アメリカ映画らしい熟年夫婦の会話劇、許す?別れる?結婚する?… ダイアン・キートン、スーザン・サランドン、リチャード・ギア、ウィリアム・H・メイシー、平均年齢75.75歳の俳優たちが二組の熟年夫婦を演じる映画です。アバウト・ライフ 幸せの選択肢 / 監督:マイケル・ジェイコブスマイケル・ジェイコブス監督って誰? こ...
あらためて前田敦子さんの力を感じる映画… 三島有紀子監督の映画は「幼な子われらに生まれ」と「Red」を見ていますが、私には昭和価値観の監督という印象が強いです。二作とも原作ものですので実際にどうかはわかりません。この映画についてチラチラと目にするところでは、自らの過去とか性暴力という言葉が入ってきますので見る前から気が重くなってきます。でも、前田敦...
哀れなるものはこの映画の製作者(制作者)たちかもね… 「女王陛下のお気に入り」「聖なる鹿殺し」のヨルゴス・ランティモス監督の最新作、昨年2023年のヴェネツィア国際映画祭の金獅子賞受賞作です。主演のエマ・ストーンさんがプロデューサーに名を連ねていますし、エンドロールで彼女の制作会社フルーツ・ツリーのロゴが流れていましたので製作にも深く関わっているものと思わ...
ヨーロッパで売るべき映画だと思いますが… ジョージア(旧グルジア)のキストと呼ばれるチェチェン系ジョージア人の暮らしを追ったドキュメンタリーです。監督は竹岡寛俊さんという方で、ネットにはこの映画以外には情報がないですね。アダミアニ 祈りの谷 / 監督:竹岡寛俊ジョージアとパンキシ渓谷ジョージアは2015年までは日本...
ギャスパー・ノエ監督の映画への真面目さを強く感じる感傷なき死の描写… ギャスパー・ノエ監督は、「アレックス」「CLIMAX クライマックス」「ルクス・エテルナ 永遠の光」と見てきた私の中では真面目な監督という位置づけになっています。この映画もこれ以上ない真面目さで人の「死」、最期というものを描いています。おすすめ映画に入れていますが、決して楽しい映...
予告編でうんざりするほど見せられたイチコ、イチコが耳についたのが運のツキ… 上映前(他の映画の…)に流される予告編を幾度も見せられているうちに、イチコ、イチコが耳についてしまい、思わずポチッとしてしまった映画(笑)、というわけでもなく、杉咲花さんと若葉竜也さんの力の入った演技を見てみようということもあります。市子 / 監督:戸田彬...
同性愛の悲恋物語ではなく、知性対反知性を描いているのではないか… 「最初の人間」「ナポリの隣人」のジャンニ・アメリオ監督、2022年の映画です。1960年半ばにイタリアであった同性愛に関する裁判を描いた映画です。同性愛が許されない時代の悲恋物語のようにもみえますが、映画の本当のテーマはそこではないかもしれません。蟻の王 /...
ABYSSとは海への一泊旅行のことかと思ってしまうのだが… 「逆光」ではかなりいい印象を持った須藤蓮監督と脚本渡辺あやさんによる二作目です。ABYSSとは「深いふち,底の知れない深い穴,混沌(Weblio)」という意味とのこと、果たしてその深さは描かれているのでしょうか。ABYSS アビス / 監督:須藤蓮ABYSSとは、...
松岡茉優さんと窪田正孝さんのバーのシーンは必見!愛にイナズマが走ります。 先日「月」を見たばかりの石井裕也監督ですが、こちらはオリジナル脚本のコメディらしく、きっとぴったりはまった面白い映画になるでしょう。それに、主演は松岡茉優さんと窪田正孝さん、どちらもうまい俳優さんですので間違いないと思われます。愛にイナズマ / 監督:石井裕...
映画「アンダーカレント」は 心の undercurrent に迫れているか… それなりに何本か見ている今泉力哉監督ですが、「街の上で」あたりでもういいかなと思いそれ以降あまり気にかけていなかったところ、主演が真木よう子さん、井浦新さんという大人の映画のようでしたのでもう1本ということになりました。以下、読み返してみましたら書きすぎ...
もう「다음 소희(次のソヒ)」は出ないでほしい… 2017年に韓国全州で大手通信会社のコールセンターで働き始めた高校生がその3ヶ月後に自ら命を断ったそうです。この「あしたの(ない)少女」は、その起きてはいけないが現実に起きてしまったことをベースにした映画です。原題の「다음 소희(次のソヒ)」には、もう次のソヒは出ないでとの思いが込められているのだと思います...
求められる女性らしさと老いに苦しむ1878年のエリザベート… ミュージカルにもなっているオーストリア=ハンガリー帝国の皇后エリザベート(エリーザベト)の映画です。伝記映画ではありません。タイトル(邦題)に1878とあるように、エリザベートが40歳になる1878年一年に絞った映画です。エリザベート 1878 / 監督:マリー・クロイ...
小気味よい見事な展開と特徴的なカメラワーク メーサーロシュ・マールタ監督というハンガリーの監督の特集上映の1本、1975年のベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞した「アダプション/ある母と娘の記録」を見てきました。アダプション/ある母と娘の記録 / 監督:メーサーロシュ・マールタ特徴的なカメラワーク有無を言わせぬ見事な...
16歳で生き別れになった恋人への思いを軸にバランスよくうまくまとまっている… 「Based on the true story of Harry Haft」とクレジットが入っている通り、実在のユダヤ系ポーランド人ハリー・ハントさんの実話にもとづいた映画です。もちろんこうした映画の常道で誇張されているとは思いますが、ことの経緯は実際にあったことのようです。生...
愛がない… 監督は、ヨアキム・トリアー監督の全作品で脚本を書いているエスキル・フォクトさんです。日本で公開されているトリアー監督の映画は、新しい方から「私は最悪。」「テルマ」「母の残像」の3作ですが、IMDb を見ますと2000年のショートからドキュメンタリーを除いてすべての映画にエスキル・フォクトさんの名前が入っています。イノセ...
親子愛をもってしても越えられないホモフォビア… アメリカの海兵隊新兵訓練所での過酷な訓練シーンが多くを占めますが、映画の主題はゲイの男性の母子関係とホモフォビアです。監督であるエレガンス・ブラットンさんの実体験に基づいているそうです。インスペクション ここで生きる / 監督:エレガンス・ブラットンホモフォビア、同性愛嫌悪...
ウォン・カーウァイ臭ぷんぷんの「恋する惑星」風ドラマ、ん? パクリに近いか…。 「風の電話」以降「恋恋豆花」の予告編で見かけたくらいでどうしたんだろうと思っていたモトーラ世理奈さん、映画.comでその後の出演作を見てみてびっくり! むちゃくちゃ売れているじゃないですか?!でもあまり作品に恵まれているようにはみえないですね…(ペコリ)。[to...
前半は兄ヴィットリオへの追悼の意味合い、そして後半はピランデッロの不条理劇(小説)「釘」の映画化です 監督のパオロ・タヴィアーニさんは長くタヴィアーニ兄弟監督として活躍されてきた弟さんの方で、兄ヴィットリオ・タヴィアーニさんは2018年に88歳で亡くなられています。記憶のあるところ(内容には記憶がないが…)では、兄弟監督として撮った「塀の中のジュリ...
ドキュメンタリー監督らしいじわーと効いてくる映画だが、公開のタイミングを逸している… ニューヨーク・タイムズがアメリカの映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインのセクシュアル・ハラスメントに関する告発記事を発表したのが2017年10月5日、それを契機に世界中で「#MeToo運動」が巻き起こりました。もちろん現在進行中でもあります。この映画は、...
イスラム国モロッコの同性愛と夫婦愛とカフタン愛 マリヤム・トゥザニ監督「モロッコ、彼女たちの朝(Adam)」に続く長編二作目です。昨年2022年のカンヌ国際映画祭「ある視点部門」で国際映画批評家連盟賞を受賞しています。青いカフタンの仕立て屋 / 監督:マリヤム・トゥザニミナとハリム少ない台詞と抑制された演出は前作「...