ、良心とは何か?だが基本はエンターテイメント狙い昨年2020年のアカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされたポーランド映画です。つい先日見た「この世界に残されて」にも書いたのですが、受賞したのは作品賞も受賞した「パラサイト」でした。ただ映画のテーマ性としては、描けているかどうかは別にしてこちらの方がより深い人間性に迫ろうとしています。聖な...

BOLT

2021.01.14

英数字, 英字

失意と絶望に生きるしかないのか林海象監督、私は「ZIPANG」以来です。それはバブル真っ只中でした。「二十世紀少年読本」はノスタルジックでファンタジックでかつ切ない映画でした。バブルの浮かれた気分との裏腹さがとてもよかったと記憶しています。その後の「ZIPANG」はあまりいい印象がなくそのまま林海象監督も忘れてしまいました(ペコリ)。BOLT / 監督:...

この世界に残されて

2021.01.14

おすすめ映画, か行,

ホロコースト サバイバーの医師と少女、そして男と女昨年2020年のアカデミー賞国際長編映画賞のショートリストに選出されたハンガリー映画です。結局ノミネートされなかったということで残念ですが、逆に言えばアカデミー好みじゃないいい映画ということでしょう(笑)。この世界に残されて / 監督:バルナバーシュ・トートアカデミー賞国際長編映画賞のショートリスト...

記憶の技法

2021.01.09

か行,

映画の技法を学ぶべき、記憶の技法は明らかにならず「記憶の技法」という一風変わった言葉のつなぎに目がとまり、宣伝コピーの「孤高のカリスマ漫画家、吉野朔実作品の初映画化」で興味をそそられ、監督:池田千尋で見てみるかとなった映画です。記憶の技法 / 監督:池田千尋漫画は読みません(読めません)ので原作がどうであるかはまったくわかりませんが、映画には「記憶の...

Swallow/スワロウ

2021.01.07

おすすめ映画, 英数字, 英字

フェミニズム、PTSD、そしてヒッチコックすごいですね、この映画、まったく先が読めません。で、終わってみれば、主人公ハンター(画像の女性)が「家」や「家族」という個人を抑圧する環境から自己を開放する物語でした。タイトルの Swallow はこの映画ではツバメではありません。「飲み込む」「侮辱などに耐える」「受け入れる」などの意味です。スラングでも使われているよ...

パリのどこかで、あなたと

2021.01.03

は行,

誰かとどこかでパ・ド・ドゥ若干の親愛を込めて言えば、セドリック・クラピッシュ監督は寂しがり屋の甘えん坊ってことのようです。「スパニッシュ・アパートメント」以降、前作の「おかえり、ブルゴーニュへ」まで数本は見ていますがそんな気がしてきました。ただし、それは特別なことというわけではなく誰もが同じという意味であり、特に男の場合はなぜだかそれが顕著です(笑)。パ...

声優夫婦の甘くない生活

2020.12.31

さ行,

マンスプ系の夫は妻の癒やしにまどろむこれは映画や声優の話というよりも夫婦の物語です。さらに言えばマンスプ系の夫とそれに気づい(ていたけれども自分を騙してい)た妻の物語です。で、ラストがどうなるか?それにより、映画が「甘い」のか、「甘くない」のかがわかります。声優夫婦の甘くない生活 / 監督:エフゲニー・ルーマンマルガリータと百万本のバラ映画の...

ソング・トゥ・ソング

2020.12.25

さ行,

フィジカルタッチイメージフィルムテレンス・マリック監督はもう充分ですと思っていたんですが、ルーニー・マーラさんが主演ですので見てきました……ら、やっぱり、テレンス・マリック監督でした(笑)。ソング・トゥ・ソング / 監督:テレンス・マリックテレンス・マリック監督もルーニー・マーラさんの横顔が好きなんですね(笑)。 2時間強のフィジカルタッチイメージフ...

また、あなたとブッククラブで

2020.12.22

ま行,

300歳の恋バナ映画年をとっても恋をすれば人生楽しいよ、という映画です。ただし、この俳優集めてこの映画か…と悲しくなったりもします(涙)。また、あなたとブッククラブで / 監督:ビル・ホールダーマン見どころは豪華俳優陣(だけ?)ネタバレあらすじとちょいツッコミダイアン(ダイアン・キートン)ビビアン(ジェーン・フォンダ)シャロン(キャンディ...

私をくいとめて

2020.12.19

わん他,

単なるラブコメだった…(涙)原作が綿矢りささん、監督が大九明子さんというのは「勝手にふるえてろ」と同じですね。ちょうど3年前に公開されています。3年前となればさすがに記憶も薄れていますが似たような女性の話ですので比べてみますといろんなことが見えてきそうな映画です。私をくいとめて / 監督:大九明子ラブコメ度アップは原作の変化?ネタバレあらすじと...

詩人の恋

2020.12.17

さ行,

これは愛なのか? 同情なのか? 心の空白を埋める自己愛なのか…キム・ヤンヒ監督の長編デビュー作です。といっても、主演のヤン・イクチュンさんの名前で見に行く人が多いのではないかと思いますし、私もそうです。でも見てみますと、意図してかどうかはわかりませんがちょっと変わっていて面白い映画です。詩人の恋 / 監督:キム・ヤンヒ極端から極端へ振れる登場人物...

ニューヨーク 親切なロシア料理店

2020.12.16

な行,

人は結局利己的にしか動かない…「人生はシネマティック!」「17歳の肖像」「幸せになるためのイタリア語講座」のロネ・シェルフィグ監督、2019年の映画です。その年のベルリン映画祭のオープニングで上映されています。映画の傾向としては「幸せになるためのイタリア語講座」に近いものがあります。ニューヨーク 親切なロシア料理店 / 監督:ロネ・シェルフィグ人は...